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杉浦非水展 細見美術館

先日の京都アート紀行の最終回は、細見美術館で開催中の明治、大正、昭和にわたり活躍した日本のデザイナー・杉浦非水展です。

細見美術館は、実業家の細見家三代にわたる美術蒐集品を所蔵展示する美術館で、日本、東洋美術を中心に構成されています。コレクションは、重要文化財、重要美術品も多く、二代目の實氏のコレクションの江戸琳派コレクションにより、伊藤若冲や酒井抱一などの作品は氏の先見性を物語り、現在では高い評価を得ています。

今回の展覧会は、愛媛県美術館所蔵の杉浦非水作品によるもので、現在愛媛県美術館では「細見美術館コレクション名品展」が開催されています。

杉浦非水は、東京美術学校(現東京藝大)で日本画を学び、洋画家・黒田清輝がもたらしたアールヌーヴォ様式に魅せられ、デザイナーの道を歩みます。その後、三越呉服店に入社し同店のポスターやパンフレットのデザインに携わりながら、様々な商業デザイン物を制作していきます。

その作品は、モダンデザインの先駆者として現在に通じるもので、その発想の幅広さに驚嘆しました。また花や動物など、身近なモチーフを取り入れた作品は、親しみやすさを感じ、今でも十分通用するデザインばかりです。また、随所にアールヌーヴォの様式を取り入れていることがデザインの中に見受けられ、氏のデザインに対する先見性と普遍性を同時に感じました。

昭和モダンと言うか、昭和のデザインが現在はクロースアップされがちですが、杉浦非水のデザインには、明治、大正、昭和の三つの時代を生きたデザインの進化と時代の融合性を持っていて、デザインを時代のくくりで観ることなく大局的に観ることの大切さを感じます。



 


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