65オヤジのスタイルブック

盗作疑惑

お騒がせ贋作事件簿

草思社

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今最も、ワイドショーをにぎわしている話題。洋画家・和田氏の盗作疑惑だろう。
アートにかかわる人間として、興味深く観ている。

発端は、文化庁の芸術選奨の盗作疑惑。イタリア人画家スギ氏の作品を盗作したものとのタレコミがきっかけだろう。
第三者的に判断しても、これは明らかに盗作だろう。スギ氏が怒るのも無理はない。
興味ある点は、作品のほとんどがスギ氏の模写に近い作品。模倣ではあるが限りなく模写に近い。ただ、模写ではなくオリジナルとした点に問題がある。

今回の問題が大きくなったのは、芸術選奨や新たに発覚した東郷青児美術館大賞作品など権威ある賞に選ばれたことだ。

作家は、作家に影響を受け作風などが似ることはある。事実巨匠の作品に似かよった作品を描く作家は多い。しかしながら、その作品は模倣であるがゆえに美術的評価が高いわけではない。事実われわれの業界の評価は低い。

今回の問題は、日本では無名に近い(イタリアではある程度の評価があるようだが)スギ氏の美術的評価を上げることになっただろう。
ある評論家は、盗作の事実を知らなかったから文化庁を責めることはできないと言うが、そもそも賞というものは、権威の象徴のような存在。芸術選奨や他の賞の権威は今回の問題で失墜することは否めない。賞の権威というものを皮肉るならば、スギ氏にあらためて差しあげるのが得策なのかもしれない。

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