ヒュー・ジャクソンが誘拐された我が娘を自力で救出しようとするクライムサスペンス映画プリズナーズを観賞。
上質のサスペンス映画を観ていると誰が犯人か探っていくうちに、いくつものトラップにはまり、徐々にスクリーンにくぎ付けになって目が離せなくなるものです。今回もそんな上質な作品の一つでした。
その上質なサスペンスを生んだのは、カナダ人監督のドウニ・ヴルヌーブ。そして、自然の美しさと過酷さの中で独特な空気を醸し出したのは、ハリウッド屈指の撮影監督ロジャーディーキンスのコンビによるものです。
物語は、小さな田舎町で起こった二人の娘の失踪事件。犯人に浮かび上がったのは、知的障害を持つ青年。彼には物的証拠はなく、釈放となるのですが被害者の父親に呟いた言葉をきっかけに、父親は彼を監禁、拷問により自白を強要しまう。
過去の連続誘拐事件を発端に、真犯人を探す警官と彼を犯人と信じ続ける父親との葛藤が始まります。
愛する我が娘のために常軌を逸した行動をするヒュージャックマン演じる父親と事件の謎を暴こうと必死にもがく警官役のジェイク・ギレンホールと監禁される青年役のポールダノの鬼気迫る演技に思わず息を吞むシーンの連続。そして、二重三重に仕掛けられたトラップが二転三転して繰り広げられ真相へと至る緊迫感が打ちのめされそうになる作品でした。