映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、アルゼンチン唯一のコルビュジエ建築の邸宅に住む家族にふりかかる隣人トラブルをめぐるブラックコメディー「ル・コルビュジエの家」です。
2012年に公開された本作は、アルゼンチン映画で国立西洋美術館が世界遺産に指定されたことで日本でもおなじみとなった建築家・ル・コルビュジェのアルゼンチンの邸宅が舞台のアートにブラックなコメディーを融合した作品です。
物語は、椅子のデザイナーの主人公が、成功の証としてコルビュジェの家に引越したことで、隣人とのトラブルに巻き込まれていく様を描いてます。
隣人の男は、屈強で強面の男。彼が主人公の家に向かって明り取りを作ろうとしたことが、発端となって優柔不断な主人公の決断が自らの家族の仲も不和に。隣人の男はただただ窓に光をのぞんでいるだけで、主人公の決断がラストでは思わぬ事態へと発展していきます。
成功者はの持つある部分での我儘と人に対する蔑み。妻と隣人間で生まれる主人公の曖昧な性格など隣人との関係との形成方などにも注目して観ると多分に教訓的な作品でもあります。
隣人が窓を空けた行為と世界遺産ゆえの観光客の写真撮影。どちらもプライベートを重視するならば同じ行為のように思えて、主人公の滑稽さが増幅されたように思えました。