今回は、時代を映す女性たちをテーマに、18世紀から20世紀にいたるパリの女性たちを中心に絵画とコスチュームでたどるファッション史的展開となってます。
21世紀に入り、メトロポリタン美術館などでも、所蔵品のデザイナーズコレクションを中心にした展覧会が開催されるようになりました。今回の中世ヨーロッパから20世紀のモードまで、当時の女性たちのファッションがうかがえる風俗画や銅版画作品、写真などに加え、貴重な衣装が展示されています。
また、ロートレック、ルノワール、ピカソなどの巨匠作品にマネの恋人であったモリゾやカサットなど当時活躍した女性画家の秀作も紹介され、特筆すべき作品としては、70年ぶりに修復を終え初公開されるマネの「街の歌い手」はマネの女性像と筆致が色濃く反映された作品でした。また、オートクチュールの創始者であるウォルトやパリモード界の巨匠ピエールカルダンやバレンシアなどの衣装も当時の女性たちのファッションを感じとれる展示となっています。
現在開催中のヤマザキマザック美術館のよそおいの200年と比べると、普段のボストン美術館よりコンパクトな展示となってますが、関連付けて観ると興味の惹く内容でゆっくりアートとファッションを楽しむのには最適な展覧会だと思います。