マーチン・ルーサー・キングの公民権運動を描いた映画「グローリー/明日(あす)への行進」を観賞
青春時代、アメリカへのあこがれと共に暗黒の歴史を知り、キング牧師のたどった道が僕の心に深く刻まれ、尊敬する人物の一人となりました。
映画史上初。原題はセルマ。公民権法の制定の中でも未だ黒人に選挙権を与えられていないアラバマ州・セルマの地に乗り込み非暴力の行進の指揮をとったキング牧師とデモに参加した人々が描かれ、1965年3月7日デモ行進を警官隊に暴力で制圧された「血の日曜日事件」が映画の中心となっています。
また、女性監督エヴァ・デュヴァネイは、FBIの監視記録を基に脚本され、あの悪名高きフーバー長官やマルコムXとの和解、ジョンソン大統領の当時の心情にも迫っています。
そして主人公キング役のデヴィッド・オイェロウォは、家族や同志に暴力や嫌がらせが続き、犠牲者が生まれる中でも、自らの非暴力を貫くキング牧師の苦悩に加え今まで描かれることのなかったキングの実像に迫る見事な演技でした。
場面ごとの切り替えにソウルフルな歌声が流れ、アカデミ賞の主題歌賞を受賞したコモン&ジョンレジェンドのGlory物語の語り手となり、歴史的な行進の意義をさらに感じます。