65オヤジのスタイルブック

伊藤若冲

BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]

マガジンハウス

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○ブルータス

今、若冲が熱い。
若冲とは江戸末期の画家・伊藤若冲。
現在、東京国立博物館で「若冲と江戸絵画展」が開催されている。
今回のブルータスでも大々的に特集が組まれた。
先日もたけしの誰でもピカソで取り上げられていた。
またその作品はコレクションブログとして公開されている。

この人の作品は、実に粋な作品が多い。
たとえば、主題を仏教の涅槃図におく樹下鳥獣図屏風などは、升目描きによるモザイク表現が斬新で現代美術的思考を感じる。
宇多田ヒカルのSAKURAドロップスのPVに使われてている。

三十幅にも及ぶ「動植綵絵」は動植物の姿を巧みに描き出している。
鳥、魚、四季の花々姿が意匠的に配されているが、その姿が若冲の独創的な視点で描かれていることに驚嘆する。

若冲は、実業家プライス氏により見出された。
本来、日本文化は日本人により見出されるのがしかりだが、江戸絵画はアメリカ人により評価された。またゴッホやゴヤ、ルノワールなども江戸の錦絵に魅了され絵画革新的手法として取り上げられた。

日本、とりわけ江戸の絵画は西洋をわたり日本で再評価されてきたのも、次の世代のアートの嗜好に限りなく近いことによるだろう。

こうしたことが、ジャンルという垣根を取り除きボーダレスを生めば日本の中世、近世絵画も根付いていくにちがいない。

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