その後に皮鞣しのタンニンを使う方法に挑戦したのです。 皮鞣(かわなめし)とは 皮をタンニンの桶の中に浸け込んで、柔らかくして、腐らないよ うにして、臭みを抜き、虫が付かないようにすることです。(現在はクローム鞣として自然タンニンの加工は殆ど行われていません)
顔料や染料で染めないタンニンの素揚げの革を使い込んでいくうちに、酸化して色が茶、濃 茶、黒と変化するのだという話を聞いて、柿渋タンニンと同じだ! と理解して、皮で使うタンニ ンパウダーで生地を染める事にしたのです。
付き合いの深い染工場に依頼してタンニンパウダーを送つて、テストを始めました。い そがしい工場の機械をあけてもらい、生地を何度も投入。ドンドン失敗! 色が合わない。
濃い色が出来るときと、出来ないとき。カーキグレーになったり、赤味の茶 だったり。染め上がりで良かった色が、洗うと色が変わったりしました。
加工の度に色が違いました。実際今でも違います。色が同じでないけれど、仕上がった 色が良ければ良いことに!
今は出来るだけ色ブレしない事に心がけています。
奄美大島の泥染めの体験をした友人から聞きました。山から切ってきた苦みのある木を砕いて、 大釜で煮てできた溶液の中に布地を浸してから、鉄分のある泥田で踏んづけるそうです。 太陽で乾かしては、また同じ行程を繰り返し、最後には褐色の布地ができ上がります。 これと同じ事を、機械化して染めたものが、このタンニン染めにあたります。
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