夫が死亡したのは、救急搬送に応じてもらえなかったためとして、仙台市に住む女性が市を訴えました。女性は、市が責任に向き合おうとしていないとして慰謝料などあわせて2350万円の支払いを求めています。
原告代理人増田祥弁護士
「救急隊のあり方として根本的に考え直してもらわないと、これからもそういうケースが起きるだろう」
仙台市を訴えたのは、仙台市泉区に住む60代の女性です。訴えによりますと、今年3月13日未明、体調不良だった当時74歳の夫が息苦しさなどを訴えたため、女性は救急搬送を要請しましたが、「心電図や血圧が正常」などと救急隊員から説明され、夫は病院に運ばれませんでした。
その日の朝、女性が夫に声をかけると返事がなく、その後、病院で死亡が確認されたということです。死因は、虚血性心疾患と推定されています。
夫は5日ほど前からほとんど食事をとれない状態になっていて、女性は病院へ救急搬送され必要な措置を受けていれば助かったとして、仙台市に慰謝料などあわせて2350万円の支払いを求めています。
女性の弁護士によりますと、仙台市は「夫が搬送を拒否した」と説明していて、女性の認識と食い違いがあるということです。仙台市の郡市長は「訴状が届き次第、適切に対応していく」とコメントしています。