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帽子タイプ人気、ラグビー型は?4月から自転車ヘルメット義務化

2023-03-19 21:18:16 | ニュース
帽子タイプ人気、ラグビー型は? 4月から自転車ヘルメット義務化
2023/03/19 09:00
自転車のヘルメット着用義務化の案内と共に店内に展示されていた、事故で側頭部が破損したヘルメット。着用者にけがはなかったという=大阪市中央区のワイズロード大阪ウェア館で2023年1月17日午前11時6分、野原寛史撮影

(毎日新聞)
 側頭部が大きくへしゃげたヘルメットが事故の衝撃を物語っていた。関西最大級の品ぞろえを誇る自転車用品店のヘルメット売り場。壁一面にずらりと並ぶ約100種類の商品と共に陳列されたこのヘルメットは、顧客が実際に事故に遭った当時にかぶっていたものだという。幸い着用者にけがはなかったが、展示の添え書きは訴える。コレを見てもヘルメットは必要ないと言い切れますか――。
 ◇着用の有無で致死率に大きな違い
 ヘルメットの着用者は20代女性で、夜間に路側帯を走行中、無灯火で逆走してきた自転車と衝突し転倒。その際に側頭部あたりを打ったという。「この衝撃がじかに頭部にきていたらと思うと、ぞっとする」。買い替えのために店を訪れた女性から話を聞いた店員が、ヘルメットの重要性と、自身に非がなくても事故に巻き込まれるリスクを来店者に訴えようとヘルメットを引き取って5年ほど前から展示している。

 自転車は転倒した際、頭を強く打ちやすく、例年自転車死亡事故の多くは死因が頭部外傷となっている。警察庁のまとめによると、2022年に自転車乗車中の事故で亡くなったのは全国で336人。ヘルメットを着けていない人の致死率は着用者の2・6倍(22年)に上る。

 こうした現状を受けて4月1日、改正道路交通法が施行され、自転車利用者のヘルメット着用が全年齢で義務化される。従来は対象が13歳未満だったが拡大する。罰則規定のない「努力義務」だが、ヘルメット着用の有無で事故での致死率は大きく変わるため、着用率向上は急務だ。

 義務化を前に自転車利用者にも変化の兆しが出ている。冒頭の自転車用品店「ワイズロード大阪ウェア館」(大阪市中央区)では年始以降、法改正を知った40〜60代の来店が増えているという。多くは通勤や近場への買い物といった日常的に自転車を利用する「街乗り」利用者たちだ。従来はスポーツタイプの自転車愛好者の来店が多く、売り場には流線型で値段も1万円以上する高性能なスポーツタイプの商品が多く並ぶが、新たな客層について松月洋介副店長は「七、八千円程度のお手ごろな値段で落ち着いたデザインを選ぶ方が多い」と話す。

 ヘルメット製造・販売大手のオージーケーカブト(東大阪市)はこうした層を意識して、以前からマットな質感で落ち着いた色合いの商品などを開発してきた。特に一見普通の帽子のように見えるタイプは普段着にも合わせやすいファッショナブルさで「イベントに出展する度に注目が高まっている」という。ヘルメットの注文増は年始から続いており、増産しても生産が追いつかないほどだ。松月副店長は「品薄になる4月を待たず早めに購入した方が、多彩な商品から選べる」とアドバイスする。

 ◇着用率トップの愛媛県の取り組みとは
 ヘルメットの着用率向上は、こうした街乗り利用者への普及が鍵を握る。スポーツタイプの自転車利用者は以前からヘルメットを着用する傾向が強いが、街乗りの利用者の着用率は低い。短時間利用であることに加え、髪形が乱れることや荷物が増えるといった理由も影響しているとみられる。

 大阪府警が2月に行った街頭啓発活動。ヘルメット未着用者に法改正を伝えるチラシを配布したが、子供を乗せていた30代女性は「法改正は知らなかった。注意されるようになるならかぶる」、別の30代男性は「着けないのに慣れている。周りがみんな着けるようなら考えようかと思う」と反応は鈍い。府警交通総務課は「4月に義務化の対象となる13歳以上の着用率は、今は10%もないだろう」とした上で、4月以降も地道な啓発活動の継続が必要になるとの認識を示す。

 民間の啓発団体「自転車ヘルメット委員会」が20年に約1万人を対象に実施した調査では、全国の平均着用率は11%。都道府県別で着用率が20%を超えているのは愛媛、長崎のみで、北海道と和歌山、青森、奈良、宮崎は5%以下だ。29%で都道府県別1位だった愛媛県の消防防災安全課は着用率の高さについて「何年も時間をかけて取り組んだ成果」と振り返る。

 愛媛県は13年に年齢に関係なくヘルメット着用を促す自転車利用に関する条例を施行し、15年には県立高校で自転車通学の条件として着用をルール化。さらに県内の事業所や団体を通じて成人の着用についても啓発を続け、現在では「通勤通学の時間帯なら、街中の自転車利用者の7割以上が着用している」(同課)という。全国3位の鳥取県(18%)でも、着用を努力義務とする条例制定や通学時着用のルール化など同様の取り組みで着用率は上昇傾向だ。

 ただ、ヘルメット着用に先進的に取り組んできた地域でも、何年もかけてようやく着用率が20〜30%に上がった程度。全国で高い着用率になるには相当の時間がかかる見通しだ。

 NPO法人・自転車活用推進研究会の内海潤事務局長は「車のシートベルトのように、自転車に乗る際に頭部を保護するのは当たり前という意識を浸透させる必要がある」と指摘。その手段として手に取りやすい商品が増えるだけでなく、「例えばラグビーのヘッドギアと帽子を組み合わせたようなものでもいいので、まず着けることへの抵抗感をなくしていくのが普及率向上につながる」と訴える。【野原寛史】



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