北海道遺産に指定されたレンガ造りの建物「サッポロビール博物館」。北海道開拓の時代に日本のビール造りに情熱を注いだ先人たちの想いにふれることができる日本唯一のビールの博物館です。ジンギスカンで人気のサッポロビール園などとともに「サッポロガーデンパーク」内にありガイド付きの「プレミアムツアー(有料)」では限定ビール(復刻札幌製麦酒)も飲めます。
今日は「サッポロビール博物館」でガイド付きの「プレミアムツアー(有料)」に参加してきました。先般のバスツアー《ニセコ 芝ざくらと話題の‼ニセコ蒸留所を巡るたび》で「ニセコ蒸留所」を訪問しアルコール飲料つながりで触発されました。これまでサッポロビール園も含め一度も「サッポロガーデンパーク」に来たことがなく「サッポロビール博物館」をネット検索すると限定ビール(復刻札幌製麦酒)が飲めるガイドツアーがあるようです。見学申し込みページを開くと近日中はほぼ満員でしたがピンポイントで空きのある時間が1コマのみ残されており「ラッキー!」と早速予約し出かけてきました。アクセスは地下鉄東豊線「東区役所前駅」から歩いて参りました。徒歩約10分ほどです。
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「サッポロガーデンパーク」中庭入口の「サッポロビール園」の看板。
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開拓使館と大煙突。ツタの絡まる赤レンガの建物“開拓使館”は1890年(明治23年)に「札幌製糖会社」の製糖工場として建設され、その後、1965年(昭和40年)までは「札幌麦酒会社(サッポロビール)」の精麦工場として使用されたもの。明治時代の貴重な建造物として北海道遺産に指定されているそうです。
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中庭のフォトスポット。
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開拓使館の中は新鮮な生ビールとジンギスカンが楽しめるビール園です。
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大阪の茨木工場で使用されていたビールの仕込み釜。背後はワンランク上のラム肉を提供する「ガーデングリル」。
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「サッポロビール博物館」の建物と煙突。煙突のサッポロビールの文字が正面に見えるフォトスポットだそうです。
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「サッポロビール博物館」の建物と大樽。「サッポロビール博物館」3階部分にはシンボルのステンドグラスが見えます。
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大樽に書かれた文字。右上から縦書きに読むと『麦とホップを製すればビールという酒になる』という言葉が掲げられています。
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『麦とホップを製すれば・・』という仮定法には、製することの難しさと、だからこそ精魂を傾けてビールをつくらねばならないという先人たちの情熱が隠されているそうです。
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上富良野町「土の博物館」から借用・展示している伊フィアット社製のトラクター。
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それでは「サッポロビール博物館」の受付へ。
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「サッポロビール博物館」入り口。
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「プレミアムツアー」の3階ウェイティングラウンジ。ツアーは11:30~16:30の毎時30分にスタート。スタート時間の10分前までに1階で受付を済ませこちらで待機します。隣のプレミアムシアターで開拓の歴史を振り返る6K映像を見た後、展示品をガイドさんの解説を聞きながら見学します。プレミアムシアター以外は写真撮影可(動画撮影・録音禁止)です。
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プレミアムシアターを出て先ず目にするのは1965年(昭和40年)のサッポロビール札幌工場の操業当時から2003年(平成15年)まで実際に仕込みに使われていた巨大なビールの煮沸釜。1度にビール350ml缶で24万本分を仕込める大きさだそうで1日1缶飲んだとして全部消費するのに600年かかる計算です。
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こちらの位置が煮沸釜とシンボルのステンドグラス(外から3階部に見えていたもの)を同時に撮影できるスポットだとガイドさんに教えられ撮影したのですがステンドグラスが良く撮影できません。
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別に撮ったシンボルのステンドグラス。図柄は麦とホップです。
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右はデンマーク製のビール酵母の純粋培養装置。サッポロビールの前身「大日本麦酒株式会社」が1911年(明治44年)に導入し1964年(昭和39年)まで使われていたもの。
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ドイツ製のシャーレンフィルター。1950年代後半頃まで使われていたものだそうです。
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開拓使のはじまりからサッポロビールの歴史を振り返る展示ブース。
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ガイドさんは全ての展示を説明するのではなく要所要所でパネルを前に説明があります。こちらはビール醸造所の完成の解説。
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1876年(明治9年)の「開拓使麦酒醸造所(現サッポロファクトリー)」開業式の写真。
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「札幌ビールの評判高まる」。明治天皇が行幸で視察された際にビールを気に入られお代わりを所望され関係者一同大感激したとのエピソードも紹介されました。ただ当時の瓶ビールの価格は現在の価値で5,000円だったとか。それでも儲けは出なかったそうです。
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こちらは歴代の瓶ビール。トレードマークの赤い星マークがはいっています。
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「受け継がれるものづくり」。サッポロビールは原料となる麦芽とホップにこだわり100%協働契約栽培で調達しているそうです。明治の操業開始時に原料となるホップを北海道で自生しているのを発見したとの説明には驚きました。
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「サッポロ樽生ビール」の人気は北海道からだそうです。
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1瓶5,000円と高い嗜好品を売るために始めた大衆広告。人気の美人芸子さんを用いたポスターなども制作したそうです。アルコール飲料のイメージ戦略は操業当時からのもののようです。
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明治~大正期のポスター。
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昭和初期のポスター。
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こちらは昭和30年代以降のポスターです。
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1967年(昭和42年)の岩下志麻さんと1983年(昭和58年)の黒木瞳さんのポスター。
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1963年(昭和38年)の石原裕次郎さんと1970年(昭和45年)の三船敏郎さんのポスター。1970年当時はまだまだビールを飲む年齢ではなかったはずですが「男は黙ってサッポロビール」のコピーには記憶があります。名コピーだったのでしょう。
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展示ブースを見学した後は1階のスターホールへ移動します。いよいよ期待のビールの試飲です。
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こちらがビールを楽しめる1階スターホールです。ツアー以外の一般客も入れる場所でサッポロビール北海道工場や札幌開拓使麦酒醸造所から直送されたビールを飲むことができます。
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スターホールでは「プレミアムツアー」参加者用の専用席が用意されているので混んでいても余裕でビールを試飲できます。
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提供されるのは「サッポロファクトリー」の札幌開拓使麦酒醸造所で作られた博物館限定の「復刻札幌製麦酒」と長年愛され続ける「サッポロ黒ラベル」。「復刻札幌製麦酒」は開拓使時代の味を再現したものでアルコール分は6%。現代のビールよりアルコールがやや強く、酵母を除去する技術がなかった明治初期の製法を再現しているために“濁り”が強いのも特徴的だそうです。お酒が飲めない方には北海道限定の「リボンナポリン」などのソフトドリンクが用意されています。
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ガイドさんが「乾杯!」と声をかけると「サッポロ!」とお返しするのがお約束だそうです。「サッポロ!」。
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続いてガイドさんがおいしいビールの注ぎ方をレクチャーしてくれます。
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まろやかな味わいにするためには3度注ぎがおすすめで、1度目は高い位置から注いで泡を作り、泡とビールが1対1になったら2度目でグラスの9割まで、最後は慎重に泡を盛り上げて出来上がり。ビールと泡の比率を7:3にするのがポイントだそうです。
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うまく注ぐと泡が表面張力でグラスを傾けてもこぼれないそうです。
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スターホールにはそこそこ一般のビール愛好家で埋まっていました。
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最後にガイドさんに教わったホップ栽培地を見て見学終了。「JR札幌駅」直行のバスで帰路につきました。
仲々楽しいガイドツアーでした。特に「サッポロビール」が都市部で先行発売したものの徐々に売れ行きが低下した「サッポロ樽生ビール」が暖房が普及した北海道では評判となり全国ヒットにつながっていったというのは興味深いエピソードです。明治初期に札幌農学校(現北海道大学)とともに設立され北海道の産業振興に大きな役割を果たした「開拓使麦酒醸造所(現サッポロビール)」が後々に北海道に助けられたというのは何かの縁を感じました。もちろん愛飲ビールは「サッポロビール」で今はもっぱら《サッポロクラシック》ですがたまには愛飲家が名付けたという《黒ラベル》も飲んでみることにします。そんな由来とともに歴史感じる赤レンガの建物やツアー最後に提供される限定ビールも楽しませていただきました。ありがとうございました。
「サッポロビール博物館」
札幌市東区北7条東9丁目1-1サッポロガーデンパーク内
営業時間 11時00分〜18時(試飲L.O.17時30分)
定休日 年末年始 ※毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
電話 011-748-1876
「サッポロビール博物館プレミアムツアー」
・所要時間/50分
・スタート時間/11時30分~16時30分(毎時30分スタート)
・受付/3日前まで要予約
・料金/大人500円、中学生~20歳未満300円、小学生以下無料
・スタート時間/11時30分~16時30分(毎時30分スタート)
・受付/3日前まで要予約
・料金/大人500円、中学生~20歳未満300円、小学生以下無料
(2022.6.10訪問)