札幌出身で日本近代洋画史を彗星のごとく駆けぬけわずか31才で夭逝した画家「三岸好太郎(みぎしこうたろう)」の作品を収蔵し画業を紹介する「北海道立三岸好太郎美術館」。「知事公館庭園」北側の木立が茂る中に佇むアトリエのような美術館です。現在「北海道銀行創立70周年/道銀文化財団創立30周年記念 北海道銀行コレクション」が開催されています。「スポット展示≪飛ぶ蝶≫が絵本になった!」も興味深い企画です。
先日の「近美コレクション コレクション・ストーリーズ 日本近代の美術」&「道銀芸術文化奨励賞受賞作家展」@「北海道立近代美術館」鑑賞の際に「近美コレクション」と「三岸好太郎美術館」の共通観覧券を購入しました。「三岸好太郎美術館」入館の有効期限はまだ先なのですが調べると同館では現在「アートギャラリー北海道/北海道銀行創立70周年/道銀文化財団創立30周年記念 北海道銀行コレクション」に「スポット展示≪飛ぶ蝶≫が絵本になった!」が開催中の様子です。「それでは!」と近くでランチの予定もあるので鑑賞に出かけて参りました。美術館の最寄り駅は地下鉄東西線「西18丁目駅」で「北海道立近代美術館」と「知事公館」の間の通りを北上し現在閉園中の「知事公館庭園」の裏側に回り込んだところにあります(地図)。
「三岸好太郎美術館」の外観。奥が「知事公館庭園」です。前回来たのは積雪の2月だったので約8か月ぶりです。
【北海道銀行コレクション】
「北海道銀行コレクション」のチラシ。
“北海道銀行は、初代頭取・島本融による文化振興への強い志のもと、設立当初から木田金次郎をはじめとする北海道ゆかりの作家を支援するメセナ活動を行ってきました。本展は、北海道銀行の有数のコレクションから、伊藤廉など独立美術協会の創立を担った作家の優品を中心に約30点を展覧。また、木田金次郎美術館所蔵の特別出品2点を含め計6点の木田作品を紹介します”。
“北海道銀行は、初代頭取・島本融による文化振興への強い志のもと、設立当初から木田金次郎をはじめとする北海道ゆかりの作家を支援するメセナ活動を行ってきました。本展は、北海道銀行の有数のコレクションから、伊藤廉など独立美術協会の創立を担った作家の優品を中心に約30点を展覧。また、木田金次郎美術館所蔵の特別出品2点を含め計6点の木田作品を紹介します”。
「北海道銀行コレクション」の1階「展示室1」~「展示室2」の様子。そこそこ人が入っていました。
先ずはコレクションの両巨頭の作品です。伊藤康《花》制作年不明。
木田金次郎《りんご園》1958年(昭和33年)。
木田金次郎《夏の岩内港》1960年(昭和35年)。
小谷博貞《防風林》1969年(昭和44年)
橋本三郎《雪と街工場》制作年不明
同1階「展示室3」の様子です。
北岡文雄《風土連作》1984~85年(昭和59~60年)。今日の1階展示で最も印象的な大作でした。
山内壮夫《二人》1957年(昭和32年)。
藤野千鶴子《リラの花咲く大通り》2010年(平成22年)。こちらも華やかで印象的でした。
1階から2階へ移動します。
【三岸好太郎セレクション】
2階の「展示室4」~「展示室5」の「三岸好太郎セレクション」では三岸画伯の代表的な作品を展示しています。こちらは札幌の風景画です。
三岸好太郎《大通教会》1928年(昭和3年)頃。
三岸好太郎《水盤のある風景》1932年(昭和7年)。
三岸好太郎《北大のポプラ並木》1932年(昭和7年)。大正から昭和初期の時代に「ほぼ毎年帰札」するのは大変なことのような気がします。札幌の街を愛しておられたのでしょう。
【スポット展示≪飛ぶ蝶≫が絵本になった!】
“当館の人気作《飛ぶ蝶》(1934年)は、三岸好太郎(1903~1934)の晩年の傑作です。本展は展示と絵本を通して所蔵品を紹介するシリーズ企画第2弾です。今回は、「はたけのごちそうなーんだ?」シリーズで人気の絵本作家・すずきももさんが《飛ぶ蝶》をテーマに新作絵本を書き下ろします。絵本原画と関連作品、資料の約30点により、子どもから大人まで楽しめる絵と物語の世界へご案内します。”
「スポット展示≪飛ぶ蝶≫が絵本になった!」の展示室。
絵本作家でありイラストレーターでもある´すずきもも’氏の絵本と原画が並びます。
こちらは三岸画伯の絵からオマージュされて完成した絵本『とぶちょう アオとシロのぼうけん』(絵・文/すずきもも)。その原画と元絵が同時に展示されていて非常に興味深い企画になっています。
三岸好太郎《貝殻と蝶》1934年(昭和9年)。
これが👇。
『とぶちょう アオとシロのぼうけん』原画。遠いくにから海を渡ってやってきた青い蝶“アオ”の冒険の物語です。
三岸好太郎《道化役者》(「令和2年度第5期所蔵品展」のポスターより)。
同じく👇こんな感じです。
『とぶちょう アオとシロのぼうけん』原画
三岸好太郎《飛ぶ蝶》1934年(昭和9年)。
こちらも👇こんな感じになります。
『とぶちょう アオとシロのぼうけん』(絵・文/すずきもも)表紙絵原画。元絵の画伯と現代の作家の時代を超えた才能のコラボレーションのような感じがしました。
「三岸好太郎美術館」入口付近から見た「知事公館庭園」。まもなく開放となることを期待しています。
今日はテーマが多岐にわたる展覧会なので鑑賞の頭が少し混乱気味です。それでも北海道の風景画には魅せられるものがありました。また「スポット展示」は仲々興味深い企画でした。時代を超えても才能が出会えば新しい魅力の作品が生まれてくるものだと感心しました。次の企画も期待します。ありがとうございました。
「アートギャラリー北海道 北海道銀行創立70周年 道銀文化財団創立30周年記念 北海道銀行コレクション」
会期 2021.09.15(水) - 2021.11.23(火)
観覧料
一般 510(420)円、高大生 250(170)円、中学生以下、65歳以上無料。
高校生は土曜日並びに学校教育での利用は無料。( )は10名以上の団体料金。
高校生は土曜日並びに学校教育での利用は無料。( )は10名以上の団体料金。
「北海道立三岸好太郎美術館」
札幌市中央区北2条西15丁目 011-644-8901
営業時間 9時30分~17時 ※入館は16時30分まで
定休日 月曜(祝日の場合は翌火曜)、年末年始、その他展示替え期間など臨時休館あり、詳しくはスケジュールカレンダーより
札幌市中央区北2条西15丁目 011-644-8901
営業時間 9時30分~17時 ※入館は16時30分まで
定休日 月曜(祝日の場合は翌火曜)、年末年始、その他展示替え期間など臨時休館あり、詳しくはスケジュールカレンダーより
(2021.9.24訪問)