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札幌・円山生活日記

藤谷康晴個展「札幌顔見世大歌舞伎-EZOパンクスの肖像-」~札幌グランドホテル「グランビスタギャラリーサッポロ」~

1934年(昭和9年)に北海道初の本格的洋式ホテルとして開業した「札幌グランドホテル」。1階ロビーに設けられたアート空間「グランビスタギャラリーサッポロ」は地域の芸術文化の振興・発信に貢献するため道内若手作家の活躍の場として無料提供されます。現在は浮世絵をオマージュした鮮やかな線描と色彩で描く「ハイパードローイング」を得意とする札幌在住の画家・藤谷康晴氏の個展が開催されています。

本日は札幌グランドホテル1階ロビーにある「グランビスタギャラリーサッポロ」で開催中の藤谷康晴氏の個展「札幌顔見世大歌舞伎-EZOパンクスの肖像-」 鑑賞です。札幌のイベント情報で開催を知りました。会期は2023年11月2日~2024年1月19日(金)の予定で会期末近くになって漸く訪問することができました。
会場の「札幌グランドホテル」は1934年(昭和9年)に北海道初の本格的洋式ホテルとして開業した伝統あるホテルです。
その格調高い1階ロビー角にある「グランビスタギャラリーサッポロ」。地域の芸術文化の振興・発信に貢献し、時代に合った新たな価値観を生み出す場を目指して2013年夏にオープン。6年前から“若手作家を中心に、北海道で頑張っている人を応援したい”との思いから道内作家に絞って紹介しており会場使用料、販売手数料とも無料にしているそうです。 
今回の藤谷康晴個展「札幌顔見世大歌舞伎-EZOパンクスの肖像-」 。
“あとは一思いに歌舞いてしまえ! 
写楽大首絵をオマージュする事で始まったハイパー大首絵シリーズ。その中から、第一弾として描かれた「グリッドヒューマン」シリーズを中心に展覧致します。ハイパー大首絵シリーズは、江戸の浮世絵文化に肖りながらも、そこから大きくズレて蝦夷の大首絵として誕生した作品群です。おおもとの文化をなぞりながらも、歌舞いて別様の花を咲かせた彼らの姿が、江戸の顔見世大歌舞伎に見立てたギャラリー空間で、一堂に会します。暮れの華やかなムードのグランドホテル。役者は揃った!”。
藤谷康晴氏。
1981年3月11日生まれ。北海道在住。ハイパードローイングという技法を用いて、「異形の存在」をテーマに、ドローイング作品を制作している。ハイパードローイングとは過剰な線描と色彩で描くことである。常識では言い表せないものや名前を持たぬ存在に興味を抱き、彼らのようなズレた存在にこそ、新しい考え方や価値観が宿っていると考える。例えば、「光の子」シリーズは、未知の生物をイメージして描かれた者たちである。ハイパー大首絵シリーズは、江戸の浮世絵版画フォーマットからズレて、直描きによる過剰な線描と色彩で描き変えられた別様(蝦夷)の大首絵である。鑑賞者は作品達と向き合うことで、異形の者の「存在感」と対峙することになる。北海道という局地でずっと制作してきたことも、このような過剰な異形者達を生み出す要因になっていると考える。
展示会場のようす。受付の方が丁寧に説明してくれました。写真撮影・SNS投稿もOKだそうです。

「GRIDHUMAN(グリッドヒューマン)」シリーズ(2018~2019年)。

《RYOUMA》。
《SHINSAKU》。
《HIMIKO》。
《BIRUSYANA》。
《NUE》。

《HIRUKO》。

《SHIKIBU》。作品はウェブサイトよりお借りしています。
「MYTHICAL CREATURE」シリーズ(2023年)。
「WILD BRIGHTNESS」シリーズ(2011年~2012年)(奥)と「HYPER ORGANISM」シリーズ(2022年)(手前)。

「HYPER ORGANISM」シリーズの作品(一部)。作家のドローイングによって無限に生み出される名前もない存在だそうです。

「WILD BRIGHTNESS」シリーズの作品(一部)。花壇に植えられた花や畑の野菜、街路樹など日頃目にする植物の生命力に触発されて書かれた作品たちだそうです。

「写楽オマージュ」シリーズ(2014年~2017年)。
《SADANOSHⅠN》。
《SHIGENOI》。

《GENZO》。

「写楽オマージュ」シリーズ《GENZO》の元絵。配布された作品一覧に印刷されたQRコードから読み取れることになっていました。以上で鑑賞終了。小規模ではありますが仲々見応えのある個展でした。1月12日、18日、19日には作家も在廊するそうです。ありがとうございました。 
「札幌グランドホテル」の外観。古さは否めませんが格調高いホテルでした。「札幌駅」と「大通駅」間の「札幌駅前地下歩行空間(ちかほ)」直結の便利な場所にあります(地図)。

藤谷康晴個展「札幌顔見世大歌舞伎-EZOパンクスの肖像-」
開催期間:2023年11月02日~2024年01月19日(土日祝は休館)
開催場所:グランビスタギャラリー サッポロ
札幌市中央区北1条西4丁目(札幌グランドホテル1階ロビー)
主催者:DRAWINGMAN
お問合せ:藤谷康晴
(2024.1.12)


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