10月13日土曜日、19時少し前。
我々ASBは恐る恐るライブ会場である心斎橋Clapperの舞台にセッティングのため登壇した。
予想よりお客さんが来てくれていた。ほっとする。
ミナミホイールの恐ろしいところはいざ本番が始まるまでお客さんの入りが全く検討つかないところだ。
粛々とセッティングを済ませたあとは、リハーサルのないこのイベントにおける唯一の音出しのチャンス。もとやん氏が刻み始めたのは自分たちの曲ではなかった。自然と始まったGet Backだったが、やはりビートルズはいい。お客さんも気持ち良さそうだったので思わずワンコーラスまるまる回してしまった。
音出しも終えて舞台裏に戻ろうとすると、ステージ上まできていたPAの男性が一言。「たぶん10年近くぶりにやらせてもらいます」。
おそらく我々がまだまだかけ出しの頃、ネストかロケッツかそういうところで一度やってくれたのだろう。覚えていてくれたことがとても嬉しかった。
舞台裏に戻ると、まだ少しだけ時間に余裕があったのでなんだかんだと取り留めのないことを話す。ライブ直前はいつもこんな感じだ。もとやん氏が何かを落として「ああっ」と情けない声を出したり、煙草をくゆらせるヨウジ氏。ヒゲはヒゲをいじったり、私ひで氏は水のペットボトルのラベルをはがす。
やがて本番の時間がくる。ミナミホイールのようなイベントは、他との兼ね合いもあるので時間はシャープだ。
スタッフの方がきて、オッケーでしょうか、と言う。
我々は常に円陣を組む。肩を組む時もあれば、手を取り合って見つめ合いそのまま変な雰囲気に。。。なることはない。
決まった言葉とかそういうのも無い。とにかくその時の雰囲気でそれっぽい言葉で互いの温度をMAXにもっていく。
こういったイベントにつきものの、ジングルが鳴った。
そしてSE(入場曲のようなもの)が流れる。
だが不思議と自分の中では静寂に近い感覚が頭にある。
楽屋から舞台後方につながるわずか3段の階段を一人ずつ踏む。
その時の足音もリアルに聞こえる。
真っ黒の暗幕をするりと抜けて見た風景は、さっきセッティングの時に見たそれとはまったく違った。
張りつめた空気。
歓声。拍手。自分たちを照らす照明。そして奥までぎっしりのお客さん。
この景色は誰でも見れるものではない。
アランスミシーバンドの一員であることの特権なのだ。
SEが流れる中でそれぞれが楽器を手にする。
この時、われわれはお客さん以上にドキドキしているのかもしれない。
メンバー同士、最後のアイコンタクトをする。
私ひで氏は右手を挙げた。
奥の黒い人影となったPAのあの人も手を挙げる。
そしてSEの音量がスっと下がった。
そしてヨウジ氏がレスポールでエイトを刻む。
この後は、あまり覚えていない。
MINAMI WHEEL 2012 @ Clapper
SETLIST:
1. Jukebox
2. Looking At You
3. Collegetown Bagels
4. 青春マギー
5. Counting Black Sheep
6. The Sound of Your Voice
嬉しいことがありました。
東京の友人が他のアーティスト目当てでCLAPPERに行っていたのですが、
ツイッターで
「ミナホ、The Alan Smithy Band初めて観たけど良かった!機会があったらまたライブ観てみたいです(^^) 」
とつぶやいているのを見ました。
ガッツポーズ!よっしゃ~~~!
ライブ行けなかったけれど、
ほんと嬉しかったなぁ。お疲れさまでした。
自分は来れず、人の賛辞を見てガッツポーズとは…モリカワさん、あなたは天使だ!