The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

The End of the Stretch

2012年07月28日 | ヒデ氏イラストブログ
さて無事微笑みの国、タイに到着した私ひで氏。

タイと言えば皆、何を連想するだろうか。
あのワイと呼ばれる合掌のポーズで挨拶されるととても「ああ、タイだ。。。」という気持ちになる。
独特のタイ文字もすごい存在感。あれがオフィシャルな文字で、いろんなフォントがあるというのに圧倒される。

またなんと言ってもタイフードは相当な美味だ。道端で売っている果物なども異常にフレッシュ。
滞在中のタイフードは今回とても楽しみにしているもののひとつである。
そうかと思えば、ムエタイのような洗練された格闘技もある。
と、同時に性転換になどにも世界随一の寛容性を持つ国。

とにかくこうやって少し考えただけでもありとあらゆる表情があるということがわかる。
実に多様な国だ。

さて、さしたる混乱もなく無事入国。

到着して翌日の食事の席で今回のアレンジをしてくれたシンガポールからのY氏から偶然にもこんな提案が起きた。
「タイ古式マッサージを体験してみるか」、と。

いかがわしいバージョンではなく、本気の伝統古式マッサージとのこと。
しかも1時間はじっくりやってくれるというので、ぜひ、とお願いした。
食事に同席した数人と一緒にY氏の知るマッサージ店に行く。

リゾート感たっぷりというわけではなく、見た目はレストランのような普通の建物だ。
となりにムエタイのジムがあった。タイ語のかけ声としなる足技がサンドバッグを蹴る、乾いた音が響いている。

中に通されると50~60代くらいのおばちゃんたちがぞろぞろと出迎えてくれた。
まずは横一列に全員座らされ、足を洗われる。お湯の入った桶で、サッサッと手際よく洗われ、お茶も出された。
なんとなく直感的にとうもろこし茶ではないかと思ったが、果たして飲んでみるとウーロン茶であった。安心した。

そして足を洗い終わると二階に通された。
二階は大きな座敷になっており、マットレスが人数分ひいてあるオープンスペースだ。
薄暗くなっており、出迎えからこの時点まで終始無言。

担任制のようになっており、自分の足を洗ってくれたおばちゃんがやってくれる。
ここで初めて「これに きがえて」と日本語で言葉をかけられ、薄い浴衣のようなものが置いてあったので「あ、はい」と自分で着替える。

そしてマッサージが始まる。
タイ古式というと通常のマッサージではなく全身の間接をうまく利用した整体のようなマッサージという認識だ。
ゆっくりと、黙々と、しかし確実に始まった。

こ、これは。。。。

肘や膝、拳を巧みに使ってマッサージをしてくれる。
開始早々「え、これ1時間してくれんの?」と思った。自分はいいがおばちゃんは大変だな、やはりそう思ってみるとしっかりした腕をしている、
おそらくマッサージで鍛えられたのだろう。。。などとマットに横たわりながら全身を虚脱する。

驚いたのは左右不対称の動きであることだ。例えば左足をなんだかよくわからないけど凄い技でマッサージされ、「次は右か。。。」とうっすら思っていると、確かに右にはいくのだが左の時とやや違うやり方だったりする。でも効いている部分は同じのように感じる。

全員同じ場所でやっているので、無言ながらも暗黙のペース調整があるようで、見ていないようでなんとなくペースを合わせながらやっているようだ。

しかしここで私の担当のおばちゃんが時折持ち場を離れて、エアコンを調整したりしている。
そんな放置が時折あったのだが、それでも私ひで氏はあまりの気持ちよさにウトウトとしてしまった。
するとうつぶせになった状態でトントンと手をタップされた。私の手を持て、という合図だ。

次の瞬間、ぐぐっとエビぞりに引っ張られた。
しかしこれまでのマッサージが準備体操のようになっていたのだろうか、不思議と痛くない。絶妙な加減が入っているようだ。
そのあまりの心地よさに私ひで氏は宇宙にただよっているかのような感覚に襲われた。



コスモゾーンに突入しそうになると、またふっとおばちゃんがいなくなりしばし放置。

そうか。。。。私ひで氏の担当のあのおばちゃんはこのメンバーの中でいわば一番下っ端で、温度調整やその他の世話係もやらされているのだ。。。
そういえば最初ののとき、全員分のお茶を持って来たのもあのおばちゃんだった。

するとやはりそのおばちゃんが、また全員のお茶をもって下から上がって来た。そしてそれを部屋の隅においた。
そうか、残りあと数分にさしかかり仕上げのお茶を用意していたのだな。。。。大変だな、おばちゃん。

その頃には周りのみんなは絵に描いたようなタイ古式マッサージの派手なヤツを受けていた。
あちこちから「うう。。。」「ぐッ」とかいう声が漏れる程、ときにはキツいものもあるようで、かなり引っ張ったりされている。完全に仕上げ段階だ。

うつぶせで待っていると、おばちゃんがようやく戻って来てくれた。
スッスッ背中の簡単なマッサージが再開された。

おぼろげな感覚の中で私も「ああ。。。いよいよ醍醐味。。。まだえびぞりしかやってないもんね。。。あのカナディアンバックブリーカーみたいなヤツとかやるんだ。。。」
おばちゃん、下働きもあったのにみんなとおんなじだけマッサージするなんて大変だよね。。。ありがとうよ。。。


次の瞬間、パタパタッと無機質な蛍光灯が点灯し、
ハイ オチュカレサマー という誰かの一声でみんなぞろぞろと起き上がった。

私もお尻とポンポンと叩かれ「オワリネ」とおばちゃん。



。。。は、はしょられたーーー!






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