
1986年のギャング抗争の最終回、Amazing SPIDER-MAN (“ASM”) 287号、288号をレビュー。
筋書きをJim Owsley、287号の画をEric Larsen、インクをArt Nicholas、288号の画をAlan Kupperberg、インクをJim Fernがそれぞれ担当。添付画像はASM 287号の表紙。Kyle Bakerによるもの。この人PLASTIC MANで有名な人らしい。Marvelだと、DEADPOOL。Deodato風な画を描く。もっとMarvelに作品を遺してほしかった。288号のSteve Geigerの表紙も非常に良かった。
粗筋。Kingpinの帰還の情報はギャングだけでなく、彼を憎むDAREDEVIL(“DD”)の元にも届く。SPIDER-MANは彼を唐サうと企てるが、DDに一杯喰わされる。そしてKingpinは街で2つの計画を実行に移す。
気に入った台詞、シーン等を紹介。DDが一騒ぎ起こしてSPIDER-MANを引き付け、Kingpinを無事ニューヨークに戻したことに対する見解。”We’ll nail him (Kingpinのこと) one day. But it’s got to be legal. Or it means nothing.” 法律家の彼らしい台詞でカッチョ良い。
HobgoblinがThe Roseを裏切っちゃうのも良いのだが、彼が情報を手土産代わりにKingpinにすり寄るのが良いな。また、土産であるThe Roseの正体をKingpinが既に知っているのも良し。
Hobgoblinの正体はこの号を読めば、Rodrick Kingsleyだとわかるのは収穫。(正体知っているから成程ねとなるのだが。)Mary Janeが実はHobgoblinの正体に近づいていたのも良い伏線だな。使われなかったとしても。
続いてASM 288号。笑ったのは、Black CatとMary Jane (“MJ”)の喧嘩。MJのCatの新しい髪型に対する皮肉。”Nice haircut. You use gardening shears or sharp rock.” 前者は演圏pの裁ちばさみ、後者はもっと原始的な石のナイフ。この1年後にPeterとMJは結ばれるわけだが、二人の関係はまだしっかり固まっていない。
結局SPIDER-MANはDDに良いように使われ、Kingpinにも利用され何だかなな終わり方。Kingpinの台詞。”You face an undefeatable foe, SPIDER-MAN. Accept it as others have.”その後、DDにも辛辣な台詞を投げつけ、勝者感を印象付けている。
気に喰わないのは、インクのNicholasだな。折角のLarsenの画がベターっとした仕上がりにされ、迫力不足。286号の画も途中からグタグタになったし。
もう一つ、Peter癇癪を起してタクシーのドアを蹴落としちゃうシーン。彼らしくない無分別な態度はいかがなものか。