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昨年夏に発売されたShadows of the Green Goblin (SOGG)。Norman OsbornがGreen Goblinとしてデビューする前、Goblin Formulaを使った人体実験の結果生まれた怪物Proto Goblin。彼を深堀りすべく買った、Peter Parker (“PP”) -1号とついでに買ったSpectacular SPIDER-MAN (“Spec”)-1号をレビュー。
マイナスが付いているのはミスタイプではない。1997年にMarvel各タイトルで-1号が出版された。ヒーロー誕生前夜の逸話が収録されている。
Spec の筋書をJ.M. Dematteis、画をLuke Rossが、PPの筋書をHoward MacKie、画をDan Fragaがれぞれ担当。1997年あたりはX-MENを中心に読んでいてSPIDER-MAN系にはそれ程熱心ではなかった。X-MEN 系に関与していないRossは良い画を描いていたなと、今回読んでみて再発見した。
粗筋さらっと紹介。Spec。後にPeterの良き理解者となったFlash Thompsonの幼少期。父親に暴力を振るわれていた。そして彼は本の虫Peterと出会う。続いてPP。警察署長George Stacyと弟Arthurは、Norman Osborn(後のGreen Goblin)が所有する会社の周りで発生した殺人事件を捜査することとなった。
まずは、最初に読んだSpecから。柵を超え飛んできた野球のボールを惜しくも取り損ねたPeterを見たFlashの台詞。”Maybe we could use you if this was a girl’s team.” (girl'sは転記ミスではない。女性蔑視ではあるが、その辺はFlashの言葉と思っていただきたい。)Peterは無茶苦茶悔しがるシーンは好きだね。
この物語で一番面白いなと思ったことは、運動能力に優れたFlashをPeterは羨ましがっている一方で、伯父さん(Flashが伯父さんを父親と勘違いている可能性大)と仲良く出かけているPeterを見て、父親に暴力を振るわれているFlashは羨ましがっている点。
続いてPP。外国の作品で兄と弟ってよくわからない。大きな問題じゃないんだけど。知っていた可能性もあるがArthurはGeorgeの弟だった。Stacyの家族で言えばGeorgeの娘でJilは一時期SPIDER-MANに登場していたが、最近ではとんと姿を見せない。数多くの作家が担当してきたSPIDER-MAN。作家によって登場するキャラも変わっていくんだよな。
Georgeは極めて現実主義者で、陰謀論やオカルトの類を信じない。一方Arthurは逆。彼はミュータントの存在を信じている。(この物語の伏線。時代からしてこの時にはミュータントチームX-MENは組成されていないと思われる。)この話で初めて登場したGoblin Formula(Goblinになるための薬)の実験台Proto Goblin。彼と対峙したArthurの台詞。”I’d say we have found a serial killer, Captain Stacy. Don’t believe mutants, George? " ArthurはProto Goblinをミュータントだと思い込んでいた。
結局、この二人はProto Goblinを倒すことは出来なかった。SOGG にてJ.M. Dematteisは20年以上経った2024年にこのプロットを掘り返したことになる。勿体ないのはこの二人を再登場させなかったことか。(Georgeは出てきたかな?覚えていない。)
残念なのは、この話の中でPeterが僅か2頁しか登場しないこと。