Amazing SPIDER-MAN (“ASM”)の944(50)号をレビュー。前回ASMレビューの時にも書いたが、50号(何度目の50号?)なのでぶ厚い。そしてつまらない話も沢山収録されていたので、メインの話とお気に入りのアーティストの作品のみを紹介。
メインの話の筋書をZeb Wells 、前半の画をEd McGuinness、インクをMark Farmer、エピローグの画をTodd Nauckが担当。添付画像の表紙はGreg Capullo。デザインも良いね。お気に入り。
かつてGreen GoblinだったNormanの会社Oscorp。そこには生きているコンピュータ、Living Brainがいる。それが突然外部へとメッセージを出し始めた。Peter Parkerを呼ぶようにと。Normanの要請に従いOscorpへと到着したPeterだが、Living BrainのメッセージをNormanに伝えるとNormanの化けの皮がはがれることに。
記念号と言えばASM 100号でSPIDER-MANに手がさらに4本生えてしまった話があった。ASM史上最も酷い話の一つ。今回の話はその話を彷彿とさせる。NormanがPeterにGoblin化させる仕組みを組み込んだ。(ASM 926(32)号にて、Kravenの槍でNormanの罪を注入されたSPIDER-MANの事件があったが、SPIDER-MANをその状態に戻すことらしいが、どうも仕組みがわからない。)
気に入った台詞やシーンを紹介。マンハッタンにあるチェルシーでアパートを探すPeterに対するNormanの助言。”And you really shouldn’t rent in Chelsea, Peter. It makes much more sense to buy,” Oscorpで働いているとは言え金持ちとは言えないPeterに対してこの助言。金持ちっぽい嫌味な台詞で悪くない。
もう一つNormanの台詞。かつてOscorpの事業だったものを買戻し中のNorman。悪事に関連していることを恐れるPeterへの言い訳。”Some of my previous endeavors are worth bringing back to fold.” 凄く綺麗ごとのような感じで逆に薄気味悪い。案の定、上記の通りLiving Brainが彼の悪事を暴くことになるのだが。
既にGoblin化するSPIDER-MANはネタバレしていたが、何も考えず読み進めた。面白い。そして、Living BrainとConnors博士がSPIDER-MANを助けることになるのも一興。前述のASM 100号でも4本の腕をなくす手伝いをしたのはConnors博士だったことも付け加えておく。
続いてオマケの話の一つ。筋書をMarv Wolfman 、画をTerry Dodson、インクをRachael Dodsonが担当。
Dodsonは大好きなアーティスト。原画も1枚持っている。Black Catがニューヨークを飛びまわるシーンは良いね。オシャレ。
一方のWolfmanはオイラが初めて原書を買ったASM 192号の作家。Black Catの生みの親でもある。その後DCに転籍してTEEN TITANSをバカ売れさせた立役者でもある。
Black CatのアパートをCat’s Litter Box(猫のトイレ)と呼んじゃうのは楽しい。
贋作や芸術的作品としてはあまり価値のないものを盗むBlack Cat。次の狙いをついに探り当てたPeterの台詞。”Found it. Only took all night.” Onlyには負け惜しみ感が籠められていて良いね。
最後はSPIDER-MANに盗んだ画を見つけさせて終わるのだが、締め括りの台詞がまたオシャレ。”In her words, they were not stolen. Just temporarily borrowed.” Black CatはSPIDER-MANにとっての峰不二子っぽいのが好きなんだよね。