
1984年のSpectacular SPIDER-MAN (“Spec”)はまだまだ続く。Spec 93号と94号について。
筋書きと画をAl Milgromが、インクをJim Mooneyそれぞれ担当。
最初は粗筋から。93号ではThe Answerなる強いんだか強くないんだかわからない悪人が、Kingpinの依頼を受け、警察の遺体安置所から謎の遺体を盗むと同時に、SPIDER-MANとBlack Cat (“CAT”)との仲を取り持つ。Kingpinは遺体に再度命を吹き込む。その遺体こそ、KingpinのライバルギャングSilvermaneだった。
今回も、気に入った台詞やシーンを書いていく。まずはMilgrom。今回は彼の画の良いところ、弱いところを完全に見極めた。(自慢してもしょうがないが)彼の描く人物の表情は非常に素晴らしい。特に今回好きなのは大家のMrs. Mugginsの表情のアップ。別にこの人のアップを見たいわけではないが、凄くよく描けている。それから、CATやCloakの顔なんかも良いな。一方弱点はアクション。SPIDER-MANが後ろから銃で撃たれるシーン。弱いな。
あと、一歩でSPIDER-MANが自分の本名を名乗るところだったのに、言わず仕舞いだった瞬間。MilgromはこれをCATのBad Luck Powerのお陰と言っている。イヤーどうかな。だけど、面白い。
SPIDER-MANとCATの喧嘩の末、SPIDER-MANが悪人を見逃しそうになったシーン。これ良いな。何かに夢中で回りが見えてないことってあるよね。スマホを見つめながら歩いている人たちね。
FlashとSha Shanの仲が冷え切っている話が並行してい続いている。Spec 94号では相談に乗っているPeterと彼女が一緒なのを見て、勝手に勘違いしている。
Silvermaneを蘇らせようとしているKingpinの表情が笑顔なのに、突如その笑顔が消えた瞬間のコマが好き。その当時は病気の奥さんVanessa。彼女への心配が表情に出ている。ベタなんだけど、これこそがKingpinだよね。
Peterに対して上から目線のCATの言動は逆にかわいいな。しかし、この二人の関係。もう絶対に上手く行きっこないのに、引っ張るな。
The Answerは名前のわりに、よくわからない。なんでそんなによく知ってるの。
それ程気に入った台詞がない中、クスッとした笑いはSPIDER-MANのSilivermaneに対する印象。”He is like a machine. A deadly machine.” そう彼は機械だし、一度死んだのに蘇ったばかりだしね。
気に入らないのは、最初の93号の最初の2ページがちゃんと裁断されていないところ。マー良いか。