アメコミとラーメン

30年前の名作への賛辞、SPIDER-MAN 823(22)、824(23)号



今月もアメコミの束から最初に取り出したのはAmazing SPIDER-MAN (“ASM”)。先月来た823(22)、と今月の824(23)号をレビュー。(Legacy Numberとカッコ内はSpencer後の号数。)

筋書をNick Spencer、823号の画をHumberto Ramos、インクをVictor Olazaba、824号の画をRyan Ottley、インクをCliff Ruthburnが担当。添付画像はDaniel Acunaの描いたもの。Kurt BusiekとAlex Rossの出世作Marvels出版25周年記念のvariant cover。普通の表紙が大したデザインではないので、こっちを買って大正解。

まずは全体の流れを紹介。823号はHuntedの最終話。漸く囚われの身から解放されたSPIDER-MANを唆し、Kravenを自らを殺させようと企む。一方、LizardはKravenのクローンに殺されかけている自分の息子を救い出そうと現場に急行。824号はKravenの騒動の後始末。セントラルパークに放たれた悪人達をAVENGERSが逮捕していく一方、SPIDER-MANはMary Jane ("MJ")の元へとひたすら急ぐ。

次に気に入ったシーン、台詞等を順不同で書いていくよ。SPIDER-MAN をその気にさせるために、薬物で思考を鈍らせるは、Lizardが見張りを殺したと見せかけるは、結構Kravenの計画は細かい。勿論オイラを含めた読者も騙されたわけだ。

Kravenは自分の物差しでしかSPIDER-MANを量れなかったことが、漸くにしてわかったのかな。

Vultureが今回も面白いな。自分のお陰でも何でもないのに、相手がいなくなると、”I’ve just led you to victory.”と言って、悪人仲間の信頼を勝ち取ったシーンは、好き。これは、次の話への伏線だよね。(警察に捕まっても結束を固めようと必死。政治家になれるよこいつ。)



それから、Kravenが最後に”She needs you.”とSPIDER-MANに言ってこの場を立ち去らせるシーン。SheはMary Janeのことだと思うけど、何故彼女に危険が迫っているのをKravenがわかるかはさっぱりわからず。

続いて、ASM 824号。作者のSpencerはKravenのクローンをKravenに就任させることで死から蘇った元のKravenを再び葬った。大正解。最初の死後に雨後の筍のように出てきた後継者達は、本物にはなれなかった。クローンが後継者だったら納得かな。

HUMAN TORCHがBeetleに殴られるシーンは楽しい。やさ男の彼だからこそ女性悪人に殴られるシーンが映える。

Task Master (“TM”)が一度裏切ったBlack Ant (“BA”)を助けるシーン。TM “I know you woulda done the same.” BA “What do you mean, the betrayal part or the rescue part?” TM “Yeah.” 最後のYeahはどちらともとれるな。最後にTMは憎めないキャラになっちゃったよ。これはSpencerらしいかぁ。

話の後半での次の悪人、Centipede Demon(本当の名前は知らない)の台詞はちょっと浮「予言。”When she (MJのこと) dies it will be because of you.” 自分はMJを殺さないが、死ぬとしたら、SPIDER-MANの責任だってこと。

結局この話は、Kraven’s Last HuntへのHomageであると共に、Dan Slottが蘇らせたKravenを葬り去るための話と考えれば納得はできる。Last Huntと同様SPIDER-MANの黒いコスチュームを自ら着るシーンなんかファンにしてみりゃ、ニヤリと笑うね。しかし、正直これまでのSpencerの話に比べたら、わかり辛い。一番最後に、Kraven’s Last Huntの作者 J.M. DeMatteisとMike Zeckへの賛辞は当然だね。Spencerはきっとこの話が大好きだったんだろうな。
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