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あみの3ブログ

中村城@富山県氷見市 令和四年(2022)1月25日

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【中村城は】
上庄川が北向きから東向きに流路を変える地点の丘陵に所在する山城です。ここからは、上庄川の上流域と下流域、さらには富山湾までを見通すことができ、上庄谷を支配するには最適の立地であると言えます。また、ここは越中と能登を結ぶ臼が峰往来を見下ろす場所でもあります。
 越中では類例の少ない竪堀を多く用いた縄張りが特徴の山城です。
 天正の初めころ、上杉謙信家臣の長尾左馬助が居城したと伝えられ、竪堀を供えた縄張りは、上杉氏に特有のものとされています。
中村城の主郭からは、池田城跡を遠望することができます。池田城主小浦氏は当時、上杉謙信に子供を人質に出して従っていました。中村城の立地は、池田城の様子を監視したり、連携を取ったりするうえでも適したものであったと言えます。、、、氷見市立博物館「山城探訪」より

また、「氷見の山城」(氷見市教育委員会刊)では中村城主とされる長尾左馬助について
松倉城・魚津城の在番を命じられ、後に越中国内に展開する上杉在番武将の最高統括者として大きな役割を担い、氷見地域が上杉謙信に制圧されたさい中村城に配置して拠点化したものと考えられています。


【場所は】
氷見市中村(氷見市柿谷)
能越自動車道氷見IC下車、国道415号線を羽咋市方向に進み、上庄小学校前交差点を左折し(国道415と並行して走る)「県道303」を左折。
県道303が中村集落に入る手前、山の裾野にある堤(ため池)方向へ左折。



この堤の脇にある側道を登っていきます。



登りきったところに害獣対策のゲートがありますので、中に入った後は必ず閉めておきましょう。



柿谷地区の共同墓地の中を進むと、突当りが城域です。




【当日の行程】
を縄張り図で示します(佐伯先生著、越中中世城郭図面集Ⅲ)ブログ管理者加筆

東尾根が南北に伸びる尾根の中心付近で交わり、三方向に城域が伸びています。
それぞれの尾根は堀切で分断され、竪堀と畝状空堀群で守りを固めていることがわかります。



Google-mapの航空写真で城域を示すと分かり易いです。





【東尾根】
墓地の先からは「東尾根」城域となります。
1.5m程の段差となっており、よじ登った先は笹の藪です。
今回は年明け寒波で降り積もった雪が30~40㎝くらい残る状況でしたが、令和四年(2022)第一回目の山城歩きということで、気合が入っていました(^^)/

東尾根先端の守りを固める「畝状空堀群」が施されている場所だと思います。


雪に覆われてもなお藪は衰えず。夏場だったらとても分け入ることができないでしょう。



東尾根の削平地と土塁、喰違虎口にも見える



高さ6m近い切岸が巡っています。



南斜面の竪堀と思われます



東尾根が南北に伸びる尾根と交わる南側斜面の辺り





【北尾根】

主郭下の曲輪は高い切岸が施されています。


この部分は堀切となって尾根を分断しています。



主郭削平地と土塁



主郭上段部分の藪
南東に開けた部分は日当たりが良く藪化しています。



帯曲輪
北尾根西面、一段下がったところに細長く削平された曲輪



北尾根北端
高さ6.5m程もある落差のある切岸



堀幅は18mにも及ぶ巨大なもの。




【北西尾根】
北尾根から北西方向に伸びる尾根筋に沿って進みます。



その先にある削平地
最先端を死守する砦のような場所



先端部の切岸



堀切



この先から北の方向に集落が見えます。
搦手道だったのでしょうか




【畝状空堀群】
北西曲輪で折り返し北尾根に戻ります。
北尾根の西側に施された畝状空堀群を探しました。
眼下に見えるのは「南堤(ため池)」
縄張り図や航空写真でもハッキリわかるリアス式海岸のような溝
北尾根主郭西面の崖に彫り込まれた巨大な溝です。



ここには全部で6条掘られているようですが、主郭側からは藪があったりしてその全貌を確認することはできませんでしたが、今まで見てきた中では最大級のものの一つでした。






東尾根と南北尾根が交差している、藪が密集する辺りまで戻ります。




【南尾根】
分岐地点は藪に覆われていますが、主郭下の広い曲輪があった南東斜面と思われます。

ここから南尾根に下って行く細い道があります。



堀切と南尾根の曲輪に至る切岸



南尾根の削平地


同竪堀



南尾根の南端
南尾根は緩やかに下り中村集落方向に至る。


尾根先端は切岸のような崖で、その脇に側道が設けられている。
中村集落側から登城する「大手道」と言われています。



中村集落側から見た南尾根



南尾根の左手には「南堤(ため池)」が見える。



これで全工程を終了
舗装された農道を歩いて東堤(ため池)側に戻ることができますが、敢えて元来た道を戻り、もう一度「おさらい」することにしました。

南尾根から東尾根に戻り、墓地を通って東堤(ため池)に帰りました。
東堤から見た城域です。

南堤の堤防上から見てみれば、きっと北尾根西面の畝状空堀群の全貌が確認できたものと思われます。




【アイテム】
今回の雪中行軍でとても役立ったアイテムの「磯ブーツ」
磯釣りの際に滑りやすいテトラや岩場を渡り歩く際欠かせないのが、この靴底にスパイクが付いた長靴。

先日越前大野城に登城した際、圧雪で長靴が滑り何度も転倒しそうになった(実際ころんだ)ことでこの磯ブーツの事を思い出し、
約20年ぶりに物置から引っ張り出してきました。
埃まみれでしたが雪の中を歩いたおかげで、洗ったようにきれいになりました(^^)/



【先達に感謝】
方向音痴の自分ですが、先に歩いた人の足跡を辿ったおかげで、安全で要衝を抑えた行程を歩くことができました。
足跡の状態からみて数日前位だと思われますが、適切にポイントを押さえているな~と感動!
ありがたや~ヽ(^o^)丿




但し🐗でしょうか?
こんな足跡はゴメンです💦



雪が解けたころもう一度訪ねたいと思います。



【中村城】
《なかむらじょう》



名称(別名);中村山城
所在地;〒935-0067 富山県氷見市柿谷3853
城地種類;山城
標高/比高;71.4m/60m
築城年代;16世紀後半
廃城年代;16世紀後半
築城者;上杉氏
主な改修者;
主な城主;
文化財区分;
主な遺構;削平地・切岸・土塁・堀切・土橋・畝状空堀群
近年の主な復元等;


※出典、、、越中中世城郭図面集Ⅲ
地図;
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