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品質保証業務(その3:製品検査の流れ)

製品検査の流れ

品質保証部門は開発工程からアフターサービスまでの一貫した品質保証活動を推進する。

【製品検査とは】
製品を何らかの方法で調べた結果を判定基準と比較して、製品の合格、不合格を判定することである。

【検査とは】
JIS Z8101によると、品物を何らかの方法で試験した結果を、品質判定基準と比較して、個々の品物の良品・不良品の判定を下すこと。

【製品検査に関する業務】
[見積り審査会レビュー参加]:見積調書、見積取纏め表、リスク管理シート、その他関連文書の審査
[プロジェクト診断会議レビュー参加]: プロジェクト開始報告書、プロジェクト計画書、アローダイヤグラム、リスク管理シート、その他関連文書の審査
[デザインレビュー]: 製品の開発方針や製品仕様の良否をレビュー
検査計画: 品質管理基準や方針及び製品検査作業の計画、作業量、日程などを立案
[ドキュメントレビュー]: 設計ドキュメントの良否をレビュー
ドキュメント検査: ドキュメントの良否を検査
マニュアル検査: 顧客に提供するマニュアルを検査
検査項目作成: 製品の合否判定基準を、ドキュメントを基にして作成
検査ジョブ作成:検査項目を確認するためのプログラム、操作手順書などを作成
[中間品質検査]:設計品質の中間段階での品質を評価
作業監査:設計工程全般の作業の監査
[受入れ検査]:外部へ委託開発/購入品/導入製品等の受け入れ評価
[サンプリング検査]:検査項目の一部をサンプリングし品質の評価
製品検査:実機マシンを使用して製品が判定基準を満足しているかを確認し合否を判定
[システムテスト]:個別の顧客対応の現地テスト等
工完・入庫:製品の作番完了処理
出荷検査:顧客に提供する出荷物が要求とおりに出荷されるかを確認
[ ]:必要に応じて実施。

【アフターサービス業務】

(1)社外事故処理:
顧客からのクレームの受付や障害発生時の受付・対策を行う。
事故速報、社外事故週報などで上長に速やかに報告し推進・対策を行う。

(2)予防保守/再発防止策:
製品の稼動実績フォローや事故分析を行い同件事故の未然防止の推進/再発防止対策の推進を行う。

(3)品質維持向上活動:
広く国内外における品質に関する情報を関連部門にフィードバックする。

【品質に関する諸活動業務】

(1)品質目標値設定:
各品質指標の基準値は、予算編成方針及び過去の実績に基づき、品質保証部門が設定する。
品質保証部門は、品質指標及び基準値を明確にし、部方針の設定指示と同期して品質目標値の設定を各部門に指示する。

(2)品質会議:
品質会議は、主に社外事故状況、主要製品の品質向上策を継続フォローして、製品品質の維持と改善を図るために実施する。

(3)品質反省会:
全社レベルで品質に関するT.Tを図り、問題が指摘された場合は指摘事項を是正するために必要な是正処置・予防処置を行い品質記録として保管する。

(4)品質月報の発行:
関連部門に品質データを連絡しT.Tを図る。

【試験に関して】
製品検査のなかの試験に関しては、次のような物がある。
・サイクル試験:
相互に関連のあるプログラム(データの受け渡しなど)を連続して実行する。
実運用を考慮したデータの繰り返し使用(年回し、月回し、週回し)や資源の共用/繰り返し使用など。
・多重オペレーション試験:
複数種類のオペレーションを組み合わせる。
複数端末からのオペレーションや、メッセージの出力/応答の同時入力。
・境界条件試験:
ボリューム数、ファイル数、データ数などの最大値、最小値、特異値を設定し、実行する。
・障害試験:
プログラム実行中にハードウェア障害などを発生させる。
シミュレータなどを用いて入出力障害等を発生させるとより効果的な試験となる。
・多端末試験:
多数の端末を用いて、同時にデータの送受信を行う。
人海戦術では到底実際の顧客と同じ数の端末数の試験は実施できない場合が多いので、
多端末シミュレータなどを用いる。
・性能試験:
性能検査は実測値と目標値との比較を行う。
また、性能上の問題を検査工程で指摘しても、対策に十分な時間が確保できないので、
試送前に設計で性能評価を行うよう要求しなければならない。
設計に性能目標値を設定(性能設計書等の作成)させ、目標値、評価基準、評価手段等の良否をレビューする。
実行性能の評価と、資源の使用効率の両方を評価する。
性能評価尺度としては、
レスポンスタイム(送信キーを押した時点から最初の動作(印字・表示)まで)、
対話処理(単位時間あたりのトランザクション処理件数)、ファイル使用量など。
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