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品質保証技術(その2:信頼性向上の実践)

【信頼性の夜明け】
信頼性が強く意識されるようになったのは、システムが複雑で大規模になり、システムの故障の影響が極めて大きくなってきたため、故障発生を未然に防止する必要性が大きくなってきたことによると言われている。
信頼性の問題として最初に取り上げられたのは、第二次世界大戦でのレーダシステムだと言われている。
レーダシステムは有効なシステムではあるが、故障が余りにも多く信頼性という概念を考えさせるきっかけになったと言われている。
同じ第二次世界大戦中、アメリカは大量の軍用機を極東に配備したが、半分以上が使い物にならなかった。
電子機器や予備品の故障が余りにも多かった。
そこで政府はメーカに故障をしない機器を作るよう厳しい要求をした。
メーカは、図面通りに製造すべく製造工程を厳しく管理し、厳密な検査を行ったが改善の兆しは見えなかった。
これらの経緯から設計時になにを盛り込めばよいかを懸命に研究し信頼性という概念が起こった。

【信頼性とは】
JISでは、「アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質」と定義されている。
アイテムとは、信頼性の対象となるシステム(系)、サブシステム、機器、装置、部品、素子などの総称、又はいずれかを指す。

信頼性をもう少し具体的に考えてみると、耐久性,保全性,設計信頼性の要素で考えることができる。

・ 耐久性とは、対象としているシステムが故障するまでの時間によって評価される。
システムが修理できるものについての耐久性は、平均故障間隔(MTBF)によって評価される。

・ 保全性とは、システムが故障したときどのくらいで修理できるかによって評価され、平均修復時間(MTTR)として表現される。
通常耐久性が増せばコストがかさむ。
そこで多少故障する可能性があっても定期的に点検して故障の発生を予知し、早めに修復できれば信頼性は確保されると考えられる。
つまり耐久性と保全性のバランスで信頼性を確保している。

・ これに対して、システム自体の故障に対してロバスト(コンピューターのプログラムが,
起こったエラーを自動的に対処して処理を続行)するように設計しようというのが設計信頼性である。
例えば、ある部分が故障してもそれがシステムに致命的な影響を与えないようなフェールセーフ設計、あるいは人間の誤動作を阻止するためのフールプルーフの仕組みを取り入れることで信頼性を高める。

【信頼性の定義】
信頼性を表す用語の代表例(RASIS)。
(1)Reliability   信頼性(MTBF:平均故障間隔)
(2)Availability   可溶性(稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR))
(3)Serviceability  保守性(MTTR:平均修復時間)
(4)Integrity    完全性(正確さや誤り制御)
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