Archicadに初めて「エネルギー評価」の機能が搭載されたのがバージョン16の時でした。
以来5年の時が過ぎましたが、残念ながらこの「エネルギー評価」の機能は殆ど使われていないようです。
その理由は様々だと思います。
「エネルギー評価」という考え方が設計者に馴染みがないのかもしれません。
或いは、「エネルギー評価」の操作が難しいと思われているのかもしれません。
これは、Graphisoft社に大きな責任があるとは思います。
マニュアルが非常に不親切なのです。
マニュアルだけではエラーの回避は不可能でしょう。
けれども、判ってみれば決して難しくはありません。
是非多くの方にこの「エネルギー評価」の機能を使っていただきたいと思います。
2018年は台風の当たり年でした。
これは単に今年だけの現象なのでしょうか、或いは今後こういう状況が多くなるのでしょうか。
ヒトによる地球への環境負荷が最近の激しい気象変化の原因とも言われています。
果たしてそれが事実なのかのかどうかは神のみぞ知る。
ただ、ヒトによる地球への環境負荷の大きさは否定できないのでは無いでしょうか。
先日National Geographic に以下の記事が掲載されていました。
地球温暖化の影響は想定より深刻、IPCCが警告
・世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃上昇した場合、その影響と負担はこれまでの想定をはるかに超えるものになるだろうと、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が警告を発した。
・世界の平均気温はすでに産業革命前から1℃上昇している。
2℃に及ぶとすれば、さらに深刻だ。
・気温が上昇する幅は、早ければ今後11年以内に1.5℃に達する恐れがあり、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できなければ、20年以内に1.5℃上昇するのはほぼ確実。
・仮にCO2削減に今すぐに取り組み始めたとしても、1.5℃上昇の時期を遅らせることはできても、防ぐことはできないと予測。
ここでいう影響には、従来よりも強烈な嵐や異常気象、危険な熱波、海面上昇、社会インフラや動物の移動パターンへの大規模なダメージなど。
・温暖化を1.5℃で抑えることは、現時点では不可能とは言わないまでも非常に困難。
・前代未聞の努力が求められている。
技術的にも社会的にも政治的にも、総力を挙げて取り組まない限り、1.5℃はおろか、2℃の上昇に抑えることさえ難しい。
以上 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/101000436/?P=1 より 転用
今、建築設計者がCO2削減に取り組む手段があります。
それがBEM = Building Energy Model。
これまでは建築設計者がCO2削減に協力する、と言ってもなかなか難しい面があったと思います。
けれども今はBIMユーザーであれば、エネルギー評価機能を使う事で、お手軽にCO2削減に協力できるのです。
もっとも、例えば現在のArchicadのエネルギー評価は、実際のプロジェクトに応用して厳密なシミュレーションをする事は難しいとは思います。
けれども、割り切って応用すればお手軽に、意匠設計に必用なデータを得る事は可能だと思います。