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GのBIM備忘録

BIMでBEM: 4,194 - 3,791= 402 kg/年CO2削減

2018年10月25日 | BEM

ここ暫くArchicadの「エネルギー評価」で遊んでいました。

 

で、ふと気になって、少し調べてみました。

CO2の年間削減目標はどのくらいなのだろうか?

 

2013年度年間CO2排出量:12億3500万トンとしてその25%ということは、日本だけでも 約3億800万トンの削減を1年間でしなければなりません。

 一方、平成29年度の国内住宅建築戸数は 946,000戸

ここで算数。

308,000,000 ÷ 946,000 = 325.6 トン

新築住宅一戸当たりで326トンのCO2を削減できれば、世界は安泰。

がむばってください、建築家の先生方。

 

冗談はさておき、前回のブログに掲載しましたが、再度掲載。

約100㎡の小住宅で単層ガラスアルミサッシの場合の年間CO2排出量を計算すると4,194kg。

この単層ガラスを複層ガラスに変えると年間CO2排出量は3,791kg。

 

4,194 - 3,791 = 402

100㎡程度の住宅でも、サッシのガラスを単層から複層に変えるだけで、年間約400kgのCO2削減が可能になるのです。

 

これってスゴクない()!?

 

つまり、建築家の皆さんが本気になれば、CO2の削減に大きく貢献できる可能性がある、ということではないでしょうか。

がんばってください、建築家の先生方!。

 


BIMでBEM:少しまじめに「エネルギー評価」をしてみた

2018年10月24日 | BEM

今日は少しマジメに「エネルギー評価」機能を試してみたいと思います。

御題はサッシ。

サッシのアルミを最近流行り?の樹脂にしたら、どの程度のCO2削減になるのでしょうか?

① アルミサッシでは

 

② 枠を樹脂にすると

 

③ 枠をアルミのままでガラスを複層にすると

 

 

 

ここまで外壁の断熱材をウレタンt30で計算してきました。

そこで先ず、サッシのアルミ枠を樹脂に変えるのと同等の効果を断熱材の調整で出すとしたら、どの程度の厚さが必要なのか、試してみました。

ウレタンを倍の60mmにしてみました。

床と屋根は変えていません。

 

更に

床断熱材のポリスチレンフォームを80mmから150mmに変更

屋根断熱のウレタンフォームを50mmから100mmに変更

ようやく同程度の性能になりそうです。

 

では複層ガラス波の性能にするにはどのくらいの断熱材が必用なのでしょうか。

試しに

外壁断熱材:硬質ウレタンフォームt100

床断熱材:ポリスチレンフォームt200

屋根断熱材:硬質ウレタンフォームt150

以上の設定で計算してみました。

 

今回の計算結果で見る限りは、サッシのガラスを複層にするのはやはり効果は大きいようです。

以上、少しマジメな「エネルギー評価」機能の試行でした。

 


BIMでBEM:Archicad「エネルギー評価」で、まだ遊び足りない。

2018年10月23日 | BEM

引き続き、Archicadで遊びます。

 

その前に、一般家庭からのCO2平均排出量は 約4,520kg/年 なのだそうです。

 一般家庭のCO2排出量

 

さて、それでは今回は先ず方位を変えて遊びます。

1.上方向を真北にした場合

 

2.次に方位を45度振った場合

 

 

次に屋根勾配を変えて遊びます。

1.6寸勾配の場合

6寸勾配屋根の画像

 

2.3寸勾配の場合

3寸勾配屋根の画像

 

3.2%勾配の場合

2%勾配屋根の画像

 

 

今度は、1階の躯体をコンクリート打ち放しにしてみます。

因みにこれまでは1階の外壁の複合構造は 木造外断熱のサイディング張り 

1階複合構造

 

2階の外壁の複合構造は 木造内断熱サイディング張り でした。

2階複合構造



では、コンクリート打ち放しの結果です。

RCのみ、断熱材なしでは

1階RC打ち放しのみ

 

 

RC打放し+断熱材:ウレタンフォームt30では

 

ウレタンフォームをグラスウールに変えると

 

ウーン、まだ遊び足りないかも・・・・。


BIMでBEM:Archicadの「エネルギー評価」で遊ぶ。

2018年10月23日 | BEM

まずは、ArchicadでBEM用のデータを作成します。

名づけて 「BEMLAB.V (ベムラボドットブイ): エネルギー評価バーチャルラボ」。

プランの拙さはこの際見ない事にしてください。

 

モデリングのコツは繊細かつ大胆に。

建築要素とゾーンの接続はシッカリと接続し、細かな天井高の違い等は、場合によっては無視します。

今回は、2Fバルコニーは省略しました。

 

BEM 

 

BEM ワイヤーフレーム表示

BEM ワイヤーフレーム

 

BEM ゾーン構成 

BEM ゾーン

 

環境設定は

都市を東京に、方位は上を真北に設定しました。

BEM 真北の設定

 

それにしても、都市を変更する度にタイムゾーンが「ソウル」になってしまうのはどういうことなのだろう?

納得のいく説明がほしいところです。

タイムゾーンの設定

 

 

エネルギーコストは取りあえず総て1円にしました。

エネルギー評価 エネルギーコストの設定

 

 

では手始めにこのまま「エネルギーシミュレーションを開始」します。

 

解析結果は

エネルギー評価 東京レポート

 

都市を「札幌」に変更(タイムゾーンも東京にシッカリと変更します)して行った解析結果が ↓ です。

エネルギー評価 札幌レポート

 

やはり当然ながら、同じ設計では札幌でのエネルギー消費は大きいと言う結果となりました。

 


BIMでBEM:Archicadの「エネルギー評価」について

2018年10月23日 | BEM

Archicadに初めて「エネルギー評価」の機能が搭載されたのがバージョン16の時でした。

 以来5年の時が過ぎましたが、残念ながらこの「エネルギー評価」の機能は殆ど使われていないようです。

 

その理由は様々だと思います。

 「エネルギー評価」という考え方が設計者に馴染みがないのかもしれません。

或いは、「エネルギー評価」の操作が難しいと思われているのかもしれません。

これは、Graphisoft社に大きな責任があるとは思います。

マニュアルが非常に不親切なのです。

マニュアルだけではエラーの回避は不可能でしょう。

 

けれども、判ってみれば決して難しくはありません

 是非多くの方にこの「エネルギー評価」の機能を使っていただきたいと思います。

 

2018年は台風の当たり年でした。

これは単に今年だけの現象なのでしょうか、或いは今後こういう状況が多くなるのでしょうか。

 

ヒトによる地球への環境負荷が最近の激しい気象変化の原因とも言われています。

 

果たしてそれが事実なのかのかどうかは神のみぞ知る。

 

ただ、ヒトによる地球への環境負荷の大きさは否定できないのでは無いでしょうか。



先日National Geographic に以下の記事が掲載されていました。

地球温暖化の影響は想定より深刻、IPCCが警告

・世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃上昇した場合、その影響と負担はこれまでの想定をはるかに超えるものになるだろうと、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が警告を発した。

 

・世界の平均気温はすでに産業革命前から1℃上昇している。

 2℃に及ぶとすれば、さらに深刻だ。

 

・気温が上昇する幅は、早ければ今後11年以内に1.5℃に達する恐れがあり、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できなければ、20年以内に1.5℃上昇するのはほぼ確実。

 

・仮にCO2削減に今すぐに取り組み始めたとしても、1.5℃上昇の時期を遅らせることはできても、防ぐことはできないと予測。

 

ここでいう影響には、従来よりも強烈な嵐や異常気象、危険な熱波、海面上昇、社会インフラや動物の移動パターンへの大規模なダメージなど。


・温暖化を1.5℃で抑えることは、現時点では不可能とは言わないまでも非常に困難。


前代未聞の努力が求められている。


技術的にも社会的にも政治的にも、総力を挙げて取り組まない限り、1.5℃はおろか、2℃の上昇に抑えることさえ難しい。

以上 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/101000436/?P=1 より 転用



今、建築設計者がCO2削減に取り組む手段があります。

それがBEM =  Building Energy Model。

 

 

これまでは建築設計者がCO2削減に協力する、と言ってもなかなか難しい面があったと思います。

けれども今はBIMユーザーであれば、エネルギー評価機能を使う事で、お手軽にCO2削減に協力できるのです。

 

もっとも、例えば現在のArchicadのエネルギー評価は、実際のプロジェクトに応用して厳密なシミュレーションをする事は難しいとは思います。

けれども、割り切って応用すればお手軽に、意匠設計に必用なデータを得る事は可能だと思います。