今、輝きの時！ 大栄翔・明生・明瀬山

大相撲は序盤の5日目を終了。

心配された出場力士のコロナ感染は何とか今のところ拡大してはいませんが、
まだまだ千秋楽まで無事にたどり着けるのか、
確信は持てない状況です。

さて、
そんな状況の大相撲ですが、
展開もなかなか驚くようなことになっていますね。

綱取りを目指した貴景勝は初日から4連敗。
昨日ようやく初日が出ましたが、
絶望となった綱取り以上に、
勝ち越しにたどり着くのも大変かもしれません。

カド番の大関である朝乃山、正代の両力士は、
ようやく勝ちが先行する展開になって、
カド番は脱出できそうです。

しかしこの3人の大関、
優勝争いの中心になるかといえば、
「う～ん、そうではないかなあ。。。。」
と懐疑的です。

正代は1敗とまだまだ離れているわけではないのですが、
なんだか優勝に絡んでいくような「オーラ」がないんですよねえ。
むしろ朝乃山かなあ、絡むとすれば。。。。

そして関脇ながら「本命」とみられていた照ノ富士は、
この時点で3勝2敗。
今場所は11勝、ないしは10勝を挙げれば大関再昇格の声が聞こえますが、
今場所はさほど好調ではない感じですね。

11勝は上げられると思いますので、
大関にはなるのではないかと思っていますが、
優勝に絡むかどうかは今日の取り組み次第ですかね。
ちなみに今日の対戦相手は、
ここまで全勝で来ている”絶好調”の大栄翔です。

ここで照ノ富士が大栄翔を止めることができれば、
また先場所のように優勝に絡んでいけると思いますが、
果たしてどうなるのか。


さてさて、
その大栄翔です。

9月場所に新関脇で臨み跳ね返された（5勝10敗）悔しさをバネに11月場所では二けた勝利。
そして迎えた今場所、
初日から3大関を相次いで破り、
4日目は”元祖大関候補”御嶽海を、
5日目には”元大関”高安に完勝。
5連勝で初場所を立ち上がりました。

もともと実力は折り紙付き。
ようやく「上位の壁」を打ち破った今場所の相撲は、
ホント見事なものです。

思わず「強い！！」とうなってしまうような、
押し相撲の神髄を見るような素晴らしい取り口に、
初優勝の夢を乗せて今後見てもいいのかな？と思っています。

今日の相手である照ノ富士との一番、
序盤のキーになるような取り組みです。

上位では同じく、
押し相撲の隆の勝が相変わらず元気です。

昨年来のワタシの「イチ押し」の力士ですが、
今場所も序盤を4勝1敗。
押しの威力は素晴らしく、
足腰の安定感は抜群です。

貴景勝と同部屋ですから、
早く同じ地位まで上がっていきたいところでしょう。
はまれば優勝候補の一角に上がっていくことも、
十分に考えられます。

番付中位の力士では、
明生の好調ぶりが目立ちますね。

この明生の立浪部屋は、
12月にはコロナ禍で揺れました。

しかし一足先に収束したことでこの初場所には出場することができました。
この明生、
今時珍しく中卒で入門したたたき上げ。

しっかりじっくりと実力を上げ、
新入幕を果たして以来、
安定した成績を残してきました。

そして昨年、
幕内上位でも戦える力をつけ、
ここ3場所は10勝（十両優勝）、9勝、9勝と一皮むけた感じで、
今場所もこの好調を維持しています。

今25歳。
まさに伸び盛りのこの明生は、
「ネクスト大関」の一人として注目されてきましたね。
このまま好調を維持して、
優勝争いにも絡んでいってほしいものです。


そして幕内下位で奮闘しているのが、
再入幕の明瀬山です。

大ベテラン、35歳の明瀬山。
日大から入門の学生相撲出身の力士ですが、
主戦場はこれまで十両。

何せ35歳になるここまで、
幕内で相撲を取ったのはただの1場所。

2016年春場所に新入幕を果たすも4勝11敗と大きく負け越し。
次の場所には十両に逆戻り、
その後幕下と十両で戦い、
ようやく今場所、2度目の幕内という「再入幕」を5年ぶりに勝ち取ったという力士です。

大きなブヨンブヨンとしたその体から、
好角家の能町みね子さんからは「パンの山」なんてニックネームを頂戴しているので、
ワタシもずっと「パンの山～」なんて呼びながら見ていましたが、
まさか再入幕の今場所、
こんなに大活躍するとは！！！！

昨年、いや、白鵬がその力に陰りを見せてきた数年前ぐらいから、
パッとその場所に輝いた力士が優勝を奪っていくということ、
よくあります。

「一生に一度、きらきらと輝く！！！」

そんな場所、
パンの山にもついに訪れました。

思い出してみれば、
昨年の今頃も、
幕尻の徳勝龍がまさか、まさかの大躍進。
なんと幕内最高優勝をかっさらっていきました。

思えば5年前の2016年、
琴奨菊がほぼ10年ぶりの日本人優勝を初優勝で飾って以来、
2017年が稀勢の里の初優勝、
2018年は平幕・栃ノ心、
2019年も関脇・玉鷲の初優勝が続き、
昨年の幕尻・徳勝龍までなんと5年連続で「初優勝」の場所となっています。

どの優勝も感動的なものでありましたし、
初場所は「波乱と感動の場所」といえるでしょうね。

そんな観点からすると、
今年も初優勝があると、
盛り上がるんだけどな～。

大関3人＋照ノ富士の優勝経験のある実力者を向こうに回して、
初優勝で輝く力士が見られることが、
楽しみです。

正直最近の相撲では、
こういう展開のほうがずっと興味をそそられます。

イキのいい力士や苦労人の力士、
彼らが頑張る姿にグッときちゃいますね。

イチ押し・大栄翔
ニ押し・貴の勝
そしてまさかの明生・パンの山。。。。

この4人に頑張ってほしい、
今場所の土俵です。


特に・・・・・輝け、パンの山～～～～！！！！