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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

東海大相模高校  45年前と同じスコアで甲子園を制し、新時代を切り開く!

2015年08月22日 | 高校野球

100年目を迎えた高校野球。
第97回全国高校野球選手権大会は、
東海大相模が強力な投手陣と、チームスローガンである”アグレッシブベースボール”を存分に発揮して、
優勝の栄冠に輝きました。

今年ほど東海大相模が、
この甲子園で『その真価』を発揮した大会もなかったのではないでしょうか。

かつて2011年の選抜優勝時にアップした記事、
『東海大相模高校 長い苦闘の歴史乗り越えた先に、栄光が待っていた!』
はなんだか長いこと読み継がれていて、
5年経った今でも、
ずっとワタシのブログ内の『人気記事』というところでは10位を外れたことはありません。

その記事⇒
http://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/9ce8b4436071db4ba7f409fa5f6e6315?fm=entry_awp


いくつか素晴らしいコメントもいただいたりしており、
東海大相模の野球の”熱”はすごいなあと、
いつも感心していました。


その後も強力なチームを毎年作り上げ、
『今年はまた、優勝記事が書けるかな?』
と期待していたりしたのですが、
やはり【全国制覇】というのはそう簡単には行かない、
それどころか、激戦神奈川を制するのも、
一筋縄ではいかないというのを、
否応なしに再認識させられる日々になっていました。


東海大相模

ワタシにとっては、
ちょっと特別なチームです。

ワタシが記憶に残っている『高校野球原体験』は1970年。
そう、東海大相模が原貢監督に率いられ、
初優勝を飾った時です。

その前年に初出場を果たしていますが、
その時の記憶は全くなし。

おぼろげな記憶にあるのは、
タテジマのユニフォームが縦横無尽にグラウンドを駆け回るシーン。
(余談ですが、それから最も印象的だったのは、相手のPL学園の選手が大量リードに気力をなくしたのか、球審に内野陣が集められ何やら説教を食らっていたシーンです。『しっかりやれ』とでも言われていたのでしょうか。)

そのイメージが強烈にあり、
その後原辰徳選手を中心とした『東海大相模狂想曲』の3年間が訪れるので、
この『元祖タテジマ』はワタシの脳裏に、
本当に深く刻み込まれるチームなのです。

野球部とは関係ありませんが、
親族がOBとして在籍していたこともあります。

そんな『特別感』満載のこのチームは、
ワタシの高校野球におけるいくつかの『ファンチーム』のひとつです。

何しろよく打つ。
そして体格が良くてかっこいい選手が多い。
これがワタシの『東海大相模のチームイメージ』。


今年の大会。

神奈川県大会には、
正直敵はいないのではないかと思っていました。

春季大会を見ても、
『それほど怖い相手はいないな』
という見立て。

わずかに『相性が悪い』平塚学園・高田投手の攻略がカギかな?
なんて思っていました。

しかし。。。。。

当初から『渡辺監督が最後の年』が公言されていた横浜高校が、
ものすごい勢いで相模を追いかけてきているというのをひしひしと感じる、
今年の神奈川大会となりました。

2012年の時(松井の桐光学園を破り神奈川大会制覇)もそうでしたが、
横浜高校というのは、
夏の大会では恐ろしいほどの『チームの伸び』を見せて、
下級生中心であろうがなかろうが、
『対戦すると最も怖い』チームに変貌を遂げるというのが定番。

今年はその時以上の『勢いと決意・気迫』を感じたので、
正直決勝を前に、
『相模は決勝では、波にのまれてしまうのではないか?』
と思ったりもしていました。

マスコミを中心に盛り上がった『横浜待望論』。
『渡辺監督の花道は、甲子園で!』
という世間の空気に、
相模はまたも『敵役』という立場に立たされました。


ワタシは一抹の不安を払しょくできないまま決勝を迎えましたが、
すぐにそれが杞憂であることに気づきます。

相模の選手たち、
世間の空気なんてお構いなしの、
素晴らしい『野球力』を見せてくれて横浜を蹴散らし、
甲子園出場を決めてくれました。

その試合を見てワタシは、
『本当に今年のチームはたくましくなったなあ。今年は期待できるなあ。』
と思いました。

80年代から、
どうしても破れなかった『夏の横浜の厚い壁』は、
07年に久々に勝利して風穴を開けてから、
10年の決勝、昨年の準決勝に続き、
4度目の勝利となりました。

徐々に『横浜の時代』から、
『横浜・相模2強の時代』を経て、
『相模の時代』に近づいてきているようにも感じる今年の対決でした。


コマを進めた今年の甲子園では、
初戦に難敵の聖光学院と対戦。

この難敵に対して、
初回の速攻が決まり快勝して、
次に対戦したこれも強敵・遊学館に対し、
同じような快勝劇を見るにつけ、
『今年の相模は本当に強い!優勝まで駆け上がってくれる公算は大だな!』
という思い、強くしました。

準々決勝の相手は埼玉の花咲徳栄。

この相手が決まった時、
ワタシはなんとなく『いや~な予感』を感じました。


そのココロは。。。。

旧い話なのですが、
ワタシが『東海大相模最強』と思ったチームは原辰徳氏2年生の時のチーム。
昭和50年です。

8強まで難なく進出したチームは、
そこで埼玉の上尾高校と対戦。

圧倒的に前評判では『東海大相模有利』と言われていたものの、
ふたを開ければ上尾の粘りの前に相模は屈し、
全国制覇の野望は打ち砕かれてしまったのです。

ちなみに当時のワタシ、
埼玉県在住でしたのでこの試合は『上尾推し』でしたが。。。。

『歴史は繰り返す』
なんていう言葉もありますが、
なんとなく花咲徳栄というチームに、
粘り強いイメージを抱いていたので、
予感めいたもの・・・・・あったことはありました。

さらに言うと、
なんだか神奈川のチーム、
最近は関東大会等で、
浦和学院をはじめとした埼玉のチームに非常に分が悪い、
という様なイメージもありましたもので。。。。

『埼玉、いやだなあ・・・・・・』


そして試合が始まってみると、
果たせるかな『嫌な予感』どおりに試合は進み。。。。。

『1点が返せないという試合になりそう。。。』

という展開で終盤に向かいました。

試合は8回裏。
1死2塁の同点のチャンス。

『そういえば相模vs上尾の時も、8回1点差の2死満塁で、原に打順が回ってきたんだよなあ。その時は、確かキャッチャーファールフライ。』

そんな余計なことばかりが頭に浮かんでてきましたが、
今回はそこで花咲徳栄がミスを犯してくれて、
生き返った東海大相模がサヨナラ勝ちを収めるという結末でした。


ここで苦しい試合を経験したことが、
その後の2試合で生きましたね。

準決勝も決勝も、
初回の速攻が決まって試合を優位に進めることが出来ましたので、
まさに門馬監督のゲームプラン通りの試合ができたのではないかと思っています。

それにしても決勝は、
まさに仙台育英と力と力の激突。

見ていてこんなにワクワクした決勝もないかもしれません。

『勝った方がが強いんだ』

と言われるトーナメント戦ですが、
大会前から横綱級の力を持つと言われたチーム同士が、
その力を存分に発揮して勝ち上がり決戦を行った今年の決勝は、
格別の味わいがありました。

まさに大相撲の、
横綱同士の千秋楽・結びでの相星決戦の風情がありました。

そしてその試合内容は、
『両校一歩も譲らず』
という決勝にふさわしい大熱戦。


いつもなんだか『若干の敵役』の立場を背負ってしまうことが多い東海大相模のチーム。
昨日の決勝も『東北初優勝』の期待を背負った仙台育英の前に、
甲子園の観客は『いつもと同じ立場』に相模のチームを追いやりました。

しかし今年の東海大相模は、
これまでの『積み重ねてきた経験』、
そして『揺るぎない戦力への信頼』、
なんといっても『積み上げてきた練習への自信』が、
最後まで揺らがないチームとして、
堂々と相手を寄り切る原動力になったのではないかと考えています。

素晴らしいチームでした。

門馬監督は、
99年の就任後、
00年に筑川投手を擁して選抜に優勝するという快挙を成し遂げましたが、
その後は悩みの連続だったと思います。

夏は10年まで一度も甲子園の土を踏めず、
思い悩んだ時期も長かったのだと思います。

しかしその門馬監督に采配を任せ、
チーム作りを見守った東海大相模の懐の深さが、
今日の栄光を掴み取った力ではなかったかなと思います。

解説に立った横浜の渡辺監督は、
何度も門馬監督のことを褒めていましたね。

神奈川大会決勝のあと、
『神奈川のためにも頑張れ』
と言って送り出した”ライバルであり、仲間。そしてある意味教え子”でもある門馬監督の優勝、
感慨深いものがあったのではないでしょうか。


決勝戦でのスコアは10-6。

このスコア、
45年前の初優勝時のスコアと、
全く同じです。

3-2とか1-0とか、
そんなスコアなら同じということはあり得ても、
10-6なんていうスコアが同じなんて、
なんだか信じられません。

野球の神様の、
粋な演出だったとワタシは思ったりしています。


ワタシ自身に当てはめると、
今年の東海大相模の優勝は、
ある意味『時代が一巡廻ったのかな』という感慨にとらわれたりしています。

100年という節目を超えて、
来年からはいよいよ『新しい時代』に入るのだなあ。。。。。
そんなことを思ったりしています。


神奈川でも横浜の渡辺監督をはじめ、
たくさんの監督交代劇がこの夏ありました。

明らかに来年の夏、
いや、新チームの秋から、
違った風景の『新しい大会』が始まりそうな予感です。


智弁和歌山・高嶋監督の唱える、
『高校野球ピーク10年説』から、
今『旬』を迎えているチームは、
明らかに大阪桐蔭だと思われますが、
その『高校球界の盟主』に対して、
東海大相模も『東の盟主』として、
戦いを挑んでいくという構図が出来そうです。

東海大相模vs大阪桐蔭

まだ甲子園では、
見た事のないカードです。

豪打の大阪桐蔭と、
アグレッシブベースボールの東海大相模。

同じ『強打のチーム』ながら、
全く質の違う両チームの対決を、
見たくなってしまいました。

こうして高校野球、
移ろいながらまた、
次の100年を目指していくのだと思います。

東海大相模の優勝は、
本当にワタシに、
いろいろなことを思い出させ、
そしていろいろなことを感じさせてくれました。

そして今年も、
『とてもいい大会を見た』
という充実感しかありません。


『世界最高の、スポーツトーナメント』

だと信じている高校野球夏の選手権大会。

末永く、
ファンを熱狂させてくれることを祈っています。


最後にもう一度。

東海大相模!おめでとう!! 最高だった!!!


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