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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

東海大相模 激闘を制し、45年ぶりの栄冠!

2015年08月21日 | 高校野球

≪第97回全国高校野球選手権大会≫  ~甲子園~

【決勝】

東海大相模(神奈川)  10-6  仙台育英(宮城)


東海大相模  202 200 004 - 10
仙台育英    003 003 000 -  6


東海大相模!100年の甲子園を制し歓喜のV



まさに横綱同士の『落日決戦』となった甲子園。

東海大相模と仙台育英という両横綱の一投一打に息づまるような決勝は、
同点の9回に決着しました。

試合が動いたのは初回。
今大会でもしばしば見られた、
東海大相模の『電光石火の集中攻撃』がこの日も炸裂。

準決勝から機能し始めた、
東海大相模の”攻撃のキモ”である1・2番がしっかりとチャンスを作って、
主軸に回します。

するとポイントゲッター・杉崎がこの日もしっかりとタイムリー2塁打で先制。
更に1点を加え、
3回にも2点を追加。
4-0と試合を優位に進めました。

しかしながら、
立ち上がり不安なく投球を披露した東海大相模のエース小笠原を、
3回に入って仙台育英の強力打線がとらえ始めました。
速球、チェンジアップ、
いずれの球にも鋭い振りで対応してくる仙台育英打線の迫力はこの日も健在。

ここまで、
花巻東・高橋や秋田商・成田翔らの『大会屈指』と言われた左腕を次々攻略してきた力は、
本当のホンモノ。

145キロ以上を計測する小笠原の速球にも、
全く力負けすることなくくらいついて、
ヒットを重ねていきました。

しかし試合展開は、
4-3と追い上げられて東海大相模がすぐ次の回に2点を取って突き放し、
6-3のまま中盤から終盤へ。

6回の表、
仙台育英のキャプテン、ライトの佐々木が東海大相模・川地の放ったライトへの大飛球を好捕した当たりから、
球場の雰囲気はざわざわし始めました。

もとより仙台育英に、
【東北初の優勝】
を期待する空気は強かったのですが、
6回の守備の好プレーの後、
その裏の攻撃で佐々木監督が『勝負手』を打ってそのキャプテン・佐々木に代打を起用。

起用された1年生の西巻は見事に期待に応えてレフトにヒット。
1死1・2塁とチャンスが拡大され、
球場の雰囲気が騒然となってきました。

仙台育英を応援する声は、
1塁側アルプスから1塁側の内野、外野のスタンドへ波及。
やがては球場全体が『仙台育英のホーム』と化し、
あたかも佐賀北、日本文理などが大声援に乗ってものすごいことをした雰囲気に近づいていきました。

その拍手と手拍子に乗って、
この日再三粘りを見せていた8番谷津もヒットで満塁。
まさにこの決勝戦で、
またまた『甲子園の魔物』はその姿を現そうとしていました。

思えば東海大相模。

5年前に快進撃で決勝に進出した時も、
相手の『沖縄県の初優勝』を狙った興南相手に、
同じ雰囲気の中自分を見失い、
敗れ去った経験を持っています。


エース小笠原は、
その雰囲気の中力投を続けますが、
2死満塁から1番の佐藤将に、
ついにその渾身の一球を、
とらえられました。

打球はセンターの遥か頭上を越える、
満塁一掃の同点3塁打。

3塁ベース上で、
両こぶしを握り締めて腹の底から叫ぶ佐藤将。
相次いでホームを駆け抜けた3人のランナーは、
ホームで、ベンチで、
抱き合って喜びを表します。

小笠原は顔面蒼白の中、
もう一度自分を奮い立たせようと、
懸命に頭を整理している姿に見えました。

そしてその直後の7回。

2番・宮地から始まるという絶好の得点チャンスの東海大相模。

しかし2番宮地、3番杉崎、4番豊田の3人が、
『完全にとらえた』
素晴らしい”低い打球”は、
いずれも野手の正面を突き、または素晴らしいプレーの前に阻まれ、
なんと3者凡退。

ここに至って、
流れは完全に仙台育英のものとなりました。

しかし8回。

ひとつのプレーが、
その流れを呼び戻したように、
ワタシには見えました。

それは8回裏、
仙台育英の攻撃の2死から。

バッター谷津は粘りで何度もこの試合のキーポイントを演出していた選手。
2ストライクから小笠原の投じた一球は、
右打者の谷津の内角へ。
ボールは打者に当たりましたが、
判定は『ストライク』ということで三振。

ボールがバッターに当たった瞬間、
球場全体に大歓声が巻き起こりましたが、
三振という判定にその波は、
スッと引いていくような感じに変わりました。

その一瞬の、
何とも言えない『弛緩した空気』。

その空気がやや払拭しきれない中、
9回の表、打者小笠原に仙台育英・佐藤世の投じた初球のフォーク。

『ストライクを取りたい』
と真ん中に投げたその球を、
小笠原が鋭く振り抜き、
まさか、まさかの勝ち越しホームランとなって右中間スタンドにはね、
この大激闘は大団円を迎えたのでした。

一瞬の空気の緩みから、
まさかの打者にホームラン。。。。。。

まさにワタシは、
前回神奈川代表が優勝したあの横浜高校の、
PLとの激闘17回の決着のシーンを思い浮かべていました。

『あの時とそっくりだ』
と思いましたね。

あの時も17回2死ランナーなしから、
PLショート、”名手”本橋がエラーでランナーを生かして、
そのすぐ後の途中出場・常盤の”まさかの決着弾”でした。

なんとなくそのシーンにかぶってしまい、
『やっぱり歴史は、繰り返すもんだなあ』
と思いました。

その後の連打は、
最後の最後に解き放たれた東海大相模の面々が、
存分に自分たちの野球を楽しんでいるように見えて、
なんともうれしかったです。

4番豊田の、
ライトフライでの2塁からの激走でホームインして”ダメ押しのダメ押し”点を取ったシーンは、
東海大相模が長年やり続けている『アグレッシブベースボール』の集大成でした。

そして最終回。

小笠原が渾身の力を込めて仙台育英打線の反撃を振り切り、
東海大相模が45年ぶりに栄冠を手にしたという試合でした。

そのスコア、10-6。

まさに45年前に、
原貢監督に率いられて甲子園に登場して、
優勝までかっさらっていった【新興強豪校】の東海大相模が、
また甲子園に舞い戻ってきたことを強く示唆する、
スコアだったのではないかと思っています。

東海大相模の皆さん。

本当に優勝おめでとう!!

悔しい昨年の初戦負けから立ち直り、
見事に頂点まで上り詰めたその野球、
見事としか言いようがありません。

そして敗れたとはいえ、
仙台育英の皆さん。

素晴らしい試合でした。

球史に残る素晴らしい決勝でした。

昨日の球運は一歩仙台育英には傾きませんでしたが、
そのチーム全体に漂う力強さ、プレーのキレ。
まさに『優勝に値する』好チームだったと思います。

捲土重来を期した次の挑戦、
待っています。


ということでこの【球史に残る激闘】堪能しました。

100年の高校野球。

今年もまた、
素晴らしい戦いで幕を閉じました。

来年からは101年目。
新しい時代の高校野球が始まります。

とはいえ、
3年後には『100回大会』を迎えるので、
この時もまた、
今年のような盛り上がりになるのでしょうね。

まあ、
『記念の大会』でなくても、
毎年の甲子園が盛り上がるというのは、
そりゃあもう、お約束です。


決勝が終わりふと眺めてみると、
いつの間にか秋の気配が漂ってきていますね。
陽もすごく短くなりました。

『今年もいい夏だったなあ』

毎年のことですが、
そう思います。

しばらくはワタシの耳からも、
あの大歓声や金属音、
ブラバンの奏でる数々の音楽。。。。。

離れることはありません。

『甲子園の呪縛』
が解かれて日常に気持ちが戻るまで、
しばらくはかかりそうです。

それまでしばし、
今年の大会に思いをはせながら、
過ごしていこうと思います。

『来年は101年目の夏かあ。。。。。。』
なんて思いながら、ね。


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