SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第105回全国高校野球選手権大会 予選展望その3 【関東2】

2023年06月27日 | 高校野球

≪第105回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望3 関東(その2) -


【埼玉】(参加145チーム)  
昌平が県内完全制覇を狙う。浦和学院は3度目の正直で昌平越えか、スラッガー小野の花咲徳栄が巻き返すか。

◎ 昌平
〇 浦和学院
△ 花咲徳栄 大宮東 山村学園   
▲ 市川越 西武台 聖望学園 春日部共栄 上尾

今年の最大の注目点は、最近ずっと上位で戦い続ける昌平の甲子園初出場がなるか。実力的にはすでに、甲子園に出てもおかしくはない昌平だが、ここぞの場面で勝ち切ることができずにまだ甲子園の土を踏めていない。今年は秋、春ともに県大会を制したが、関東大会では思うような戦いができずに敗退している。勝負強さこそが昌平が躍進するカギ。さて、今年はどんな戦いを見せてくれるのか。投手は力の変わらない4枚が揃い、打線はドラフト候補の金子を軸に、上位下位むらなく打つことができる。さすがにもう、甲子園の土を踏めても良さそうな昌平の戦いに注目だ。一方そうはさせじと名門の2校が立ちはだかる。浦和学院は秋春ともに決勝で昌平に敗れ準優勝。3度目の正直にかける夏となる。毎年チームの軸になる投手陣は、今年もエース左腕伊藤を軸に、渡辺、田中、月野と質、量ともに他校の追随を許さない。打線も強力で、十分に全国で勝負できるだけの力を持ったチームだ。5年連続の夏から4年ぶりに返り咲きを狙う花咲徳栄は、毎年のように野手でのプロ野球選手を輩出。今年も石塚や柴田らの好素材がいるが、注目されるのは横浜高校からの途中転入組で、今年の夏が最初で最後の大会となるスラッガー小野だ。小野のバットが火を噴けば、破壊力では昌平、浦学の上を行く打線が完成する。大宮東のエース富士は、プロ注目の左腕。角度のある左腕から矢のようなボールを放つ。秋に関東8強入りした山村学園は、寸前で逃した甲子園への切符を夏に取りに行く構え。豊富な投手陣と層の厚い投手陣で初めての夏を狙う。市川越、西武台の県西部の実力校は、ともに今年県大会で実績を残して、夏の覇権を狙う。連続出場を狙う聖望学園は、新指揮官の下で再出発。


【千葉】(参加148チーム) 
群雄割拠の戦国大戦も、中心に座るのは安定感の専大松戸。木更津総合は総合力で肉薄する。

◎ 専大松戸 
〇 木更津総合 市船橋 拓大紅陵 
△ 習志野 成田 中央学院 
▲ 銚子商 幕張総合 東海大市原望洋 八千代松陰 

近年毎年大激戦となる千葉大会。少し毛色は違うが、千葉の代表がいつも全国で優勝候補に挙げられていた40年ほど前をほうふつとさせる近年の充実ぶりだ。そんな中で今年の大会の中心となるのは、やはり選抜8強進出で関東でも4強に進出した専大松戸か。注目のドラフト候補・エース平野は選抜から帰って休養を十分に取った。夏は自慢の150キロ超の速球にスライダーで三振の山を築くか。そして平野が休んでいる間に、青野、渡辺、梅沢らが着実に伸びて、しっかりした投手陣が形成されるようになったのが明るい材料。投手育成にかけては全国屈指の持丸監督の薫陶を受けて育ったこのカルテット、夏にその本領を発揮しそうだ。打線も破壊力はないがしぶとさが備わってきて、得点能力が上がりつつある。そしてこの本命を追うのが強豪の木更津総合。県大会で専大松戸に完敗を喫したが、そこから立て直して関東大会では決勝に進出。慶応、昌平、常総と強豪を相次いで破ったのは見事だった。右横手のエース石沢は見た目以上に打ちにくい投手。そのほかにも千葉、井上らが控えており、投手陣の層の厚さでは引けを取らない。打線も仕上がってきて、例年の投の木更津から、総合力のチームに生まれ変わってきた。昨夏出場の市船橋が連続出場を狙う。昨夏からのいい流れに乗って、自信を持って戦っているように見える。上位打線の破壊力は県内屈指。特に主砲篠崎のパンチ力は目を見張る。名門・拓大紅陵も久々の甲子園に照準を絞る。専大松戸と互角の戦いを繰り広げた春を経て、自信をつけたナインが躍動するか。竹内、諸星の投の両輪は頼もしい限り。元ヤクルトの飯田コーチが指導して、細かいところまで目が行き届くような戦いをしてくる。名門・習志野も夏になれば必ず浮上してくるチーム。さらに成田は、エース斎藤の右腕に期待だ。中央学院はここの選手の能力が高く、銚子商の復活には千葉県民誰もが期待を寄せている。


【神奈川】(参加167チーム)   
選抜の雪辱期す慶応が充実。追うのは3連覇狙う横浜と東海大相模の2強。

◎ 慶応
〇 横浜 東海大相模 
△ 日大藤沢 相洋 桐光学園 
▲ 横浜隼人 横浜創学館 星槎国際 桐蔭学園 

ここのところ甲子園でも関東大会でも、その存在感を示すことができていない神奈川代表。今年も他県との比較では今一つの感があるが、その分激戦にはなりそうな雰囲気だ。戦力的には選抜にも出場した慶応が抜けている。自慢の強力打線は春の県大会1試合8.8得点と爆発。両渡辺と福井のクリーンアップに清原なども活発で、穴がなく長打力もある。一方の投手陣がグッと底上げされた。小宅・松井を中心として5,6枚がいつでも投げられる体制を作り上げた。関東大会では初戦であっさりと敗れるなどまだまだ全国レベルとは差がありそうだが、春夏連続で聖地に届くか。追う一番手は3連覇を狙う横浜。エース杉山に核弾頭の緒方は3年連続の聖地に自信満々だ。横浜の夏の県大会での強さは実証済み。自分たちが神奈川で負けるはずがないという自信で、過去2年も夏の県大会を勝ち抜いた。今年は打てないと言われた評判を覆し春は1試合5本塁打なども記録。夏はやはり、横浜が本命と見る向きも多い。選手の質ならNo1の東海大相模は、原監督になってから県大会をしっかり勝ち抜けないようになっている。秋に続いて春も決勝進出を逃し、10年代に門馬監督で築いた【東海1強】の威光は崩れる寸前だ。しかしここの選手を見るときらりと光るものがある。打線は上位から下位までしっかりと振り切り長打が出る。しかし、原監督以降、好投手に対峙した時最後まで打開できずに好投を許すという事が続いており、優勝するためにはそのあたりの打破がカギとなる。投手陣は慶応、横浜には一歩譲るものの、連戦を勝ち上がる層の厚さはある。この3チームが覇権を争う今年の大会となりそうだが、追ってくるチームもいないことはない。まずは春センセーションを巻き起こした相洋。もともと近年力を上げてきたチームだが、春は横浜、東海大相模を連破して世間を驚かせた。さらに関東大会では選抜8強の作新をも破り、このチームがただの惑星ではないことを認識させた。投打に安定感があり、接戦に強いというところがチームの特徴。夏も勝ち上がっていけるか。夏にグッと戦力を伸ばす日大藤沢は、今年も左右の好投手を擁し圏内の一角。桐光学園は2年生主体のチームで、勝負は秋以降か。それでもあの松井(楽天)以来の聖地返り咲きを目指す。横浜隼人は、春は県大会3位で関東大会出場を果たしたが、そこで選抜優勝の山梨学院に、試合にならずにこっぴどいコールド負け。立ち直りを期す。横浜創学館、星槎国際、桐蔭学園の各校は、過去の実績もあり期待は高い。



【東東京】(参加127チーム) 
帝京の復活なるか?それとも関東一、二松学舎の「いつもの2強」が突き放すか。

◎ 帝京 関東一    
〇 二松学舎大付  
△ 修徳 日大豊山   
▲ 日体大荏原 明大中野 堀越 共栄学園 東京成徳大付 小山台 日本ウェルネス  

4季連続の甲子園出場を果たす二松学舎は、選抜での初戦敗退からどうもしっくりいかない戦いを繰り返す。5季連続となれば、あの荒木大輔の早実以来の出来事で大記録なのだが、過去2年と比べて少し評価は低い。特に投手陣の仕上がりが悪く、過去2年投手陣が安定して甲子園をつかんだような戦いにはならなそうだ。打線は東東京屈指の破壊力を誇り、打ち勝つ戦術で5季連続を狙う。そんな中、金田監督の帝京が2011年以来12年ぶりの甲子園へいい戦力を整えてきた。春の都大会で10年ぶりの優勝。久しく忘れていた歓喜の輪の中、名門が息を吹き返してきている。エース高橋は昨年、一昨年と夏のマウンドを経験していて経験値は十分だ。打線もかつてのド迫力は失われたが、しっかりとつなぐ戦術で得点能力がある。関東大会では選抜優勝の山梨学院に打撃戦で逆転勝ち。さらに優勝した健大高崎とも9回まで接戦を展開し、自信を深めている。春準優勝の関東一は夏には無類の強さを見せるチーム。衛藤・高橋の3・4番は破壊力があり、伝統の機動力野球に絡めて得点を挙げる。投手陣はバラエティーに富む布陣で、夏を戦う戦力は十分とみる。ライバルに打ち勝つには、投手陣の四球を含め、細かいミスをしないことが肝心。10年ぶりの甲子園を目指す修徳は投打のバランスがいい。篠崎・竹沢の投手陣は安定感があり、相変わらず鋭い攻撃陣も賀曽利に逢坂、染田らが確実性のある打撃で得点を奪う。日大豊山はエース真鍋の好投に賭ける。昨夏準優勝の日体大荏原は、その快進撃を支えたメンバーがチームをけん引。明大中野のエース中村は東京屈指の好投手。シード勢の堀越、共栄学園、東京成徳大付らはしっかりと勝ちあがって上位校に挑戦したい。都立ではやはり近年実績を残す小山台に期待。いつもいい野球をする。選手の潜在能力の高い日本ウェルネスも面白い。


【西東京】(参加125チーム) 
東海大菅生と日大三の2強が本命も絶対ではない。両校ともに新監督がどう采配を振るう?!

◎ 日大三 東海大菅生
〇 早実 創価     
△ 桜美林 八王子 国士舘 国学院久我山 
▲ 聖パウロ 明大中野八王子 日大鶴ケ丘 日野 早大学院 

激震の1年を経て、日大三、東海大菅生の2強がどう戦うかが焦点。日大三は26年にわたり指揮を執った名監督の小倉監督が3月に退任。ずっと横で小倉監督を支えてきた三木監督が初采配の夏になる。スタミナ十分のエース安田にかかる期待は大きいが、打線が支えていかないと頂点は見えない。小倉監督仕込みの強打線が、どこまで爆発するか楽しみだ。選抜8強の東海大菅生は、選抜前に若林監督が辞任。その影響が夏にどう出るか。エース日当はMax150キロの剛腕だが、フォームが素直なため相手にとらえられるケースが多い。打線はしぶとさはあるが破壊力は今一つで、戦力的に大きく上回る感じではない今年、どこまで一丸になって勝ち進めるか。2強と肉薄するのが名門校の早実と創価。早実は軸の今一つ定まらない投手陣は例年通りだが、打線の破壊力はここ数年で最もいいとの評判。創価はキッチリとした野球が得意で、毎年しっかりと上位に食い込んでくる安定感は買える。今年は2強の監督が代わるエポックメーキングな年となったが、名門・桜美林も初出場・初優勝時の主将で、その後ずっと長きにわたりチームの監督として采配を振るってきた片桐監督が定年を迎える。なんとしてでも最後のひと花を咲かせたいところだが、ここ10数年に比べて明らかに戦力はアップしている。今年は秋、春ともに都大会8強入りして、安定感もついてきた。21年ぶりの夏に向けて、気合が入っている。八王子は二松学舎に勝って早実に敗れた春を経て、戦力がアップしてきた。2度目の夏をつかめるか。ノーシードの国士舘は2回戦でさっそく日大三と激突する組み合わせ。そこを突破することができれば、大きく優勝戦線に浮上する。昨春選抜4強の国学院久我山は、その時の勢いをもう一度つかみたい。シード校の聖パウロ、早大学院や実績を残す明大中野八王子、名門の日大鶴ケ丘や都立の星・日野ら、西東京は多士済々の好チームが並び、序盤から予断を許さない展開となりそうだ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第105回全国高校野球選手権大... | トップ | 第105回全国高校野球選手権大... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

高校野球」カテゴリの最新記事