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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

選抜出場校  こんなこと思い出しました (その5)

2016年02月16日 | 高校野球

思いつくまま、気の向くままの連載記事。
第5回『近畿編その1』です。



≪選抜出場校 思い出編5≫


近畿代表  大阪桐蔭(大阪)    8度目(2年連続) 
                            夏8度出場  甲子園通算44勝10敗  優勝 5回

今や高校野球の代名詞ともいえる大阪桐蔭。かつてPL学園が成し遂げた数々の栄光を引き継ぎ、今や完全に高校野球界の盟主となりました。しかしその活躍の歴史はまだ浅く、本格的に強豪の名をほしいままにしたのは、2000年代に入ってからです。年号が平成に変わる前後、大阪桐蔭は本格的に野球部の強化に乗り出し、今中(元中日)というドラフト1位の剛腕を生み出したことで、初めてその姿を高校野球界に表しました。そして91年。エース和田・背尾、主砲・萩原で初出場で夏の甲子園を制し一躍注目されますが、その後の90年代は、まだまだ【球界の盟主】であったPL学園の厚い壁を破ることはできませんでした。ようやくその壁を破り甲子園に登場したのは、西谷監督就任後の02年、西岡(阪神)を擁したチームでした。そして05年に158キロの剛腕エース・辻内に3打席連続弾の主砲・平田、そしてスーパールーキー・中田という3人のドラ1を擁して超大型チームで甲子園を席巻しました。しかしこの頃までの大阪桐蔭は、かつてのPLと比較すると『大型だが、どこかしらに脆さを残している』と言われたチームでした。実際、中田を擁した06年、07年のチームでも全国制覇はならず。常に『優勝候補筆頭』の冠が付く大会前であったにもかかわらず、頂点まで届くことはありませんでした。その壁を破ったのは、大会前には期待されていなかった08年のチーム。それまでのチームと比較して、決して傑出した選手がいたわけではなかったこのチームが、伸び伸びと実力をいかんなく発揮して優勝旗を奪い取ったこの大会をきっかけとして、大阪桐蔭は一段階段を上がった感じです。『甲子園での勝ち方』を覚えたとでも言いましょうか、その後はリードされてもバタバタせずに試合を運べるようになった感じですね。特にきっかけとなったのは、08年大会の2回戦で金沢を逆転で破った試合だったのではないかと思っています。浅村の1試合2本塁打で追いついて苦しい戦いを制したこの試合が、大阪桐蔭にとってはエポックメーキングな戦いとなったのではないでしょうか。その後は『ズルズル』ということがなくなり、かつてのPLばりに『終盤での逆転勝ち』も多くなりました。これこそ、チームが真の強豪に変化した証ではないでしょうかね。12年の藤浪擁するチームは、春はまだややスキもありましたが、夏の大会では全く相手を寄せ付けない凄さを身にまとっていました。85年のKK最後の年のPLのチームに匹敵する強さだったと思っています。大阪桐蔭の強さは、決して素材がいい選手が集まったというだけではなく、その選手たちがその能力をMAXまで伸ばしきって、甲子園狭しと暴れまわるところだと思います。そして彼らは、チームを巣立った後、次のステージでどんどん活躍していく。。。。。。まさに70~80年代にPLが実践した強さの源泉、それを大阪桐蔭がそっくりそのまま受け継いでいるように感じられます。大阪桐蔭の山の中のグラウンド、そここそがまさに『現代高校野球の虎の穴』そのものですね。(我ながら表現が古~って思います。。。。。)
大阪桐蔭のこのいい循環のチーム作り、どこまで続いていくのでしょうか。少なくとも西谷監督がバリバリチーム作りができるこれから10年~15年ぐらいは、このままの『強い大阪桐蔭』が続いていくのではないでしょうかね。どこまで甲子園勝利を伸ばしていけるのか、楽しみにしています。




近畿代表   滋賀学園(滋賀)  初出場
                            夏1度出場 甲子園通算 0勝1敗  

滋賀学園。この名前を聞いても、正直何にも浮かびません。初出場だから仕方がないかもしれませんが、09年の夏初出場の時も、初戦で敗退したということもあり、なんだかあっという間に姿を消してしまったということしか覚えていません。これまでの唯一の甲子園での試合は、同じ近畿の智弁和歌山、ドラフト候補の左腕・岡田投手にほとんど何もできずに抑え込まれたという印象しかありません。大阪からたくさんのシニア・ボーイズの好選手たちが集まってチーム作りをしているということは、他の強豪私学のチーム作りとなんら変わるところはありません。今年の大会では、1年生バッテリーが注目されていますが、チームの歴史を作るのはこれから。どんな姿を見せてくれるのでしょうか。




近畿代表   龍谷大平安(京都)    40度目(4年連続)
                                夏33度出場 甲子園通算 96勝68敗  優勝4回 準優勝4回 

通算出場回数、そして勝利数を見ると、やっぱり圧倒されるものがありますね。龍谷大平安というよりも、平安高校という方が、全国のファンにはおなじみの名前ですね。ワタシが高校野球を見始めてから40数年になりますが、正直子供のころ、平安に対する強烈なイメージというのはありませんでした。74年に山根投手を擁して春4強、夏8強と力を見せつけた年はあったものの、それ以外では70年代、80年代はほとんど甲子園での活躍というより、出場自体がありませんでした。長い冬の時代があったのです。高校野球の話題になると、決まって『京都のオールドファンは、名門・平安の復活を心待ちにしている』ということが語られていたのですが、ワタシはそれが、実感としては分かりませんでした。流れが変わったのは、やっぱり『自身が一番の平安のファン』を自認する原田監督が就任してからですね。その情熱、やっぱり圧倒されるものがあります。現在55歳。酸いも甘いもかみ分けた年代に入ってきて、ますます円熟味を増したその采配と、あの驚くような鍛えられたムキムキボディのミスマッチ。甲子園のベンチでの彼を見ていると、本当に楽しくなっちゃいますね。平安で思い出に残っているシーンは数ありますが、やっぱり一番は一昨年の選抜初制覇ですかね。苦しい試合をものにしながら、うまく選手を乗せている姿が印象的でした。決勝で見せたあの必殺の投手リレー。しびれましたね。その年、その年によって微妙にチームカラーを変えて登場する最近の平安野球は、とても興味があります。名門ということで外野の声もとても厳しいものがあるとのことですが、それも期待の裏返し。これだけファンの気持ちを熱くするチームも、全国広しと言えどそうはないと思います。その熱い思いを一身に受けて、それ以上に熱い男が采配を振るうこのチーム、ただの名門というくくりでは決しておさまらない『高校野球の顔』ですね。

 


(つづく)


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