「俺の体には、ドジャーブルーの血が流れてるぜ！」 あのトミー・ラソーダ氏が死去

ドジャースの元監督、
トミー・ラソーダ氏が7日に死去しました。
93歳でした。

ラソーダさんが入院しているという心配なニュースが昨年流れ、
年明けに退院したというニュースを読んだばかりだったので、
驚くと同時に「なんで・・・・」という思いも大きいです。

ラソーダさんといえば、
なんとっても「ミスタードジャース」そのものの人。
自ら「俺の体には、ドジャーブルーの血が流れているぜ」といい、
生涯をドジャースにささげた人でした。

ワタシはメジャーリーグを大リーグと呼んでいた時代に、
一番最初に好きになったのがＬＡドジャース。
70年代の終盤です。

最初に「スゲーなあ」と思った時にはすでにラソーダさんが、
監督としてドジャースの指揮を執っていました。
81年、ヤンキースを破って世界一に輝いたときには、
バレンズエラの衝撃的なデビューとともに、
ドジャースのすごさが際立った年でした。

そして88年にはハーシュハイザーを擁してあの無敵のアスレチックスを破ってラソーダさん2度目のＶ。
ＷＳ第1戦の、
ギブソンのサヨナラホームランに鳥肌が立った時のこと、
昨日のことのようによく覚えています。

そして95年には野茂がドジャースのユニフォームにそでを通し、
ラソーダ監督は彼を息子のようにかわいがり、信頼していました。

あの頃のドジャース、
まさに「古き良き野球チーム」の代表のようなチームでしたね。
オーナーがオマリー家、マネージャーがラソーダ、
そのコラボが何とも言えず暖かくて、
さらに「世界一の球場」と自負するドジャースタジアム。

何もかにもが、
「憧れのメジャーリーグ」そのものでした。
（おまけに言えば、名物アナウンサーのビン・スカリー氏のあの名物実況も、”ドジャース”には欠かせないものです。）


ラソーダ監督は、
常に喜怒哀楽を表に出し、
小柄でおなかの出たユーモラスな姿で、
判定に文句があると審判に近寄りまくしたて、
帰り際には砂を審判の足にザっザっとかけて帰っていきましたね。

ラソーダ監督がベンチから出てくると、
ファンも大いに沸いたものでした。

そんなドジャースファンがみんな好きだったラソーダ監督。

野茂が入団したことで、
日本のファンの覚えも本当にめでたくなり、
監督のラソーダと捕手のピアザは、
「日本人のだれもが知っている」
存在となりました。

エンジェルスの大ファンであるワタシも、
もちろんＮＬではドジャースを応援していましたので、
その頃はよく野茂を見に球場に通ったりしていました。

野茂の初勝利も、地区優勝を決めた試合も、
そしてラソーダ監督が審判に抗議して没収試合になってしまった試合も、
実は全部現地観戦していました。

印象深いのはその没収試合。

その日、
子供達には「スーベニアボール」が配布されていたのですが、
終盤ラソーダ監督が審判の判定に抗議して選手をベンチに引き揚げさせる（そう記憶しています）と、
審判に抗議して、スタンドからその「子供のもらったはずのボール」が、
親によってグラウンドに山と投げ込まれ、
その結果審判が「没収試合」を宣言したという顛末でした。

日本でもアメリカでも、
「没収試合」なんていうもの、
経験したことがあろうはずもないワタシ。

確か3人で観戦に行っていたのですが、
驚いたのなんのって。

しかしながら、
その「没収試合」の原因になったラソーダ監督に対する不満なんていうものはどこからも全く聞こえず、
ワタシもなんだか心うきうきしコーフン状態のまま、
家路についたことを覚えています。

オマリー、ラソーダの時代のドジャース、
本当に愛すべきチームでした。

もう四半世紀も前の話です。

ラソーダ監督のことを思い出すと、
ドジャースタジアム、
そして球場の素晴らしい空気感、
そんなことを思い出します。

ワタシにとって、世界一の球場はなんといっても甲子園球場なんですが、
2番目というとドジャースタジアムが思い浮かんだりします。


すでにドジャースをあまり熱心に応援しなくなってから結構経つワタシですが、
ラソーダさんの死去にはショックを受けてしまっています。

あのユーモラスな姿、
目を閉じると瞼いっぱいに浮かんできますね。
長きにわたり、楽しませてくれてありがとうございました。
合掌。