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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

日本マラソン界待望のスピードランナー  大迫傑が2時間7分19秒

2017年12月04日 | スポーツ全般

昨日は『スポーツの特異日』とでもいうべく、
様々な競技が全国各地で行われました。

ゴルフの日本シリーズでは宮里優作が2度目の優勝を飾り、
見事逆転の賞金王に輝きました。
昨日は本当に、圧巻のラウンドでしたね。
だれにも止められません。

サッカーではJ1参入戦で名古屋が福岡を振り切り、
1年でのJ1復帰を決めました。
前日に昨年まで指揮を執った川崎がJ1初優勝を決めていましたので、
名古屋の風間監督には期するものもあったでしょう。
自慢の攻撃よりも、守りで相手を抑え切ってのスコアレスドローで決めたJ1は、
価値あるものですね。

前日は川崎フロンターレの歓喜に沸いた等々力では、
高校サッカーの神奈川予選決勝が行われ、
不遇をかこった3年生たちの大逆襲で、桐蔭学園が久しぶりの選手権を掴みました。
スクールウォーズばりに、
テレビドラマにでもなりそうなドラマチックな1年を、
桐蔭ナインはよく踏ん張って『倍返し』しました。
その気力、根性、そして信頼の絆に、
大きな拍手を送りたいですね。


柔道ではあの小川直也の息子である小川雄勢が、
果てしなく続く延長を気力で制してグランプリシリーズの初優勝を飾りました。
あの”暴走レスラー”の小川もやはり人の親。
息子の試合を見つめるまなざしは、
真剣そのものでしたね。


海外からは、
次々にオリンピックを控えるウィンタースポーツの結果が届いてきます。

W杯のスピードスケートでは、
女子のパシュートでまた日本チームが世界新記録で優勝を飾りました。
女子のスピードスケートは、
短距離で連勝を続ける小平選手に続いて、
中長距離の高木選手が3000mで日本人初優勝を飾り、
そしてこのパシュートの凄さ。

もうこれは、
『日本のお家芸』と言ってもいいですね。

一方ジャンプのW杯では、
開幕からあの”常勝”高梨沙羅選手が苦しんでいます。

初戦、第2戦ともに表彰台を逃した高梨選手は、
第3戦で初の表彰台に上がったものの3位に終わり、
シーズンの入りで苦しんでいる姿が見られますね。

オリンピックでは大丈夫だと思っていますが、
昨シーズンまでがあまりにうまくいきすぎていたために、
なんだかいらん心配をしてしまいそうです。


そんな中、
伝統の福岡国際マラソンが行われました。

大会前から、
なんといっても注目を集めたのは、
東京オリンピックの代表選考方法が大きく変わったということ。

代表決定レースである【MGC】の出場権を、
各マラソンの大会で奪い合うという『2段階選抜』で、
この福岡のレースもその一つと位置付けられています。

そして出場選手の中で最も注目されたのは、
なんといっても5000mの日本記録保持者にして、
箱根駅伝でも名をはせた大迫傑。

アメリカに単身わたって、
プロランナーとしてその走りに磨きをかける逸材は、
4月のボストンマラソンで初マラソンの舞台を踏みました。

その時の2時間10分台で3位という走りにこれまでの日本人選手とは違うものを感じていたので、
今回の福岡での走りには大いに期待していました。

そしてこの日。

最初から『日本人にはない走り』と解説者が解説するように軽やかで跳ねるような走り、
それでいて状態の揺れが少ない効率的な走りを見せてくれていましたが、
徐々にレースが進むにつれて大迫はその『逸材と言われる所以』を見せてくれました。

「優勝候補No1」と言われたカロキが30㎞あたりで仕掛けましたが、
しっかりした表情と走りでそれに対応してついていき、
最後までその走りは乱れることがありませんでした。

もともとトラックのランナーなので、
これからマラソンの経験を積んでいくとともに、
かつての瀬古選手のように『トラックで勝負できる』シチュエーションも増えていけるはず。
これからますます、
成長が期待できそうです。


日本のマラソン界。

90年代まで、
ずっと日本はマラソンの世界で『世界のトップレベル』を占めてきましたが、
それ以降アフリカ勢が台頭しスピード化が顕著になるとともに、
全く世界の流れからは取り残されて、
勝負できなくなってきました。

もともと『マラソン選手育成』が目的だった箱根駅伝は、
そのイベント自体が怪物のように成長を遂げて、
今では”日本の正月の風物詩”になっていますが、
人気が出れば出るほど『本来の目的』は見失われて、
『マラソン選手育成という目的はどこへ行ったのやら』という状況になってきました。

箱根駅伝それ自体を『競技生活の目標』にする選手も今では多く、
『(箱根から社会人と)駅伝で無理をして今一つ成長できない』
アスリートも多くなってきていることが指摘され、問題視されるようにもなってきています。

最近のマラソンの大会では、
日本国内の大会でも日本人選手がトップ争いに参加するのは稀。

外国人招待選手の中に高速の有力選手が入っていようものなら、
日本人選手は『彼らは別物』とばかり、
レースの中でその外国人招待選手を追ってもいかない・・・・・・・
そんなレースばかりでした。

陸連の強化部長でもある瀬古さんなども、
そんな日本人選手の現状に、
なんだか忸怩たるものを感じていたことでしょう。

だからというわけでもありませんが、
マラソンの大会は人気を落とし、
駅伝ばかりがもてはやされるという風潮が生み出されているのかもしれません。

そして箱根駅伝で名をはせた選手は、
何か『名前先行』というような感じでとらえられることが多くて、
そこに(世界的な)実力が伴っていかないということも数多く、
『日本のマラソンは、もうダメなのかなあ・・・・・』
なんていう感じにさせられることも多かったように思います。

昨日もレースに参加していた『市民ランナー』の川内選手。

根性のある素晴らしい選手で、
世間へのインパクトも絶大だと思いますが、
彼は決して『世界で勝負できる実力を持った』選手ではないことは、
レースを見ていれば一目でわかります。

なので、
オリンピックや世界陸上で、
『川内の走りを見たい』とは思っても、
『日本チームの命運を彼に託す』みたいになってはいけないと思います。
それでも『日本のエース』という立ち位置に置かざるを得ないというところに、
日本マラソン界の『苦境』が垣間見えたりする、
そんな風に思っています。

そんな現状を、
大迫選手の出現が、
取り払ってくれそうな”予感”を、
昨日は感じることができました。

『どうあっても日本人が世界と勝負なんて、無理』
とあきらめていた気持ちに、
ポッと明かりがともったような気がします。

思えば、
現在各競技の『エース』と言われる人たち、
錦織にしても松山にしても、
水泳やサッカー、野球に至っても、
『世界と勝負できる』選手は拠点をアメリカなど【世界標準】のところに置いている選手が多いですよね。

大迫選手も、
退路を断ってプロのアスリートとしてアメリカに拠点を移しているというところが、
なんだか彼の決意を物語っているようで、
なんだか期待が大きくなって行っちゃっています。

そうでなければ、
『日本人が長年破れなかった壁』
なんていうものを突破できる推進力にならないんだろうなあ。。。。。

そんな風に思っています。


大迫傑選手は、
力強い新たな一歩を、
昨日踏み出してくれたんじゃないか?

そう思っています。

これからのマラソンシーン、
面白くなってきそうですね。


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