≪全国大学ラグビー選手権大会≫ ~秩父宮~
【決勝】
帝京大 33(14-14 19-12)26 東海大
すさまじい攻防でした。
『これが大学レベルなのか?!』
と驚くほどレベルの高い試合に、
80分間見ているワタシも圧倒されっぱなしの決勝戦でした。
年末の準々決勝、2日の準決勝を見ていて、
『おや?今年は東海大のレベルがものすごく上がっていて、帝京よりいいかもしれんなあ・・・』
なんていう感想を持っていたワタシ。
それだけにこの日は激戦を予想していましたが、
最後は帝京大の『凄み』を存分に見せてもらった感じの試合となりました。
前半はキックオフから完全に東海大ペース。
いきなりの帝京大のノックオンから始まったこの試合。
東海大は予想通り、
スクラムなどのセットプレーなど、
強力FWを軸にぐいぐいと『前へ 前へ』と攻め込んできました。
そしてあっという間に2トライを奪って14-0。
しかしここで、帝京大が『王者の底力』を発揮しだしました。
帝京大は東海大の攻撃を断ち切って相手ゴール前まで攻め込むも、
東海大の気迫のタックルにトライまで持ち込めない状況がしばらく続きました。
しかしそこで、
司令塔・松田が見事なグラバーキックでマクカランを飛び込ませて1トライ返して14-7.
試合の流れから言って、
この1トライはとてつもなく大きかったですね。
特に東海大が帝京大の攻撃をよく止めていたので、
松田の視野の広さとアイデア、戦術眼がなければトライは奪えないところでした。
このトライで帝京大は完全に蘇った感じで、
前半終了間際に同点トライ、
後半は先にトライを先行されるものの、
同点の後半28分に再び、
松田が東海DF陣裏へのショートパントを上げて、
そこに竹山が飛び込んでトライ。
試合を決定づけました。
松田はトライ後のキックも5本中4本を決め、
そのほかでも何度も敵陣深くまで切り返すキックで東海大の攻撃陣を前に出させませんでした。
やはり彼がいることが、
帝京大の最大の強みでしたね。
素晴らしいという言葉しかない、昨日のプレーの数々でした。
しかし帝京大の強みはそれだけにとどまらず、
FWが完全に東海大のセットプレーを中心とした圧力に押されるも、
最後のところでしつこくタックルを繰り返して、
最後まで東海大のタタフ、モエラキオラといったインパクトプレーヤーの突進を許しませんでした。
東海大は、
個々の力では帝京大を上回っている感じを持ちましたが、
最後のところでの執念やプレーの正確さなどで、
帝京大には一歩及びませんでした。
この悔しさを、
来年はどう晴らすべくチーム力を上げて行けるのでしょうか?
楽しみは来年にとっておく……ということかもしれません。
今年の大会は、
”絶対王者”帝京大と”圧倒的な力”の東海大の2強が強さを見せた昨年同様の構図の大会でしたが、
4強には天理大と同大が食い込んで≪関西復権≫の兆しを見せてくれて、
盛り上がった大会となりました。
その中で大学ラグビーを引っ張ってきた早慶明の3チームが相対的に力を落としたのが残念でした。
来年以降も、
帝京大・東海大以外は群雄割拠の状況が続くことが予想されますので、
早慶明は『古豪』とならないよう、
チーム力を上げて対抗していってほしいと思います。
それにしても帝京大。
8連覇というのはとてつもない偉業ですね。
メジャーな学生スポーツの選手権で、
これだけの連覇を達成した学校って、
あるのでしょうか?
競技・大会の創成期であるならわからんでもないのですが、
これだけ各校がしのぎを削る大学ラグビーという中にあっての8連覇。
全く頭が下がります。
8連覇の中身を見ると、
最初の3年ぐらいは、
『強いけど勝って当たり前ではない』
という状況の中での連覇だったように思われます。
次の4年間が、
『まさに盤石。敵はない』
という状況で他を寄せ付けませんでしたが、
今年は東海大がすぐ後ろまでひたひたと寄ってくる足音がした・・・・・という年だったと思います。
しかし今年のチームは、
重く背負っているものへの責任と、
勝利への執念が見事にマッチした、
『素晴らしい』から『すんばらし~~~』に変わったような、
そんなチームだったように思います。
圧勝は減っても、
チームの一体感とか総合力とか、
そんなものは『一つの頂点を迎えた』と言ってもいいように感じる、
見事な、見事な8連覇だったと思います。
帝京大にとっては、
これでラグビーシーズンが終わるわけではありません。
もちろん、
日本選手権でのトップリーグ強豪との対戦が待っています。
ことしもまた、
『やってくれる!』
そんな思いを持って、
観ようかなと楽しみにしています。
快足BKの竹山選手が、
昨日の最後で足を痛めている感じがしたのが気がかりですが、
最後の対戦に向けて、
もう一度気合、入れなおしちゃってください!!!
凄いことが起きるかもしれません。
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