新国立競技場 どうなるの？

東京オリンピックのメーン会場になる新国立競技場。
その建築計画、まさに”迷走”しています。

当初の予算組よりも1,000億以上上乗せになった2,500億という建築費。
そのコストにまず大きな驚きがあります。

現在と比較することはできませんが、
『球場って、いったいいくらぐらいかかるのかな？』
ということに興味が大きかった時期があり、
アメリカなどで建設されるMLBやNFLの本拠地となる球場の建築コスト、
注視していたことがあります。

球場の規模（キャパ）とか仕様とか、
それはもう千差万別でしたが、
おおむね数百億（それも下の方の）単位というのがスタンダードなところ。

それでもそのコストは市の予算などで賄われることも大きかったため、
住民の納税者意識の高いアメリカの住民である、
当該市の市民たちは常に目を凝らしていましたし、
新聞などでも逐一報告の記事が載っていた気がします。


そんなことが自分の中に刷り込まれていましたので、
この【新国立競技場】の当初の予算である1,300億というのを聞いた時から、
『なんてバカ高いスタジアムだろうか』
ということを思っていました。

折からの建築コスト高というのも頭にありましたし、
何しろ地元東京で行われるオリンピックということもありましたので、
『多少の建築費には目をつぶって』
と思っていましたが。。。。。。。

なんと総工費は2,520億かかるとか、
もうラグビーワールドカップに間に合わないからこのまま着工するとか、
短い間に話がむちゃくちゃになってきて、
『こりゃあ、見直さなきゃいかんだろ！』
という気がふつふつとわいてきました。

もともと『神宮の杜』のまさに中心に位置する国立競技場が、
あんな奇抜なデザインでいいのか？
ということは当初から思っていましたので、
ここはいっちょ『白紙撤回』をして、
もっと落ち着いた、日本的ないいデザインのスタジアムを・・・・・・・
なんて思っています。

昨日安藤氏が記者会見に姿を現しましたが、
まあ建築家はコストとかスポーツのスタジアムとかいう以前に、
”建物の芸術性”みたいなところを重視しているでしょうから、
議論がかみ合わないのは仕方ありませんね。
一種の芸術家ですから。

それよりもいつ、
『ラグビーワールドカップは絶対に新国立競技場で行う』
ということに決まっていたのでしょうかね？

ワタシの理解だと、
『2020年の東京オリンピックの前年にラグビーのワールドカップも行われるから、余裕があれば新国立競技場のこけら落としとしてラグビーのワールドカップに使用したらどうだろうか。世界にアピールできるし、しかも東京オリンピックのいいシュミレーションになるだろうから』
ということだったのではないでしょうか。

それをあたかも、
『ラグビーワールドカップに間に合わさなければ、国際公約違反でえらいことになる』
なんて論調になっちゃってるんでしょうか。

この新国立競技場の建設と、
ラグビーワールドカップなんていうのは、
完全に切り離して考えなきゃおかしい問題だと、
ワタシなんかは思いますがね。


大体において、
森善朗という言う人がしゃしゃり出てきて、
オリンピックにラグビーのワールドカップをリンクさせるなんてことを強力に推すから、
こんなことになっているんじゃなかろうかと思いますよ。

この人、
長年ラグビー協会の会長をやってた訳だから、
今回の国立競技場の問題とラグビーワールドカップをリンクさせることに深くかかわっているのは自明の理。

今回オリンピックのことだけを考え、
『従来予測していたコストから大きく逸脱しているから、計画の見直しを』
と決断すれば、
それで済む話だと思いますけどね。

工期の問題については、
ラグビーワールドカップを外して考えれば、
全く問題ないと思います。

これにこだわるから、
話はややこしくなっているのだと思います。

ことがこれだけ大きくなって、
それこそ国民の8割、9割が反対を唱えているのに、
それを無視して突き進むことなんて、
出来ないだろうと思いますがね。


この段階になってしまったからには、
やっぱりここは安倍首相に決断してもらいたいと思います。

元々森善朗氏は安倍さんの”親分”ですが、
彼の一種の老害ぶりをいさめるのも、
首相としての仕事だと思いますね。
お願いしますよ。


俯瞰して考えたら、
簡単に結論は出そうな問題です。

『国際公約だから・・・・・・』
なんて言う声も聞こえますが、
時とともに情勢、状況というものは刻々と変化しているわけです。
何でもそうです。

それに適切に対応できない、
あるいは対応を怠っている、
そんなことは許されないわけで、
大局に立った判断を期待しています。


ワタシ個人としては、
新国立の建設がこんなに大事になってしまったので、
『日本スポーツ振興』という組織（オリンピックなどを中心になって運営している文科省天下りの組織）が、
ちょっと前に調子に乗って『この機会に、神宮と秩父宮も取り壊して新しい建物にする』
なんてふざけた提案をしていたことが、
ちょっと実現味がなくなってきたのかなあと思って、
安どしているところです。

ワタシにとっては、
国立競技場よりも、
神宮球場の方が大事。

あの神宮が100年の時を経てもまだあの場所に、
長嶋のホームランや大学野球、高校野球の記憶とともに現存しているという方が、
ずっとずっと大切なのです。

国立のことではこれ以上はモノを申しませんが、
神宮が取り壊されるとなったら、
それこそプラカードでも持って、
デモでもなんでも、
行きまっせ～～～～。（笑）