日曜日の朝、
多くの人が前夜(未明?)のサッカー・日本代表の試合を引きずり、
『ムフフフ』とほくそ笑んでみたり思い出し笑いをしてみたり。
そんな状態だったんではないでしょうか?
ワタシもまさにそんな状態でした。
あの李のボレーシュートがゴールに突き刺さった瞬間。
鮮烈に頭の中によみがえってきます。
そんな朝を過ごしたワタシですが、
午後になって気持ちを切り替えました。
そして向かった先は秩父宮。
世間の注目度に違いはあれど、
ラグビーの世界も【頂上対決】の日。
三洋電機vsサントリー。
注目の戦いとなりました。
両チームともにリーグ終盤でやや失速。
2位と4位でリーグ最終戦を終えてのプレーオフ突入でしたが、
先週の準決勝でその前に敗れていた相手に雪辱を果たし、
このファイナルのコマを進めてきました。
試合の焦点は、
やや実力で上回る三洋の守備陣を、
サントリーが自由なボールの散らしで翻弄できるか、
ということだったと思います。
前半やや風上の中、
優勢に試合を進めるサントリーでしたが、
最後のところで三洋の防御を突破できませんでした。
後半を迎えるところでサントリー5点のリード。
しかしこの時点で抱いた、
『たぶん後半の三洋の猛攻に、サントリーは耐えられないだろうな』
というワタシの予感は、
図らずも当たってしまいました。
後半30分過ぎまで、
ほぼ一方的に三洋が攻め続け、
サントリーは肝心なところでのFWのボール争奪戦にことごとく敗れ、
後退を余儀なくされました。
裏を返せば、
それだけ三洋の【圧力】が勝っていたということです。
実は今シーズン、
サントリーも三洋も、
じかに見るのは初めてだったのですが、
実感したのはレベルアップ。
トップリーグの始まったころまでは、
一人の外国人選手がすべての壁を打ち破って突進するというシーンがよく見られたのですが、
いまでは彼らも完全にチームのコマとなっており、
「うまいなあ」「強いなあ」とは思いますが、
「彼ら一人のチーム」では決してありません。
それだけ日本人の総合力も上がってきているということです。
2019年のワールドカップ自国開催に向け、
一段一段階段を上って行っているということが感じられ、
そういった意味でもうれしい観戦となりました。
ゲームは最後の5分でサントリーが追い上げを見せたものの、
時すでに遅し。
5点差で三洋の初優勝となりました。
「え~三洋電機が初優勝??」
と思われる方も多いかもしれませんね。
常に日本のラグビー界を引っ張り続け、
トップリーグが開始されてからもその位置を維持し続ける三洋電気。
現在日本選手権は3連覇中。
その三洋電機にして、
このトップリーグ優勝というタイトルは、
初めてです。
昨日は粉雪舞う中、
赤い鎧を身にまとった野武士軍団が、
強く大きく見えました。
トニーブラウンは常に中央でフィフティーンを鼓舞し続けていましたが、
ワタシが特に目を奪われたのは、
No11 左ウィングの山田選手です。
今年からの移籍組でもあり、
彼のプレーは初めてだったのですが、
ワタシは正面スタンド左側で観戦していたので、
後半の彼の素晴らしいプレーは常に私の目の前で行われており、
実に『堪能』できました。
ドレッドヘアーのサムライ。
もっともっと注目されていくことでしょう。
*ちなみに、昨日は女性ファンから、『あの人、外人?』という言葉がよく聞かれました。
それだけ『日本人離れした』動きでしたね。
八艘とびのように高く飛んで相手ヂフェンスをかわした時には、スタンドが『お~』というどよめきに包まれました。
三洋電機。
ご承知のように、
パナソニックとの合併がこの春待ち受けます。
もしかしたら、
この【三洋電機】という名前で戦う、
最後のトップリーグかもしれません。
そんな状況の中で見せた野武士軍団の力強い突進。
今後も今までと同じような、
三洋電機のラグビーであってほしいと、
心から願います。
さて、
これで終わらないのがラグビーの世界。
最後に待ち受けるのは、
来週から開幕する日本選手権。
4強が互いに意地をかけてぶつかり合うのか、
それとも帝京・早稲田の大学勢の巻き返しがあるのか。
下位に沈んだとはいえ力を持つNEC、神戸製鋼などのサプライズがあるのか。
興味が尽きません。
いずれにしても、
三洋電機はやはり、
日本一のチームだという実感を強く持ちながら、
日本選手権を待ちたいと思います。