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第98回全国高校野球選手権大会  予選展望Vol8 ≪関東1(南関東)≫

2016年06月27日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望8 関東(1) -






【千葉】(参加170校) 
早川で全国上位目指す木更津総合。うなる剛腕・東海大市原望洋の島のピッチングにも注目。

◎ 木更津総合
〇 東海大市原望洋 専大松戸
△ 千葉黎明 千葉経大付 松戸国際 成田
▲ 東京学館浦安 習志野 銚子商

秋、春と関東大会、選抜での戦いを見る限り、木更津総合、いや、エース早川の左腕は『難攻不落』と映るが、そうはいかないのが”大票田”千葉の夏。近年中堅校のチーム力アップが目覚ましく、序盤、中盤から息の抜けない戦いが続く大会となっており、その結果有力校が上位にたどり着くまでに余力を残していないということもまま見受けられる過酷な大会だ。木更津総合の早川は、桐光、花咲徳栄、東海大甲府の各強打線をほぼ完ぺきに抑え切り、選抜でも全国屈指の大阪桐蔭、秀岳館相手に素晴らしいピッチングを見せた。安定感という面では、全国屈指の好投手といえる。木更津総合がこの夏千葉を勝ち抜くためには、1にも2にも、準決勝・決勝の”決戦”に早川をコンディションよくマウンドにあげることができるか、ということだけがポイントとみる。春はほとんど休養を取って2番手以下の投手の底上げに努めたが、目論見通りにコトが進んでいるようには見えない。その【大本命】相手に勝負を挑む1番手が、2年ぶりを狙う東海大市原望洋。この学校の”好投手の系譜”に今年は、ドラ1候補の島が名を連ねた。Max153キロともいわれる剛速球は迫力満点だが、安定感という面では早川に一歩譲る。それだけに破壊力ある県下NO1ともいわれる打線が強力に投手陣を援護したい。チームのスケールでは県下でも群を抜いており、ぜひ甲子園で見てみたいチームの一つである。そしてこの2強も全く気を抜けないチームが点在し、虎視眈々と頂点を狙っている。昨夏悲願の甲子園を射止めた専大松戸は、今年も連続の代表を狙う。昨年は投打にスーパー球児をそろえながら甲子園ではいいところなく敗れ去ったので、その”忘れ物”を取り返しに行く夏となる。今年は珍しく軸になるエースが作れていない状況で、ベテラン持丸監督の手腕が試される。県内の話題をひとり占めの千葉黎明は、初の夏を狙う。エース川口に4番で出場できる”転入生”島村を加え、スキのない戦力になりつつある。千葉経大付、松戸国際や強打の成田など、後続勢も面白いチーム続々。東海大浦安、習志野、銚子商のかつて県内のトップに君臨した名門の巻き返しも楽しみだ。



【神奈川】(参加188校)   
剛腕・藤平擁し攻守に質の高い本命・横浜。全国連覇狙い東海大相模も、夏の本番に向け準備は万端。

◎ 横浜
〇 東海大相模 
△ 桐光学園 慶応義塾 平塚学園 桐蔭学園
▲ 県相模原 横浜隼人 日大 横浜創学館 藤沢翔陵

昨年は東海大相模が45年の時を経て全国制覇を達成。2枚看板の投手陣と切れ味鋭い打線は、『東海大相模時代』の到来を告げたかに思われた。しかし今年は、秋の新チーム結成時から春を超し、そしてこの夏前まで、鋭く名門・横浜が巻き返してずっとトップを走り続けている。その原動力は何といっても『ドラ1候補』ともいわれるエース藤平の存在だ。藤平は150キロに届くストレートを武器にスライダーの精度も高く、相手に隙を見せない投球を見せる。2枚看板として左腕の石川も控え、今年の横浜の投手力は去年の東海大相模に匹敵するほど充実している。打線は公家、増田、石川、藤平ら打てる打者は非常に多い強力打線だが、いったん沈黙するとズルズルいくというもろさも同居している。そのあたりの解消が夏を狙うために必要と思われるが、総合力では他の追随を許さない”1強”状態といえるだろう。ディフェンディングチャンピオンの東海大相模は、大型チームではあるが試合経験が圧倒的に不足しており、そのあたりが不安の種。エース北村は藤平に負けじと140キロ台終盤の速球で勝負の本格派。打線も昨年ほどではないがそこそこ打てるため、試合展開によっては横浜に一泡吹かせられる可能性も感じさせてくれる。門馬監督は夏の横浜戦にはひそかな自信を持っている感じで、決勝であいまみえることになれば激戦は必至か。今年はこの2チームの力が抜けていて他校にチャンスが大きくはないが、その中で安定した戦いぶりを見せているのが桐光学園。サブマリンのエース中川の頑張り次第だが、細かい野球は得意で、接戦に持ち込んで上位を確実に狙っていきたい。春はその桐光を破り熱き心を見せつけた慶応。しっかりとトレーナーをつけて選手を3年計画で育てる方法は秀逸。今年は久々の甲子園を狙えるところまで来ている。平塚学園は、昨夏も東海大相模を苦しめた好投手・高田が最後の夏を迎える。まったく音沙汰なしの1年を過ごして最後の夏を迎えるが、高田の完全復活があれば平塚学園にもチャンスは十分ある。大川監督就任後数年たち、桐蔭学園もこのあたりで復活ののろしを上げたい。いつまでも同じユニの『大阪』に負けてるわけにはいかないところだ。シードを獲得した日大と藤沢翔陵は、やや緩くなった対戦相手の恩恵を被りたい。一昨年から引き続く『ケンソウ旋風』の第3章はあるのか、県相模原。佐相監督仕込みの強打線にはますます磨きがかかっている。『2度目の甲子園』に手が届きそうで届かない横浜隼人の巻き返しはあるか。横浜創学館、日大藤沢、新監督の武相あたりも波に乗れば面白い存在だ。




【山梨】(参加36校)  

県大会6連覇中の東海大甲府がダントツも、日本航空、山梨学院大付ら刺客も数多い激戦。

◎ 東海大甲府
〇 日本航空
△ 山梨学院大付
▲ 都留 日川 甲府城西 甲府工 甲府商 

ライバルはいるものの、やはり東海大甲府がダントツの強さを誇るとみる。東海大甲府の力の源は、そのチーム内での競争にある。昨夏、今春と2季連続甲子園にコマを進めて、その投手の二枚看板である菊池、松葉に、今年夏さらに新戦力が加わった。1年生の左右の好投手・小野寺、渡部だ。近年東京をはじめとした球児たちが、こぞって東海大甲府への入学になびくのも、この切磋琢磨して力を伸ばしている事実を見ているからであろうか。ベテランの域に突入した村中監督は、なんとか県勢初の全国制覇へ導きたいという野望を持っているが、そろそろ機は熟したとみていいかもしれない。選抜で悔しさだけを持って帰ってきたナインが、どれだけ甲子園への思いを強めているか。そのあたりがこの大会の見どころだろう。全国制覇に導いた長崎・清峰から満を持して転任した吉田監督率いる山梨学院大付。就任直後に春の関東を制して『さすが』といわれたが、それ以降の足取りは今一つ。逆に危機感を感じて戦力を大幅アップした東海大甲府に、押されっぱなしの現状だ。県内屈指といわれるエース栗尾を筆頭に好素材がそろっているだけに、今夏はライバルに一泡吹かせたいところだ。一方監督をめぐるごたごたが頻発して近年やや低迷をかこっていた日本航空が、新球場完成とともに蘇りの兆しを見せている。夏の甲子園にたどり着けば8年ぶりとなり、学校関係者の期待も高い。春の関東大会で常勝・浦和学院を破った自信は大きく、戦える戦力を整えつつある。県大会の図式は1強+2チームの3チームでの争いが濃厚だが、その他のチームは大会の勢いに乗りたいところ。都留、日川の公立勢は例年通り夏に向けての仕上げに余念がない。秋4強の甲府城西、名門の甲府工も浮上を狙い、甲府商や富士学苑なども虎視眈々と上位校に照準を絞る。





【東東京】(参加137校) 

関東一が本命の座を堅持も、プラチナ世代最後の年にかける二松学舎大付も一歩も引かない。

◎ 関東一 二松学舎大付
〇 帝京 東海大高輪台
△ 東亜学園 修徳 堀越 岩倉
▲ 成立学園 日体大荏原 日本ウェルネス 江戸川 小山台 葛飾野

過去2年間の5回の甲子園出場校を見ると、関東一、二松学舎、二松学舎、関東一、関東一となっており、両校が2強を形成している。今年の選抜は関東一が二松学舎を抑えて代表の座をつかんだが、選抜の本番では東邦の藤嶋になすすべなく敗れた。そして直後の関東大会でも、優勝した前橋育英には『歯が立たない』戦いぶりで敗北。全国レベルで見ると、どう見ても二松学舎の方が戦力的には上回るように見えるが、そう簡単にいかないのが高校野球の怖さだ。投手力にかなり不安を持つ関東一だが、打線の破壊力は東京ではNO1。しかも彼らの本当の強みはその粘り強さ。昨夏の甲子園でも何度も見せた接戦での粘り強さが、夏を戦い抜く上での彼らの最大の強みになっている。その関東一の粘りにいつも飲み込まれてしまうのが、『戦力はNO1だが、なにしろ勝負弱い』の評価の二松学舎大付。1年の時から甲子園をもぎ取り活躍したエース大江、捕手今村、内野手三口の『三銃士』たち。彼らの”何ものをも恐れない突破力”が二松学舎大付の『夏の大会の暗黒の歴史』に終止符を打たせて悲願の初出場をもたらしたのが2年前。『いったい彼らが3年になった時、どんなすごいチームになっているのだろうか』と東京の高校野球ファンの注目を一身に浴びたものの、それ以降甲子園では1勝もできずじまいで最後の夏を迎えた。上級生になって、何か少し守りに入ってきているような戦いぶりが目立つ二松学舎大付としては、あの2年前の夏を思い出して、関東一との決戦を突破したいところだ。持っているものなら圧倒的に東京NO1、全国の強豪ともそん色ない実力を有しているだけに、このままでは終われないだろう。両校の『宿命の対決』は決勝の予定だが、その前に刺客はいるのか。名門・帝京が1番手に上がるが、かつてと同じに見える強力打線も、勝負弱さが垣間見える昨今の戦いとなっている。かつての勢いを取り戻すには、現在関東一が持つ”勝負強さ”を身に着けるしかない。東亜学園から修徳、堀越、岩倉、成立らの甲子園を経験する強豪に、初を狙う東海大高輪台、元雪谷の相原監督を招聘した日体大荏原、新興の日本ウェルネスに元気のいい都立勢、江戸川・小山台・葛飾野らが二強にどう挑んでいくのか。




【西東京】(参加128校) 

勢力図激変。清宮があっさりと連覇を成し遂げるのか、悲願をかなえるチームが出るのか。いずれにしても大激戦の夏だ。

◎ 東海大菅生 早稲田実
〇 日大三   
△ 日大鶴ヶ丘 八王子 佼成学園 
▲ 国士館 日野 創価 聖パウロ学園 国学院久我山  

昨年は『甲子園100年目の夏』ということで、東京では第1回大会から出場を続ける早稲田実の動向に注目が集まった。そこに折よく”スーパー球児”と騒がれた清宮が入学。センセーションを巻き起こし、世間に『早実待望の空気』が熟成され、それに乗った早実が劇的な戦いぶりで西東京を制覇。甲子園でも話題をさらい、チームのもともと持っている実力からはあり得ないほどの快進撃で、全国4強にまで上って行った。そんな中迎えた今年。今年も清宮の周りは相変わらず騒がしい。早実は秋も春も、都大会の前半戦で姿を消したが、夏は全く別物と考えた方がいいであろう。早実の選手たち、そして学校関係者は、『騒がれれば騒がれるほど、我々には有利な空気になる』と思っているのではないだろうか。西東京では、注目度が大きくなればなるほど『早実待望』の空気は熟成される。それだけの人気も兼ね備えたチームなのだ。それゆえ、今年も案外、早実があっという間に甲子園までたどり着くのではないか? そんな気がしている。今年の早実は、戦力的には昨年を上回るものがある。打線の破壊力は素晴らしく、やはり全国レベルの強打のチームだ。投手陣の不安は昨年もあったが、勝ち進み、打線が強力援護してくれることで徐々に整備されていった。和泉監督としては、今年もその再現を狙っている。泣き所としては、昨年のチームは主将の加藤を中心とした3年生ががっちりとチームをけん引していたが、今年は今一つそのあたりが見られないところ。チームを同じベクトルに向かわせる”推進力”が欲しい。
全体的にみると、今年の西東京は例年に比べてレベルが低く、有力校もドングリの背比べという感じがしないでもない。そんな中で、実力では西東京NO1といわれるのが、昨年決勝で大逆転負けを食らった東海大菅生。エース伊藤はすっかりエースとしての貫禄が付いた。打線もまずまずで、全国でもそこそこ戦えるチームにはなってきたか。日大三はチームがやや退潮傾向になってきた。ピークの過ぎた感のある中、小倉監督がどこまで”戦える軍団”に立て直してきたか。数年前までも粗さはあるチームだったが、それを補って余りあるパワーとスピードを持ったチームで、西東京の各校はその『三高のパワー』を止めることはできなかった。しかし若干力を落としてきたここ2年ほど、パワーで圧倒できなくなってくると、試合運びの粗さが目立つようになってきた。その【粗さ】は弱点にもなるが、全国のチームを震え上がらせてきた日大三高の力の源泉でもあったので、チームは難しい選択を迫られているような気がする。今年の戦いは、果たして。。。。さて、この三強以外では、ノーシードながら潜在能力が高いといわれる日大鶴ヶ丘、初めての夏をつかみ取るためにいい組み合わせを引いた八王子、日大三の初戦に当たるのが濃厚な佼成学園、上位常連の創価、国学院久我山などが頂点を狙う。都立では日野、昭和のツートップに懐かしい東大和の名前もあがる。国士館や日大二、桜美林など古豪の巻き返しも楽しみだ。



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