~日刊スポーツより~
元関脇寺尾の錣山親方が、17日に亡くなった。60歳だった。
今朝起きたら、
大ショックな訃報が届いていました。
あの鉄人、寺尾が60歳の若さで逝ってしまいました。
通算出場1795回(歴代4位)
通算860勝(同10位)
幕内在位93場所(同6位)
幕内出場1378回(同5位)
数々の記録はすべて長く出場したればこその記録。
まさに「昭和の鉄人」で、
土俵をずっと沸かし続けてくれた名力士でした。
最初は「2世関取り」として、
そして「兄弟関取」として注目を浴びた力士でしたが、
だんだんその相撲っぷりがファンの心をつかんで行きました。
とにかくきっぷのいい、回転の速い突っ張りと動きの速さで、
上位陣にどんどん挑んでいく姿は、
まさに「土俵になくてはならない存在」であり、
ファンは寺尾が土俵に上がるたびに大きな声援を送りました。
そして小さい体ながら、
とにかく土俵に長いことで続ける鉄人ぶりで、
長く人気を博しました。
今でいうと玉鷲です。
想い出に残る相撲は、
横綱・千代の富士との一番。
確か少し前に少し因縁めいたものがあったと思うのですが、
その当時の大横綱・千代の富士に対して、
いつものように寺尾は回転の速い突っ張りと動きの速さで応戦。
千代の富士は泰然自若としながら寺尾をつかまえると、
高々と吊り上げ、
そして土俵外に「投げ捨て」ました。
決まり手は「つり出し」だったか「つり落とし」だったか定かではありませんが、
横綱が怒りをあらわにして(?)寺尾を土俵外に投げ捨てた一番は、
その当時大いに話題をさらいましたね。
小さい体で常に闘志を前面に出し、
土俵を務める姿はホント、
人気がありました。
引退後も、
相撲同様にきっぷのいい物言いは大人気で、
NHKの解説席にもたびたび座り、
解説をきかせてくれていましたね。
弟子の阿炎などを語るときは常に厳しく、
厳しい親方の一面を見せてくれていました。
昨年来、
なんだか元気がない様子が伝えられ、
入院なども伝えられていましたが、
やはり持病の心臓が致命傷となってしまったのですね。
本当に、本当に残念です。
寺尾さんの3兄弟も、
みな60歳前後で逝ってしまいました。
思えば、
大横綱の千代の富士も、北の湖も、
そして理事長だった魁傑も、
みんな60代前半の、本当に早逝ではありました。
力士は現役時代から体にとんでもない負担をかけていますから、
早逝の人が多いのですが、
寂しいことですね。
しかし土俵上から、
我々ファンに夢を与え続けてくれた雄姿、
決して忘れることはありません。
ありがとう、寺尾関。
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