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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

最も印象に残った球児   35.兵庫

2012年09月11日 | 高校野球名勝負

◇もっとも印象に残った球児

35.兵庫



金村 義明   投手  報徳学園   1981年 春夏  


甲子園での戦績

81年春   1回戦    ●   3-5   大府(愛知)
    夏   1回戦    〇   9-0   盛岡工(岩手)
        2回戦     〇   4-1   横浜(神奈川)
        3回戦     〇   5-4   早稲田実(東東京)
        準々決勝  〇   3-1   今治西(愛媛)
        準決勝    〇   3-1   名古屋電気(愛知)
        決勝     〇   2-0   京都商(京都)



兵庫の最も印象に残った選手は、
どちらにしようか迷いに迷いました。

報徳の金村と、東洋大姫路の松本です。

両者ともに豪快無比な選手で、
見事に夏の甲子園で全国制覇を果たしました。
どちらの選手のストーリーも遜色はなく、
まさに『どっちも選べない~』状況でしたが、
インパクトの点で若干上回る金村を、最終的には選んでみました。


『大型チーム』
と定評のあった昭和56年度の報徳学園のチーム。
しかし秋の近畿大会では、
選抜で優勝するPLに苦もなくひねられて早期敗退。

選抜の吉報は微妙なところでしたが、
地元ということもあり選出されて春を迎えました。

しかし自信を持って臨んだ選抜の初戦で、
報徳は思い知らされることになりました。

相手は大会屈指の剛腕と言われた槙原(大府)。
後に巨人入りするこの怪物を相手に、
同じく怪物と言われた報徳の金村は力を発揮することなく敗れ去りました。


その悔しさが原動力となって力を上げて臨んだ夏。
報徳の金村は、
甲子園に新たなる『怪物伝説』を作ります。

初戦を圧勝で臨んだディフェンディングチャンピオン・横浜との一戦。
横浜は昨年の優勝メンバーを3人残し、
大型ではないがまとまり戦いにくいチームでした。

報徳は前半横浜を捕まえきれませんでしたが、
中盤に待っていた金村の特大のHRで先制。
そして追い上げられるとすかさず、
またも金村のHRで突き放しました。

金村はこの大会、
『振ればヒット』
の絶好調状態をキープ。

最後の最後まで、
チームを牽引していきました。

そして迎えた、
荒木大輔擁する早稲田実との優勝候補決戦。

荒木の老獪なピッチングと早実の巧みな野球に翻弄されていた報徳が追い上げを開始したのは、
追い詰められた9回裏。

金村の内野安打からチャンスを作り、
ヒットを連ねて荒木を捕らえ、
3点さをあっという間に跳ね返して同点に追いつきました。

地元報徳ということもあって、
この時の甲子園の雰囲気、
ものすごいものがありました。

小さな9番・浜中の同点タイムリーには、
震えました。

最後は延長10回、
主砲金村がレフトフェンス直撃の2塁打で出塁すると、
西原がレフトへサヨナラ打で決着。

荒木を倒した報徳は、
その後も藤本の今治西、
工藤の名古屋電気と倒して決勝へ。

決勝は”沢村2世”と言われた小さな大投手・井口を擁する京都商。
久々の関西決戦に、
スタンドは大いに盛り上がりました。

終盤まで0-0で迎えた7回裏。
ついに報徳打線が井口を捕らえて先制。

そのまま2-0で逃げ切って、
嬉しい夏の選手権初制覇を達成しました。

この大会、
とにかく【金村大会】と言われたほど、
金村の打棒が光った大会でした。

しかし忘れてはならないのが、
マウンドに登った金村の安定感。

スラッガーとしてだけではなく、
エースとしての金村は本当に安定感抜群。

無駄な四球は全く出さず、
ここぞという時には低めのキレのある球がコーナーいっぱいに決まりました。

準々決勝からの3試合を計2失点。

やっぱり金村も、
”最後の3試合”で強烈な光を放ちました。

それにしても、
この年の報徳は『サムライ軍団』の風情いっぱい。

そしてその5年前に県勢で全国制覇した東洋大姫路も、
エース松本を中心としてサムライぞろい。

この頃の兵庫県のチームは、
大型で『ごっつい』チームが多かった印象がありますね。

その意味では、
最近の兵庫勢、
ちょっとおとなししめのチームが多いかな、という印象です。

また金村に負けないぐらいの、
大型チームの出現をお待ちしています!


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1 コメント

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強い兵庫の時代の象徴でした (なにわのヒバゴン)
2015-04-22 23:18:31
こんにちは。懐かしいですね。今春は33年ぶりにセンバツ代表を送り込めなかった兵庫勢がもっともインパクトを残していた時代。。。松本の東洋は最強と謳われながらも最後の夏ようやく真価を発揮した印象でした。2回戦からの登場だったのも智弁や星稜、早実、広島商らに比べてラッキーだった気がしますが。千葉商、浜田を連続完封したことで磐石のチーム力がより完璧に研ぎ澄まされ頂点へと駆け上がりましたよね。金村の報徳ですが、私はセンバツの大府戦で敗れたとはいえ彼が一発を放つなど槙原から10安打した打線の迫力はホンモノだと感じていました。ただ投手金村が夏にあれほどの安定感で相手校を牛耳っていくとは予想以上でしたけどね。横浜の夏連覇を阻み、人気者荒木早実を打倒。この辺りで地元報徳に優勝への期待、勝運が一気に傾いた感が私には強いです。甲子園のリアル地元の西宮ですし、報徳の夏初制覇は盛り上がったことでしょうね。沢村二世と話題になり決勝まで進出した京都商井口投手の躍動感あるフォームも鮮明に記憶に残っています。育英の優勝から22年、そろそろお膝元兵庫に深紅の大旗奪還を期待したいですね☆
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