≪第87回選抜高校野球大会≫
【第3日】
第1試合 敦賀気比 3-0 奈良大付
第2試合 仙台育英 12-0 神村学園
第3試合 浦和学院 2-0 龍谷大平安 (延長11回)
前日までとはうって変わって、
肌寒かった甲子園。
しかしその寒さを吹き飛ばすような熱戦が、
第3試合で展開されました。
対戦カードは浦和学院vs龍谷大平安。
このカード、
そう、一昨年のセンバツ覇者と昨年のセンバツ覇者の対戦。
こんなものすごいカードが初戦から実現して、
甲子園は平日の午後だというのに、
かなりのお客さんで埋まっていました。
龍谷大平安のエースは昨春の優勝投手である剛腕高橋。
足を高く上げるトルネード投法から、
140キロ台の速球と鋭く曲がるスライダーを駆使して打ち取る【剛の投球】が持ち味。
一方の浦和学院のエース江口。
同じ左腕投手ですが、
こちらは130キロに届くか届かないかの速球を早く見せる投球術に長け、
コンビネーションとピンチでの強気の投球が持ち味の【柔の投球】で打ち取る好投手。
浦学の一昨年、平安の昨年のチームのイメージを思い浮かべると、
『両校ともに強打のチーム』ですが、
今年はしっかりとした投手力をバックの守りが盛り立てるロースコアを得意とする両チーム。
そんな両チームの持ち味が十分に発揮された、
予想に違わぬ好ゲームとなりました。
ヒットの数は浦学が多いものの、
チャンスは平安が作り出すという序盤の展開。
しかし厳しい場面で、
浦学の今年の金看板である『内野の守り』が”炸裂”しました。
2回の1死満塁では、
鍛えられた二遊間が併殺を完成。
そして6回1死3塁では、
難しいサードゴロをホームで刺し無得点に。
とにかくその鍛えられた守備は見事。
堅くなるような場面でしっかりと仕事ができるこの内野陣は、
高校レベルでは『最高級』の輝きを放っています。
一方龍谷大平安のエース高橋投手。
ピンチらしいピンチも作らせず散発に浦学の強打線を抑え込んでいましたが、
9回はノーアウトからヒットで先頭打者を出してピンチ。
しかしここで、
平安も相手のバントを読んで1・3塁手が猛ダッシュをかけて相手にプレッシャーをかけ、
つよめのばんとをとったたかはしから1-6-3と渡る見事なダブルプレー。
こちらも『さすがはディフェンディングチャンピオン』
という素晴らしさを見せてくれました。
接戦の全くなかった今大会。
9試合目で初めての接戦となったこの試合、
延長になって浦学が2死2塁のチャンスをつかみ、
ここで前の打席でもヒットを打っていた7番荒木がタイムリー。
続く8番西野にもタイムリーが出て2点を挙げ、
試合を決めました。
荒木との勝負を選択した平安バッテリー。
その荒木の打席で2塁ランナーとのエンドランをかけてきた浦学のベンチワーク。
駆け引きの妙もあって、
本当にレベルの高い試合でした。
勝負の行方は、
まさに紙一重でしたね。
両チームの戦いぶりは、
まさにあっぱれ!の一言です。
素晴らしいゲームでした。
第1試合、第2試合では、
優勝候補が立て続けに登場。
鮮烈な印象を残して『顔見せ』を行いました。
第1試合の敦賀気比のエース平沼は、
奈良大付をわずか1安打無四球で完封。
途中までのピッチングを見ていたら、
『ひょっとするとパーフェクトやっちゃうかも?!』
と期待を膨らませるような、
見事な安定感抜群のピッチングでした。
第2試合の仙台育英は、
看板の強打は『その通りだ』と思わせるし、
エースの佐藤は『速いなあ』と思わせるし、
まさに【優勝候補筆頭】に挙げられるチームそのものの力を見せてくれました。
この両チーム、
2回戦で対戦です。
平沼vs仙台育英打線
佐藤vs敦賀気比打線
たくさんの見どころのある、
力のこもった戦いになりそうです。
ということで甲子園。
連日晴天に恵まれ、
戦いの方も本格化してきましたね。