京都だけではなく、
全国の高校野球関係者が、
『甲子園に出てきてくれないかな?でも、まあ難しいだろうな』
と思っていた学校、
それが第一回大会優勝校の、
京都二中の流れをくむ鳥羽高校。
その鳥羽高校。
名将・卯瀧監督に率いられ、
2000年の春には選抜で4強、
その夏にも選手権出場など、
強い時期もありました。
しかし練習環境に恵まれた私学に徐々に押され、
近年は甲子園まで届くことはない学校でした。
今年も京都大会が始まる前、
『鳥羽が出てきたらいいな』
という、いわゆる”希望的観測”でダークホースには上がっていましたが、
京都には龍谷大平安という”ゴリゴリのV大本命”もいましたし、
その他にも選抜出場の立命館宇治や、福知山成美といった強豪がゴロゴロ。
とても甲子園までは・・・・・・というのが世間の見立てでした。
しかし。。。。。
昨日代表を決めた早実と同じく、
鳥羽も『何としてもこの大会だけは・・・・』という気持ちが強かったのでしょう。
そしてそれを上手く力に変えて、
激戦の京都大会を勝ちぬきました。
甲子園に、
たどり着いてくれました!!
あの『京都二中』がやってくるなんて、
こりゃあ甲子園、
盛り上がりますよ!
そして激戦の神奈川では、
こちらも”名将”横浜の渡辺監督が、
最後の大会で決勝までたどり着きました。
用意された舞台には、
40年来のライバルである、
東海大相模が上がってきました。
東から東海大相模、
西から横浜高校。
両大横綱の、
千秋楽結びの一番での、
相星決戦という風情です。
こりゃもう、
ワクワクを通り越して、
胸が張り裂けそうです。
どんな試合になるのでしょうか。
大会前は圧倒的な東海大相模の戦力が、
横浜を寄せ付けないだろうと思っていましたが、
横浜は近年にはない『大会の中での成長』を見せてここまで上ってきています。
エース藤平は、
さすがは元”侍ジャパンU-15”のエース。
もうその速球は145キロを優に超えて、
唸りながら打者の手元で伸びてきます。
そして4番の公家のほかに、
1番に清宮と並ぶ”スーパールーキー”増田を配しています。
下級生中心のチームなので、
まだまだかつてのチームと比較すると”横浜らしからぬ”ミスも頻発していますが、
勢いという面では、
ものすごくあるチームです。
そして最後の大会を迎え、
渡辺監督が本当に楽しそうに采配を振るっている姿が印象的です。
『笑顔の采配』というと、
済美の上甲監督をはじめ、
旧いところでは箕島の尾藤監督、
そして大垣日大の阪口監督なんかが思い浮かびます。
彼らのベンチで見せる笑顔は、
ワタシが見たところなんだか『戦略的に作った笑顔』に見えてしょうがなかったのですが、
今年の渡辺監督のベンチで見せる笑顔というか、
穏やかな表情は、
そんな『戦略』などを超越した、
本当のホンモノの穏やかな表情に見えます。
例えるならば、
『孫の活躍を見守るおじいちゃん』
の、
すべてを受け入れると言おうか、
なんとも穏やかで素晴らしい表情なのです。
あの『闘将』という言葉がピッタリの、
ベンチで見せる気合満々の顔がイメージとして残っているだけに、
今年の渡辺監督の表情には、
なんだか郷愁を感じさせると言おうか、
とても素晴らしいものを感じてしまいます。
対する東海大相模の門馬監督。
こちらは、
『渡辺監督の時代の幕を引くのはオレ』
という意識が強いように感じます。
圧倒的な戦力を抱えて、
盤石な戦いぶりを見せているように見えますが、
『追われるものの苦しさ』
をそこかしこに垣間見せてくれています。
しかしそれも昨日の勝利で吹っ切れたでしょう。
渡辺・横浜に最後にドーンとぶつかっていくという意識になれば、
それこそ『強い強い東海』の試合が見せられるものと思っています。
神奈川の『決戦』はこれ以上のない舞台となりました。
雨の予報も出ていますが、
いい気候のもと、
この落日決戦が行われることを、
祈念しています。
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