松永玲一氏が死去。 会ったことはないけど・・・・ワタシに高校野球のすべてを教えてくれた恩人

～日刊スポーツから～
1984年ロサンゼルス五輪の公開競技だった野球で、日本代表を監督として金メダルに導いた松永怜一（まつなが・れいいち）氏が12日12日午前2時51分、老衰のため、横浜市内の病院で死去した。


そのニュースを聞いて、
本当に寂しさからため息が出てしまいました。


あの松永玲一さんが死去したというニュースです。
松永玲一さんといえば、
もちろん監督としての功績も高い人なんですが、
ワタシや多くの昭和の高校野球ファンにとっては、
「ＮHKの高校野球解説者」
としてよく知られた人ですね。


ワタシについていえば、
子供のころ、
解説者といえば
「高校野球なら松永玲一、池西増夫」
「相撲なら神風、玉の海」
と相場が決まっている感じでした。

ワタシは関西圏で暮らしていたわけではないので、
高校野球放送といえばＮＨＫしかありませんでした。

子供のころは何しろ、
甲子園の高校野球が始まれば、
朝から晩までどっかりとテレビの前に座り、
テレビを占領してず～～～～～っと見ているというのが定番。

本来はアウトドアの人間なんですが、
8月の大部分はほとんど外出もせず、
家の中に居続けるというのが「ワタシの夏休み」でした。
（もちろん春休みのセンバツも）


そんな中で、
昭和40年代～60年代終わりまで、
ワタシの「高校野球人生」を彩ってくれたのは、
なんといっても松永玲一さんと池西増夫さんでした。

率直に「悪いところは悪い」といい、高校野球の面白さを語ってくれた松永さん、
あくまでも選手の批判はせず、褒めることを中心にその素晴らしさを解説した池西さん、
このお二人の解説が、
ワタシの「高校野球観」に多大なる影響を及ぼしてくれました。

お二人ともに卒寿を迎えられ、
ますますお元気に・・・・・と思っていたところ、
この訃報が届きました。

死因が老衰ですから、
見事にその生を全うされたという事なのですが、
言い知れない寂しさを感じてしまって、
どうしようもありません。


松永玲一さんの解説、
まあ、子供のころというのはテレビから流れてくる言葉を盲目的に信頼していたという事もあるのですが、
松永さんの言葉の一つ一つに、
本当に「その通りだ」「さすがは松永さん」なんて思うことがしばしばありました。

松永さんも池西さんも、
まさに「ワタシの先生」という感じで、
ロス五輪の監督に松永さんが決まった時のも、
「そうだろうそうだろう。やっぱり松永さんしか、ないよなあ・・・」
なんて深くうなずいたものでしたね。

そしてそのロス五輪で、
まさかまさかの金メダル獲得。

まだプロが国際大会に出てくる時代ではなかったので、
日本もアマチュアチームとしての編成でしたが、
あのオリンピックでの日本チームには、
本当にコーフンしました。

やっぱり「野球の国」であるアメリカでやったオリンピックの野球は、
なんというか「別もの感」があってコーフンしましたね。

何しろスタジアムがいいし、
観客もいわゆる「練れている」感がありましたしね。

ロサンゼルスとアトランタのオリンピックでは、
いずれも日本が決勝に進出しましたし、
思い出深い大会です。

ロス決勝の広沢のホームラン、
まさに「大絶叫モノ」の瞬間でした。
公開競技ではあったものの、
日本は「最初のオリンピック」で優勝しているんですよね。

ちなみにWBCでも、
日本は「最初のＷＢＣ」で優勝しているし、
なんというかやはり我々の日本代表、
やるときゃやる！！！！

さて、
そんなロス五輪でチームを率いて優勝した松永監督。
選手全員が甲子園に出場し、あるいは目指した元球児ばかりで、
その「元高校球児たち」の集まりを「高校野球の重鎮」松永玲一さんが指揮して世界一。

それがワタシをとてもとても、
コーフンさせてくれました。
もう38年も前の話なのですが、
まるで昨日のように思い出す瞬間ですね。


長きにわたり野球界に多大な影響を及ぼしてきた松永玲一さんは、
07年に野球殿堂入りを果たしています。

ワタシの「先生」として、
長きにわたりありがとうございました。
あの冷静かつ的確な解説が、
まだ耳の中にこだましています。

こういうニュースは、
本当に寂しいものです。

合掌。