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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

滝澤夏央は、西武ライオンズのNextピノだ!

2022年05月14日 | プロ野球

金曜日と土曜日。

前の試合で屈辱的なノーノ―を食らった西武ライオンズ。
投手のみならず内野も外野も、
とにかくケガ人だらけでラインアップも組めない状況の中、
ひとつの決断を下しました。

育成契約だったルーキーの滝澤夏央選手を、
支配下登録することを決断。

しかしまあ、
育成選手が支配下契約するなんて言うことは、
特に大きなニュースでもなんでもなく受け流されがちなこと。

まあ、
2軍で頑張って、
ゆくゆくは1軍に上がってこれればいいね・・・・・ってな受け止め方かな。

このニュースの主役、滝澤夏央選手は、
もうひとつ注目されるポイントがありました。

それは、
滝澤選手が現在の球界で一番身長が低い選手だという事。
164センチ、65キロ。

ユニフォームを着ると、
着るというより着られている感じで、
渡辺GMと並ぶとまるで大人と子供の様。
というか、
「ユニフォームを着た少年ファンが、サインでもねだっているのかなあ」
なんて風情です。


しかしこの滝澤選手、
キャンプ時から、
知る人ぞ知る「期待の選手」でありました。

動きがものすごくいいという事で、
ファンの間では「一流に育ってほしいなあ」というチームのトップ・プロスペクトの選手だったんですね。

そのことをワタシも知って、
キャンプ時から注目していました。

164cmで50m5秒8の俊足。
しかも玄人はだしの守備をするとあっちゃあ、
期待しないわけにはいかない逸材という立て付けで、
ワタシの心にも残っていました。

そして昨日。

滝澤選手は支配下登録と同時に、
1軍に登録されました。

「お~やったな~」

とは思いつつも、
「まあ、ベンチで1軍の雰囲気を味あわせるつもりなんだろうなあ。。。。。』
なんて感想を持つぐらいで、
まさかそれ以上のことは期待していませんでした。


が・・・・・



なんとなんと、
スタメン2番で起用されているではないですかあ。

不動の”日本一のショート”源田が離脱中であるとはいえ、
この英断は恐れ入りました。

たぶん辻監督の意向だけではなく、
松井ヘッド、平石コーチらの意向が、
色濃く反映されているという事でしょうね、たぶん。
これこそが彼らを1軍で重要なポストにおいている”功”の部分という事でしょう。

そしてこの滝澤。

昨日までは「半プロ野球人」あるいは「ただ今見習い中」という身であったものが、
一夜明ければ背番号は二ケタになるわ、
大観衆の前でスター選手たちとともに試合に出るわ、
大変な「忘れ得ぬ1日」となったのでした。


そしてこの滝澤選手、
「持っている」選手だと、
ワタシは思うんです。

ところで今年の西武。
抜けるわ抜けるわ選手が抜けまくりでオーダーが組めず、
『若手』と言われる選手たちがそれこそ入れ代わり立ち代わり、
1軍でチャンスを与えられまくっています。

しかし・・・・

ほとんどだれ一人として、
この彼らにとっての「千載一遇のチャンス」をがっちりつかむものは現れてはいません。

両手でも足りないと言ったら言い過ぎかもしれませんが、
数多の若手野手が「おらおら、もっと必死になってやれよ!!!」と指揮官に言われるほどのほほんとして、
与えられたチャンスに淡白なプレーばかりをし続ける始末で、
「おいおい、育成の西武って看板は、下ろした方がいいんじゃないの?」
なんて声がファンから聞こえてばっかりの始末。

そんななか、
育成からジャンプアップした18歳の164cmの若者が、
生き生きとプレーしているもんだから、
それだけで驚きを持ってみているワタシです。

金曜日のデビュー戦では、
「膝がガタガタ震えていた」
なんて言いながらしっかりと守備で堅実なプレーを見せてくれて、
『守備は1軍レベル』という評価をさらに上げてくれました。

そして1点をリードされた7回、
今度は足で魅せてくれました。

この回トップで打席に立った彼は、
詰まったセカンドゴロに全力疾走。

『おおっこりゃ速い!!!』

と思って見ていると、焦った楽天のセカンドが悪送球。
プロ入り初安打を放ち勇躍2塁に立った彼は、
次の外崎の三遊間ヒットで素晴らしいスタートを切り、
あっという間にホームに悠々セーフ。

実はこの日、
同じような三遊間の当たりで、
2塁ランナーの柘植が2度もホームで悠々のタッチアウトになっています。

『やっぱり足があるっていうのは、いいよなあ。。。』

という事でチームは同点に追いつき、
その後中村の決勝アーチで首位・楽天を破ったのでした。

そしてヒーローインタビューに立った滝澤選手、
少し照れながらもはきはきと、
嬉しそうにインタビューに答えていました。


『ああ、新しいヒーローが現れたなあ』
と思ったワタシ、
今日の試合も、「今日も滝澤、スタメンで起用されてないかなあ・・・・」
なんて期待して今日のゲームにチャンネルを合わせると。。


おお、今日も2番ショートでスタメンじゃないですか~~~。


という事で見始めた今日の試合。
今日は首位・楽天がその力を発揮して4-1と終盤までリード。

『ああ、今日はだめだなあ。。。。滝澤も今日はなあ、そうは問屋が卸さないなあ』

という事で最初の2打席は凡退。
でも、
今日もしっかりと守備では魅せてくれていました。

明らかに守備レベルでは、
チームでは源田の次に安心して見ていられるレベルを持っていると思います。


しかし今日は、
ここからが面白かった。


第3打席で通算2本目のヒットを打った滝澤。
7回に4-2と追い上げて2死1・3塁のチャンスに打席が回ってきました。

『さすがにここは代打か?』

なんて思っていると、
そのまま滝澤が出てくるではありませんか。

「お~そこまで期待されているんだあ」
となんだかうれしくなりながら見ていた彼のチャンスでの打席。


なんとなんと、
はっしと捉えた打球は、
セカンドの上をライナーで超え、
やや前進守備を取っていたセンターとライトの間をあざ笑うかのように、
フェンスまで転々。

歓喜の同点2点タイムリー3塁打となり、
チームは同点に追いつきました。

そしてそれだけでは終わらない。

次の外崎の打席で、
ピッチャーがワンバウンドの投球、
それをキャッチャーの銀二朗がはじくと、
滝澤はまさに脱兎のごとく、
いや、ファミスタのピノのごとく、
あっという間にホームを駆け抜けていました。

なんと、
同点を演出し、
逆転を自分の手で成し遂げるという大活躍。


「お~すげ~~~~~」

の大歓声の中、
ひょっとしたら2020年代、30年代の西武のスターが、
この日誕生したかもしれません。


Nextピノ、滝澤夏央。


彼はなんだか、
楽しみだぞ~~~~。

彼が1番に入るという夢を、
楽しく見ていたいと思っています。

いや~スゲ―奴が、
よく育成に残っていたもんだ。

千賀、甲斐などに続く、
育成出身のオールジャパン選手に、
なる可能性を秘めたナイスボーイです。


すっかり西武には見切りをつけていたはずが、
後ろ髪を引っ張られて、
グイッと引き戻されている感覚のワタシがいます。

今季はまだ、
試合に出続けるのは体力的にも難しいと思っていますが、
松井さん、平石さん、嶋さんなどに師事して、
打撃を鍛えればどえらい選手になる可能性を秘めています。

きょうもまた、
お立ち台で初々しくも「これからもチームの勝利のために頑張る」
とうれしいことを言ってくれたこのナイスボーイ、
応援していきまっせ。

という事で、
とっても楽しい金曜日、土曜日の野球観戦となりました。



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