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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

U-18野球ワールドカップを見て、考える。。

2017年09月12日 | 高校野球

U-18野球ワールドカップがカナダのサンダーベイで行われていました。
日本代表は健闘したものの、
最終的には3位で大会を終えました。

あの8月の夏の甲子園で活躍した選手を軸に、
予選で敗れた早実の清宮、履正社・安田ら多数の好選手を加えた『ベストの高校代表』で臨んだ大会でした。

毎度のことですが、
やはりワタシも大会の前には、
『彼らが日の丸をつけて、どんなプレーを見せてくれるのか』
ということに期待も大きいのですが、
終わってみるといつも疑問が頭の中に渦巻いてしまいます。

特に今年は、
あれだけ甲子園で猛打を誇った広陵の中村選手が打撃で苦しんだ姿を見たり、
花咲徳栄の清水や大阪桐蔭の徳山などが苦しい投球を見せたり、
秀岳館の二人、特に田浦があり得ないような連投を強いられたり。。。。。。

スーパーラウンドでのカナダ戦、韓国戦などで見せた彼らの、
本当に疲れ切った姿を見るにつけ、
『この大会って、日本の高校野球にとって、なんなんだろうか?』
という思いが強くなります。

勝った、負けたということだけ見れば、
やはり『勝ってほしい』と強く思うし、
【日本の高校野球は、世界NO1だ】
ということを疑いなく思っているワタシにとっては、
その代表チームが『負ける』というのは気持ちのいいことではありません。

しかしながら。。。

こんなにコンディションの悪い選手達に『国際試合』を強いて、
何かメリットってあるのだろうか?
ということが強く思われます。

夏の甲子園。。。。。

誰もが3年間、いや、
もっと前の、少年野球を始めたころから夢見た舞台だと思います。
『あのきらびやかな舞台で、活躍したい』
と高校で野球をやるものなら誰もが例外なく思っていると思います。

『俺の最終目標はプロ野球選手だ』
と思っている高校球児も多いでしょうが、
その彼らとて『甲子園なんかどうでもいいから、俺はプロに……』とは思っていないんじゃないかな?
『甲子園も出て、そのうえプロ野球にも入って』
というのが彼らのスタンダードな考え方だと思います。

3年生は『この夏』『この夏の大会』こそが『目指すべき大会』で、
そのためにずっと厳しい練習に耐え、
我慢に我慢を重ねてきたと思います。

この夏に向けて、
『自分のすべてを出し切る』ために、
コンディションも最高に整えて臨んでいることでしょう。

そしてこのU-18に選ばれる選手の半分以上は、
『その夏の甲子園大会』
に出場した選手たちです。

はっきり言って、
夏の甲子園に出て活躍をした選手で、
その後のU-18の大会も『引き続き絶好調』なんていう選手、
見たことがありません。
なるはずがないでしょう。
最大の『目指すべき大会』が終わったすぐあとなんだから。

みんな『夏の甲子園』で自分のすべてを使い果たして、
抜け殻のようになった状態なんではないでしょうか?


そこで『おい、お前U-18の代表に選ばれたぞ』と言われれば、
選手たちはプライドをくすぐられ『名誉なこと』と思いこそすれ、
『この大会にすべてをかける』
なんて選手、いるのでしょうかね?

ほとんどの選手は、
『疲れてどうしようもないコンディションだけど、選ばれたから頑張る』
ということなんじゃないでしょうか。

何しろ上位に進んだ選手たちなんか、
地元に帰る時間もままならないぐらいなんですから。


そもそもU-18で、
日本の高校野球関係者(高野連)は、
何を求めているのでしょうか?

もし本気の本気で『世界一』を求めているなら、
サッカーなどと同じように、
代表に選ばれて遠征に行く選手たちは、
その間チームでの活動には参加しない…ということにしないとおかしいのでは?

本気でこの9月からの大会で世界一を『獲りに行く』のであれば、
何次にもわたるセレクションを行い、
合宿を行い最終メンバーを決定し、
各選手を所属チームからは離れさせて事前にコンディションを整えさせ、
『チームとして仕上げる』必要があるでしょう。

ちょうどサッカーの各カテゴリーの日本代表がそうであるように。


そういう『チーム作り』をしないで、
中途半端に『日本代表』を名乗らせたうえ、
別建ての監督を用意して酷使。。。。。。。

なんだか体の部分でも心の部分でも、
まったく『日本代表』とは言えないアプローチではないかと、
思うのです。


スーパーな高校球児たちに、
『甲子園よりも、国際大会で日本代表に選ばれることの方が、意義のあることなんだ』
ということを納得させられないのであるならば、
現状あるような『日本代表』は、
価値のないものとなるのではないかと思っています。


サッカーなどのように『日本代表』になることが今後の彼らの選手生活で本当に大きな経験になるとか、
あるいはラグビーのようにキャップが与えられるとか、
そんな『価値ある日本代表チーム』というのが作れるのか否か?

それが作れないのであれば、
高校球児をこんなことで『浪費』させてしまうのは、
やめた方がいいのではないかと思います。

あんなコンディションで試合させられながら、
オリンピックとかサッカー・ラグビーなどのW杯と同じような『期待と責任』を背負わされている高校球児たちを、
なんというか本当に不憫に思います。

たまたま今年は甲子園出場が成らなかった早実の清宮選手は、
なんだか『日本代表のすべて』を高野連やマスコミに背負わされて、
負けてしまった結果に対して一人で責任を背負っているようなコメントを出されてしまいました。

彼は本当にマスコミ対応がよく、
『何を自分は期待されているのか』
ということを頭でも心でも整理できて、それに対応できる、
稀有な頭の良さを持った選手だと思います。

それゆえマスコミ報道などでは、
清宮をスポークスマンとして、
なんでも彼に背負わせるというマスコミの姿を感じざるを得ません。

彼は本当に『プロに入ったとしても、そうでない道に進んだとしても、間違いなくどこでもやっていける』
マインドを持った選手だということは強く印象に残りましたが、
それに乗っかりおんぶにだっこの日本の報道、
どうにかならんものでしょうかね。

またNUMBERあたりでは、
気鋭のライターたちがそのあたりを『チクり』とさしてくれそうですけど。。。。。。


いずれにしても、
今回のU-18の野球ワールドカップ、
またぞろ日本の野球界が中途半端なことをやったなあ。。。。。
そんな印象しかありません。


はっきり言っておきます。

選手たちは、
本当に本当に、
よくやったと思います。

それを【国際試合】としてわざわざ箔をつけて、
『甲子園に引き続くイベント』として選手に過酷な日程を強いた高野連、マスコミなど、
もう一度考え直してもらいたいものです。


かつては甲子園の夏の大会に参加した球児たちは、
その優秀な選手を選抜して『選抜チーム』を結成し、
あくまでも『親善試合』としてアメリカやアジア、ブラジルなどに派遣していました。

その時は、
あくまでも参加する大会は『ご褒美大会』であって、
選手たちに対する【ご褒美旅行】の色合いが濃いものでした。

それゆえに、
夏の大会終了後にバタバタと急いで出発する選手たちも、
一様に『いい表情』をしていて、
宿泊先などのスナップなどでも、
『これまでできなかったいい旅行』といったリラックスした表情が多かったように思います。


それが今では、
精根尽き果てた中で集められて、
しかも『絶対に勝て』とはっぱをかけられているもんだから、
リラックスした『いい表情』なんて、
ほとんど見ることができません。

中村選手があんなに疲れ切った表情をしていたり、
田浦投手が連投を強いられて苦しそうな表情をしたり、
最後は清宮選手が責任を取って泣いてみたり。。。。。。


おい、高野連。

これがあんたたちの大好きな『教育的配慮』か?!

もう本当に、
疑問ばかりが残る大会でした。

これからもこの大会に、
こういった形で参加していくんなら、
せめてマスコミも『優勝、優勝』とプレッシャーをかけないようにね。

それより高野連は、
そろそろ大会を木のバットに戻す・・・ってことを真剣に考えた方が、
いいんじゃないでしょうかね?

金属バットはもうアマチュアの世界でも、
国際大会で使われることはないんだから。。。。。
シニアの大会ぐらいまでにして、
高校では木のバットに戻すこと、検討してみたら?

経済的な理由???

春夏の甲子園大会であれだけ儲けているんだから、
それを全国の高校野球部に、
還元しなさいよ。

それができないんだったら、
高体連の下部組織に収まったらどう?

いろいろと頭の中で文句が渦巻いている、
ワタシです。


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