≪SUPER FLY≫ ~米国カリフォルニア州カーソン~
◇WBC世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級1位
シーサケット・ソールンビサイ(タイ) ○ KO ● ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
4回1分18秒
◇WBO世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級7位
井上尚弥(大橋) ○ TKO ● アントニオ・ニエベス(米国)
6R終了
◇WBC世界Sフライ級挑戦者決定戦 12回戦
同級3位 同級2位
ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ) ○ 12R 判定 ● カルロス・クアドラス(メキシコ)
114-113(3者とも)
井上尚弥のアメリカデビューは、
見事なTKO勝ちでした。
挑戦者のニエベスは、
6R終了時点でコーナーに戻って戦意喪失。
井上はアメリカのリングが初めてとは思えないほど落ち着いていて、
1Rから左右の連打で試合の主導権を握ると、
相手には何もさせずに5Rには左ボディでダウンを奪いました。
5R中盤からは、
とにかく相手はロープを背に逃げ回ってばかり。
井上尚弥にしては珍しく、
両手をあげて挑戦者を『向かって来い!』とばかりあおるというシーンもありました。
まあ、はっきり言って実力差がありすぎましたね。
井上としては今日の戦いを『70点ぐらいかな』と評していましたが、
若干フラストレーションがたまる戦いだったことでしょう。
しかしながら、
アメリカのファンにその実力の一端を見せたということでは、
良かったのではないでしょうか。
そして今日の戦いでは、
『まだ井上は底を見せていない』
ということもファンの頭には植え付けたでしょうから、
ますます『もっと井上尚弥を見てみたい』という欲求を生み出すのではないかな?と思います。
そしてこの日のメイン、
シーサケットとロマゴンの再戦は、
思いもよらないまさかの結末でした。
あのロマゴンが、
大の字でマットに這うなんていう姿、
だれが予想したでしょうか?
3月の初戦は、
『ロマゴンが勝っていたのに、判定でシーサケットが王座を持って行った』
という評も多く、
この日の再戦では『ロマゴンがきっちりとお返しをするはず』と予想されていました。
賭け率にも、そのことは現れていました。
しかし。。。。
やっぱりボクサーにとって、
1勝、1敗というのは記録に残る以上のインパクトがあるということなのでしょうか?
シーサケットは明らかに自信を持って戦っていて、
『ロマゴン』という名前や幻影に、
惑わされることなく自分の戦いをやり切ったような気がします。
逆の1つの負けが、
ロマゴンから自信や冷静さ、
それ以上の目に見えないいろいろなものを、
持ち去っていってしまった……みたいに見えました。
何度も何度もロマゴンの試合を見ましたが、
『あのロマゴンが・・・・』
と何度思ったかわからない、
この日のファイトでした。
もうこの階級での再起は、
ひょっとしたら難しいかもしれませんね。
ひと階級下のフライ級が、
彼の『適正階級』だと思います。
そして井上尚弥は自身の『適正階級』であるバンタム級への転級を遅かれ早かれするでしょうから、
長いこと待ち焦がれていた『ロマゴンvs井上尚弥の頂上対決』という夢は、
この日で幻の彼方へ消え去ってしてしまったということでしょうね。
やっぱりビッグファイトというのは、
タイミングが合わなければ実現はしないのですね。
いずれにしても、
明暗を分けたこの日のファイトとなってしまいました。
井上尚弥のこれからの路線、
気になりますね。
この日のファイトの結果、
次にはシーサケットvsエストラーダという対戦が組まれることでしょう。
井上はこの勝者との統一戦に向かうのか?
それとも『そこまで待ってはいられない』ということで、
早めにバンタム級への転向をするのか?
ワタシは早めのバンタム級へのがいいのではないかと思いますが、
シーサケットとの戦いも見たいなあとは思ったりして。。。。
複雑です。
しかしもし戦わば、
明らかに井上の方が実力は上だと思いますね。
既に厳しくなっている減量さえうまくいけば、
問題はないと思います。
彼は動きの速さやディフェンスはスーパーフライ級の誰よりも速く、堅く、
パンチ力は2,3階級上の威力がありますから、
恐れるものは何もないと思います。
今後がますます楽しみになってきた、
【日本の至宝】の海外初挑戦でした。
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