『凄かった』
その言葉しか浮かびませんね。
大相撲九州場所。
この1年納めの大事な場所も、
光ったのは大横綱・白鵬でしたね。
本割での琴欧州をこともなげに破り、
決定戦でも勢いに乗る豊ノ島を問題にしませんでした。
素晴らしい優勝を、
5連覇という金字塔を打ち立てて飾りました。
激動の1年を締めくくる、
見事すぎる千秋楽だったと思います。
それにしても、
いろいろなことがある九州場所でした。
白鵬は、
2日目に敗れて連勝記録が63で止まったあと、
厳しい状況を乗り越えて再び千秋楽まで≪誰にも負けませんでした。≫
その精神力、
大きな拍手を贈ります。
千秋楽の優勝決定戦まで優勝の興味をつないだ豊ノ島。
見事な健闘でした。
来場所は関脇に上がる予定。
"一皮向けた"相撲っぷりで、
更に上を目指してください。
さて、
今年1年の大相撲を振り返ると、
実にさまざまなことがあり、
大変な1年となりました。
白鵬の連勝記録以外は、
話題は常に土俵の外にありました。
年明けから、
理事の選挙で貴ノ花親方が造反するだの何だの・・・・・・
ここから何か歯車が狂った相撲界は、
歯止めの利かない暴走を始めます。
初場所で優勝した朝青龍は、
一般人への暴行の責を問われ、
その初場所で引退に追い込まれました。
前代未聞の大騒動でした。
同時に大関・千代大海も引退。
そしてあの忌まわしき【賭博事件】が明るみに出ます。
結局この事件で、
大関・琴光喜に元貴闘力などが、
"永久追放"処分を受けました。
暴力団との関係を取りざたされた大相撲は、
名古屋場所でNHKから【本場所中継の自粛】を言い渡されてしまいます。
=本場所のテレビ中継がない=
というテレビ放送始まって以来の事態に、
関係者は慌てふためき、
ファンは離れていきました。
定番だった【満員御礼】の垂れ幕が下がるのも、
場所中3~4日程度となり、
世間の興味の的から外れるという寂しい事態。
【相撲は国技足りえるのか】
がかしましく論議される事態にいたり、
その傷はまだ癒えているとはいえないでしょう。
そんな国技・大相撲を、
ひとりで体を張って支え続けたのが、
大横綱・白鵬といえるでしょう。
既にその心技体は、
過去のどの大横綱ともそん色ないほどに、
素晴らしく充実しきったものになっています。
『来年の抱負は、自分の名前"翔”のように、飛翔していくこと』
と応えたこの横綱に、
文句などあるはずもありません。
ニュースではちらりと、
『もうひとり横綱が出てきて欲しい』
と本音を漏らしていましたが、
ライバルの存在はこれからの彼の相撲人生を支えていくでしょうね。
このままの状態が長く続くことにより、彼が
『燃え尽き症候群』
に陥ることがないか、というのが一番の心配です。
類稀なる身体能力に、
見事なまでの精神力を兼ね備えた白鵬。
こういう人の相撲が見られて、
本当に幸せだと思っています。
ゆっくり疲れを癒し、
また日本の国技・大相撲を支えていってください。
お疲れ様でした。