≪春季高校野球関東大会≫ ~山梨~
【第2日】
◇2回戦
浦和学院 (埼玉1) 7×-0 帝京三(山梨3)
東海大相模(神奈川1) 9×-2 甲府工(山梨2)
作新学院 (栃木2) 11-6 日大三(東京1)
佼成学園 (東京2) 5-4 東海大甲府(山梨1)
初夏の・・・・・・というよりも、
夏の大会かと思うほどの”灼熱の太陽”の元で行われた関東大会。
例年土曜日に開会式が行われすぐに試合が始まりますから、
土曜か日曜、
どちらかに足を運ぶことが多い高校野球ファンです。
今年の開催場所は甲府。
『う~ん、遠いなあ』
と思わないでもありませんが、
考えてみれば我が家からは、
北関東3県はもちろんのこと、
埼玉の大宮公園や千葉のマリンなどと比べても、
車で行けば大差ないところに位置しています。
ということで、
熟考の上、
日曜日に観戦に行ってきました。
何しろこの日のカード、
高校野球ファン垂涎のものばかり。
まず第1試合で、
選抜4強にして『関東で一番強い』浦和学院が登場。
第2試合は、
ドラフト候補の投手二本柱を擁する東海大相模の試合。
そして第3試合は、
日大三と作新学院という、
近年『ほとんど甲子園を外さない』強豪同士の対決となりました。
そしてこの日は、
ほかの春季地方大会ではありえないような『4試合日』。
地元の東海大甲府が登場しました。
会場は初めて訪れた山日YBS球場。
甲府市の中心の小瀬公園中にある球場です。
何とも地方球場然としたいい球場で、
こういう球場で日がな1日高校野球観戦をするのが、
ワタシの最も至福の時間です。
試合は第1、第2試合では、
浦和学院、東海大相模が貫録を見せていずれも7回コールド勝ち。
共に『サヨナラコールド』で、
その瞬間盛り上がりましたね。
今年の関東勢を引っ張る存在と早くから言われていた両校。
浦和学院はこの日、
選抜で好投を見せチームを4強まで引っ張り上げたエース江口が先発。
やはり江口が投げると試合がピリッとしまったものとなり、
浦学の攻守にどっしりとした安定感を醸し出しました。
帝京三のドラフト候補にして最速145キロの速球派、茶谷を早々と攻略した浦和学院は、
その後やや試合を”流してしまった”印象はあったものの、
主導権は譲らずキッチリと7回で締めました。
第2試合で登場の東海大相模は、
小笠原・吉田の2本柱はこの日は”お役御免”でベンチに待機。
この春伸びてきた2年生左腕の山田がチェンジアップを駆使して甲府工打線を抑えると、
打線は初回から小刻みに得点を加えてこちらも7回コールド勝ち。
勝ち進んでいけばこの大会、
4強で激突する両校だが、
力は言うまでもなく『全国屈指』のレベルを持っていると見ていいでしょう。
夏の甲子園に出場しても、
大会の入りがよく『ハマれ』ば、
真紅の大旗に近いところまで行ける可能性は十分にあると感じさせる、
この日の戦いぶりでした。
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第3試合はこのところ【夏の甲子園の常連】の両チームの対戦。
日大三は昨年こそその道を譲ったものの、
2011年~2013年まで3年連続西東京の夏を制覇。
並ぶ者のいない『西東京の覇者』だ。
作新学院は、
2011年~2014年まで4年連続出場を継続中。
今年も最有力に間違いない。
この日の試合は、
予想され、また期待されもしていた『ガチンコの打撃戦』。
両校ともにその振り切る打力の凄さは全国にとどろき渡っているが、
この日も春の段階ながらその破壊力のすさまじさには舌を巻いた。
特に1点ビハインドで終盤を迎え、
マウンドに日大三のエース・田村が上がってからの作新打線の凄さは際立った。
田村は速球が計測表示では140キロ台を連発。
最速は145キロが出ていたが、
作新打線は『待ってました』とばかりその速球に合わせてバットを振り抜き、
速い打球が次々と野手の間、上を次々に抜けて行った。
あっという間の逆転。
結局作新は終盤の3イニングで7点を挙げ、
日大三との強打対決を制した。
敗れた日大三は、
東京で通用していたことが作新には通用しなかった面が多く、
かなりダメージの残る敗戦だった感じがする。
しかし持っているものは超一流というところは、
昨日の試合を見ても感じたところ。
昨秋の東京大会でのコールド負けから、
冬場に鍛えてこの春は東京と優勝までチームを上げてきた。
ここ3年ほど、
なかなか甲子園で自分たちの戦いが出来ないチームだが、
夏までの上積み次第では、
今年はその殻を破り【伝説の2011年チーム】に近づくことができる可能性も十分にある。
そんなことを感じた一戦だった。
第4試合は、
関東でも力は上位と目される地元・東海大甲府が、
佼成学園・小玉投手の力投の前に敗れ去るという波乱の試合となった。
山梨県勢はこの日3校登場。
力では県勢の中でも群を抜いている東海大甲府に期待が集まり、
たくさんの学校関係者やファンも訪れていたが、
期待に応えることは出来なかった。
東海大甲府にとっては、
昨年の甲子園などでも見られたが、
『力はあるのに。。。。。負ける相手じゃないと思われるのに。。。。。』
という試合展開。
どうしてか東海大甲府は、
こういった試合が多いという印象がある。
勝った試合では隙を見せずに『このチームは本当に強いな』と思わせてくれるのだが、
自分たちの試合展開にならなかった時に、
どうしてももろさをのぞかせてしまう印象だ。
このあたりを克服しないと、
県大会は勝ち抜けても甲子園での上位進出は難しくなってしまう。
殻を破りたいところだ。
佼成学園は、
小玉投手が先発しなかった東京都大会の決勝で、
日大三になんと25失点をしてしまいそのダメージが心配されたが、
やはり小玉投手が投げるとピリッと締まるゲームができるチームだ。
昨日も相次ぐ失策に足を引っ張られながらも、
淡々と投げ続ける小玉投手の姿が印象的だった。
『小さな大投手』
の系譜を継ぐ好投手だ。
ということで、
朝8時半から夜7時半過ぎまで。
およそ11時間に亘る、
【関東春の陣】。
武田信玄の眠るこの甲府の地で、
熱戦が展開されました。
熱戦はまだ、
水曜日まで継続中。
ここからは、
夏を見据えて『いい材料』を残しつつ『課題』も見つけるというところに主眼が置かれた戦いとなります。