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第96回全国高校野球選手権大会 予選展望6 ≪九州≫

2014年06月29日 | 高校野球

≪第96回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望6 九州 -




【福岡】(参加135校)
強豪3校が激しいバトル。西短、東福岡、九国はいずれも全国レベルの、力勝負が展開される。 

◎ 西日本短大付 東福岡 九州国際大付
〇 筑陽学園 柳川
△ 自由が丘 東海大五 
▲ 田川 福岡工大城東 飯塚

例年にも増してキラ星球児が多く、激しい戦いが展開しそうだ。そんな中で、ドラフト候補のエース小野を擁する西日本短大付、全国NO1捕手との評判も高い強打の捕手・清水を擁する九州国際大付、そして春の県大会を制した東福岡が3強を形成する。3校の差はほとんどない状態で、どこが激戦を勝ち抜いても全国の舞台でも優勝候補に挙がるとみられるレベルの高さだ。西短は秋、春ともに県大会では決勝で泣いており、3度目の正直にかける意気込みは高い。小野は打っても県内屈指のスラッガーで、4年ぶりの夏をつかむには彼の活躍が欠かせないところ。一方の九国は清水を中軸に据えた打線の破壊力がすさまじい。投手陣に今一つ信頼感が乏しいものの、3年ぶりの夏をつかみ取る3強の中でも可能性は一番高い。今夏で退任の若生監督へのはなむけの年とできるか。東福岡は春の県大会を制覇。守り勝つ野球に磨きがかかって、激戦の県大会でも一定のめどは立った。あとは上位での対戦で打線が爆発力を見せれば、聖地へぐっと近づく。3強以外でも、エース笹渕がいい筑陽学園が久しぶりの代表を狙えば、名門・柳川も虎視眈々。柳川のエース高椋は140キロ超の速球が自慢。昨年代表の自由が丘は神村学園の名将、山本監督を新監督に迎えて臨む夏。東海大五の杉山監督は、”原貢メソッド”の強打で一気に代表を狙う。福岡工大城東の山川捕手、田川の秋山投手は県内でも注目の選手。飯塚も夏の戦い方を熟知しており、二年ぶりの夏を狙う。激戦必至のハイレベルなたたき合いが今年の福岡だ。

 


【佐賀】(参加41校)
龍谷が本命の座に座るが波乱含み。混戦時に顔を出す名門の力が今年もカギになる。

◎ 龍谷
〇 佐賀商 佐賀北 
△ 神崎清明 佐賀工 唐津商
▲ 早稲田佐賀 佐賀学園 鹿島 

昨年の勢力図とほぼ同じ名前の並ぶ今年の”夏の陣”だ。秋四強、春優勝としっかりとした足取りを見せる龍谷が本命。エース清松が安定した投球を見せ、それをバックが援護できればというオーソドックスな戦い方のチームだが、強豪との対戦では一気に飲み込まれてしまうこともあり、このまま夏も逃げ切るためには、全体のレベルアップが必要。本命が”絶対”ではないこういった年には、やはり強豪校が覇権争いに顔を出してくる展開が予想され、そういった面から佐賀商、佐賀北両校の浮上を予想する。佐賀商は昨年新監督を迎え、今年は全国制覇時のエースをコーチに加えて、『強豪復活』に躍起。ここ一番ではやはり怖いチームだ。一昨年代表の座を射止めた佐賀北も三枚揃える投手陣と”がばい打線”で浮上を狙っている。そして三校を追う勢力も多数いて、県大会は波乱含みだ。続く勢力としては、素質を持ったメンバーがそろう佐賀工が戦力を充実させている。吉丸監督”最後の年”に、甲子園というプレゼントを贈れるか。安定した戦いを見せる神崎清明もチャンスがある。大砲はいないものの、全員攻撃を仕掛けた時の迫力はかなりのものだ。春準優勝の唐津商は決め手に欠ける戦力だが、波に乗れば上位も。秋優勝の早稲田佐賀は昨夏も優勝と実績では他校を寄せ付けない。佐賀学園や鹿島なども、十分に代表になれる力はある。




【長崎】(参加55校)
創成館が自信付けリードを広げる。追っていくのは、島原農・佐世保工など”いつも以外”の公立勢か。

◎ 創成館
〇 長崎日大 島原農
△ 佐世保工 清峰 
▲ 波佐見 長崎商 佐世保実  

ここ10年ほど、夏の選手権は長崎日大、清峰、佐世保実の3強を軸に展開されてきた。そしてここ2,3年、力をつけてきた創成館が3強に食い込む勢いを見せ選抜に2年連続出場。そして今年は、”悲願の初の夏”に向けて本命の座をゆるぎないものにしている。創成館は選抜後の春の九州大会でも強豪を撃破して決勝に上り詰め、すっかり自信をつけている。ナインは今までの目標よりもグレードを一段アップさせ、【全国8強】をターゲットに夏に向けて実力を蓄えている。エース広渡と春にブレークした立部が完全に2本柱となり、夏を戦う態勢は万全に見える。追っていく一番手は、やはり夏に強い長崎日大だろう。必ず夏の大会にはチーム力をピークに持ってくる術を知る金城監督に率いられたチームは力強い。今年の売りは攻撃力。どこまで戦力をアップできるのか。そして今年は、今まで名前の挙がらなかった公立校の台頭が著しい。その筆頭は島原農。春の県大会を制し、波に乗って九州大会でも4強に進出。守備のチームと思われているが、相手のスキをついて連打が出る打線の力もなかなかのものだ。夢の舞台へ、一直線。そして久しぶりに名前の出てきたのが佐世保工。かつて香田(元巨人)を擁して全国の強豪と渡り合った姿は30年以上前のもの。長い雌伏の年を経て、聖地への帰還がなるのか。本格派投手2本を擁し、昔と同じ、投手力で勝負をかける。かつての全国制覇校ながら、指導陣を次々に失って勢いをなくしていた清峰は、そろそろ存在感を見せつけたいところ。強豪の波佐見は、今年のチームには今一つ勢いがない。清水監督を失った佐世保実が3連覇を狙っているが、混乱からまだ回復できていない模様。しかしながら選手の持っている力は一級品。夏に巻き返しを図る。




【熊本】(参加63校)
連覇狙う熊本工が本命。ライバルの九州学院が2番手の展開か。

◎ 熊本工
〇 九州学院 文徳
△ 鎮西 濟々黌 秀学館
▲ 多良木 熊本国府 必由館

混戦が予想される熊本の夏だが、本命は夏の戦い方に長ける名門・熊本工だ。昨夏の甲子園経験者をレギュラーに4人残し、レベルの高い攻守は県内随一だが、泣き所があるとすれば今年は投手陣だろう。軸になるエース山本の安定感が今一つで、他校としてはそのあたりのスキをつきたいところだ。対抗馬の一番手としては、ライバルの九州学院があがる。下級生中心のチーム構成になりそうだが、近年各地でこういったチームが勢いに任せて覇権を奪うといったケースが続いていることも間違いなく、勢いに乗ることができれば熊本工も勢いで飲み込んでしまいそうな感じではある。3番手に上がるのは文徳か。春は県大会を制覇して勢いをつけた。投手陣はタイプの違う3投手を揃え、ロースコアのしのぎあいに持ち込みたい。暑い夏だけに、もう少し打てるようになると2強との差はぐっと縮まる。そして注目されるのは、『匠の技』を持つNHK解説者にしてシニア野球の名将、鍛冶舎巧氏が春から監督に就任した秀学館。どのような戦いぶりを見せるのか、県内外から注目を浴びている。選抜出場の鎮西は、秋からあまりチームの成長度が高くないように感じられる。ここ2,3年存在感を示し続ける濟々黌も今年は代表に届くまでの迫力はない。それよりも注目されるのは、多良木のエース善だ。MAX149キロの速球は、彼の試合に12球団のスカウトを集結させるほど。打線がそこそこ打てれば、かなりやれるはず。そういった面では、組み合わせがかなりものを言うと思われる。




【大分】(参加46校)
大分、大分商の2強に明豊、柳ヶ浦などの強豪が待ったをかけるか。

◎ 大分 大分商
〇 明豊 柳ヶ浦 杵築 
△ 情報科学 別府青山 
▲ 藤蔭 大分上野ヶ丘

一時は明豊、柳ヶ浦などの”私学強豪”が席巻する大会だったが、昨年に引き続き今年も少し図式が違う。2強に上がるのは大分、大分商。両校ともに『大エース』を持つ似たような特徴のチームだ。大分は春の県大会を制覇して波に乗る。MAX150キロの佐野は迫力十分の投球を見せる。打線もなかなかの力をもち、候補1番手の座をがっちりとつかんでいる。対する夏連覇を狙う大分商にも、MAX143キロの左腕、笠谷を擁している。昨夏のこじんまりとしたチームを想像すると、ファンは度肝を抜かれるかもしれない大型チームになって再登場したい。この両投手を攻略するのはかなり骨のいる作業だが、名門の2校が『我こそは』と名乗りを上げている。明豊は3年ぶりの夏を狙い打線の整備が急だ。柳ヶ浦は足を絡めた攻撃で何とか好投手を攻略したいところだ。2強のエースに勝るとも劣らない速球派エース・牧を擁する情報科学も、初の夏を狙う。内川監督はSB内川外野手の父で、大分工では名将として知られた。甲子園出場への秘策はあるか。別府青山の伊藤投手も好投手。親子鷹での甲子園を狙っている。『全国屈指の進学校』にして甲子園を狙う大分上野ヶ丘もいい位置につけた。打線の爆発は期待できないチームだけに、継投策を軸にしっかり守って好機をつかむ展開に持っていきたい。いずれにしても、今年の大会は好投手が各校に散らばり、激戦が予想される。




【宮崎】(参加49校)
強豪・日南学園トップの座を譲らず。2年連続準Vのくやしさを晴らしたい聖心ウルスラ。延岡学園は昨夏の勢いを持続させたい。

◎ 日南学園 
〇 聖心ウルスラ
△ 延岡学園 日章学園 宮崎南
▲ 宮崎日大 都城商 宮崎北 鵬翔

今年は日南学園の年になりそうな気配だ。打線の破壊力は九州地区でもトップクラスの迫力。田久見・萩原の3.4番は、甲子園に登場すれば相当話題になるクラスの力を持つ。投手陣が崩れて試合を落とすというパターンの試合を秋、春ともにしてしまったてつを、夏は繰り返したくない。昨年、一昨年と2年連続で決勝1点差敗退と悔し涙を流した聖心ウルスラが3度目の正直を誓う。今年の3年生の思いは強く、その思いが壁を突き破る原動力になるかもしれない。昨夏快進撃を続けて甲子園準Vという、県内のチームが誰もなしえなかった快挙を成し遂げた延岡学園は、その反動か今年は1年間苦しみ続けた。しかし、その経験は何物にも代えがたく、今年もエース井出を中心に一気に夏の覇権を奪おうと虎視眈々。日章学園も選手の質では負けない。ガチンコ勝負なら負けないが、肩透かしを食った時のもろさを解消したい。『巨人のキムタク』こと故・木村拓也氏の母校、宮崎南が半世紀ぶりに『代表を狙う』位置に上ってきた。秋、春も4強入りして、『あと一歩』を克服できれば代表に近づく。宮崎日大、都城商など夏に強い面々が代表を狙えば、春4強入りの宮崎北も波乱を起こすと意気盛んだ。




【鹿児島】(参加70校)

三強に絶対の力なく、新興勢力との混戦を演出。

◎ 神村学園 鹿児島実
〇 鹿屋中央 樟南
△ 鹿児島城西 鹿児島情報
▲ 鹿児島商 大島

選抜で1勝を挙げて、小田監督に初の”聖地1勝”をプレゼントした神村学園の選手たち。打線の破壊力は全国レベル。投手陣の不安定さがチームに影を落とすこともあったが、数はそろっているので、夏の大会中に”新エース”の台頭を即したいところだ。4年ぶりの夏を狙う鹿実は、今年も夏に向けて戦力アップに余念がない。神村学園と互角に打ち合える打線は県内には鹿実しかない。決勝での【超ド級の打ち合い】が、ファンとしては見てみたいところだ。春はこの両校を押しのけて頂点に立った鹿屋中央だが、夏もその勢いを持続できるか。大隅半島から初めての夏の甲子園に向けて、自慢の打線に磨きをかけているところだ。連覇を狙う樟南は、今年もしっかりとした投手力で上位人の迎撃を狙う。上位陣にとっては、やはり伝統の力と毛色の違うチームカラーで挑んでくる樟南の存在は気になるところだ。鹿児島城西、鹿児島情報の両校は、近年急速に力を伸ばして上位に食らいついてくるチーム。カラを破って甲子園の土を踏むことができるか。投の2枚看板の鹿児島商、選抜21世紀枠の大島あたりも、展開さえはまれば十分に上位を狙っていける。




【沖縄】(参加63校)

大本命の沖縄尚学。全国制覇への第一歩を記せるか。

◎ 沖縄尚学
〇 美里工 糸満
△ 宜野座 興南 
▲ 浦添商 沖縄水産 嘉手納 

選抜では準々決勝でまさかの敗退をしたが、沖縄尚学の今年のチームはずばり『全国屈指』の戦力を持っており、よほどの事が無い限りすんなりと県大会は突破するだろう。エース山城大はトルネードからビシビシと速球を投げ込む本格派。久保、神里、真栄城らの控え投手陣の層も厚く、投手陣に不安はみじんも感じられない。打線も長打力だけでなく小技、足技もあり得点力は極めて高い。スキを見つけるのが大変なほどのチームだが、沖縄にはほかにも総合力の高いチームが多く、そういった点では”可能性に賭ける”大会となりそうだ。まずは秋の時点から強豪として誉れの高かった美里工が逆転を狙う。伊波・長峰の2本柱は全国屈指と言っても良い安定感を誇り、ロースコアの戦いを挑みたい。とはいえ、打線もなかなか活発。沖縄尚学と対戦する前に選手が疲弊してしまわなければ、互角の勝負が挑めるチームだ。春の県大会を制した糸満も力強いチーム。サイドから140キロ超の速球を投げて相手を惑わすエース赤嶺の投球がチームの命綱。美里工と並び、『ぜひ全国で見てみたい』好チームだ。宜野座もエース伊保を擁して沖尚に戦いを挑む。そして”春夏連覇”の興南はどうか。選手の質では沖縄尚学にも負けないはず。ノーシードからの苦しい戦いだが、何とか名門の意地を見せたいところだ。その他でも浦添商、沖縄水産、嘉手納など一癖も二癖もあるチームが目白押しで、今年も全国屈指の高レベルで競う大会となりそうだ。
なお、6月21日に大会は開幕。残念ながら期待された八重山勢は敗退ということになった。 
*本日時点で、既に敗退したチームがあります。予想は大会開幕前のものです。

 

≪了≫


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