高校野球の観戦

高校野球の秋の陣がたけなわになってきました。

各地で大会が進んできており、
新チームになっての『この夏の成果』を試される機会が、
そこかしこにあるというわけです。

神奈川県大会は、
ある意味『新時代かな？』と思うような感じになってきたりしています。

長く神奈川県高校野球界を引っ張ってきた横浜高校がコールド負け。
桐蔭学園もコールドで敗れ、
その他でも有力校がバタバタと倒れています。

そして、
平塚学園、横浜隼人といった『新興強豪校』が、
なんだか『真の強豪校』になってきていると感じさせるようなグレードを上げた戦いぶりを見せてくれています。

そこに、
今後王者に君臨するだろうと言われる東海大相模や、
近年安定した成績を残している桐光学園、慶応義塾らが絡むという展開です。

また夏になると【名門校の巻き返し】があるでしょうから一概には言えませんが、
何だか少しずつ県大会の『景色』が変わってきているような、
そんな感覚にとらわれています。
（名将・佐相監督率いる県相模原も快進撃で夏に続き8強入り。21世紀枠はいただきの情勢です。）


そんな高校野球を見ていて最近思うことをひとつ。

まあ、
ずっと前から思っていたといってもいいかもしれませんがね。


それは高校野球等学生野球の観戦について。


最近の高校野球の観戦に行くと、
必ず2つの”大人の集団”をスタンドに見かけることになります。

ひとつは『父母会』ですね。
揃いのＴシャツやらコスチュームに身を包み、
学生のすぐ近くで応援を繰り広げています。

そちらについては、
子供が選手やら部員で活躍していてその応援に来ているので、
粛々と応援を繰り広げていたりカメラやビデオを撮ったりしていますね。
（お茶出しなんかもあるようです。）

まあ、
それまでに見てきた小学校やシニアのチームの父母と変わるところはありません。


その人たちには、
特に何にも言うことはありません。

限られたその時間を大切に、
応援に励んでほしいということだけです。



しかしもう一つの集団がいます。
集団というか、
ひとりひとり集まってきて・・・・・球場で集団になるという感じですかね。

それはたぶん、
学校（野球部）のＯＢなどの集まりだと思うんです。

でも、
直近のＯＢではなく、
遠い昔のＯＢといった感じ。

（直近の若いＯＢたちは、現役に交じったり隣に座ったりして、一生懸命に応援しています。）

そんな彼らではなく、
年の頃が若いと30代、
普通は40代、50代の人たち。
60代以上の人たちもちらほら。

その人たち、
現役の選手諸君にいろいろと文句を言っているというのが常。
それ自体はいいんです。

いろいろな意見を聞かせてやったり、
ＯＢの目があるというのも悪い事ではないと思っています。

しかしながら、
その人たち、
必ず手にビールを持って、
酒を飲みながら観戦しているというのがいただけない。

要するに、
せっかく母校の試合を見に来ているのに、
酔っぱらいながら声援を送っているということなんです。


その様子を傍から見ていると、
その学校の帽子とかＴシャツを身に付けながら、
酒を飲んでクダを巻いているようにしか見えないですね、どう見ても。

それって見ていて気持ちのいいもんじゃないし、
どんなにいいことを彼らが言っていたって、
おっさんが赤い顔して言ったんじゃ、
子供たちには何も伝わりませんね。
指導者だって困っちゃいますよね。

こういう人たち、
実際に高校野球の試合のスタンドでは、
本当に多いですよね。

大学野球でも、
ずっと昔のＯＢたちが、
本当によく飲みながら観戦している姿があります。


しかし・・・・・ワタシは思うんですよ。

大体学生野球を見に行くのに、
なんで酒が必要なんだろうか？？

それって、
学生野球とプロ野球なんかを、
ごっちゃにしちゃっているということなんでしょうかね。

『プロ野球の試合の観戦にビールがつきもの。』
それはよくわかります。
プロ野球は試合自体が、エンターテイメントだからね。


しかし、
学生の試合を応援したり叱咤激励したりしに行くのに、
ビール飲みながらって・・・・・？？？？



ちなみに他の競技、
たとえばテニスの高校生の大会を見に来たＯＢが、
酒飲みながらコートを見て声援を送っているなんてこと、
見た事も聞いたこともありません。

ありえないと言ってもいいかもしれません。


だから思うんです。
『野球って、なんでこうなんだろうか？』


これがワタシが、
長年にわたって抱いていた疑問。

もちろんワタシだって、
酒は日常飲むしビールは大好き。
プロ野球では、
よく飲みながら観戦したりもします。
（というか、飲まずに観戦している方が珍しいかも）

でも、
つきあいで仕方なかったごくごくわずかの試合をのぞいて、
自分が関係していようがしていまいが、
学生野球と名のつくものを見に行って、
酒を飲みながら観戦したことはありません。

それがワタシのポリシーと言ってもいいかもしれません。

そのココロは二つ。

ひとつめは、
学生野球は大好きでしかもその試合の勝敗に常にこだわっているので、
とても酒を飲みながら・・・・・という気分にはならないこと。

ふたつめは、
やっている学生に申し訳ないと思うから。


その昔池田高校の蔦監督の奥さんは、
甲子園や徳島県の池田高校の試合では、
クーラーはおろか扇風機も止めて、
試合を観戦していたそうです。

曰く、
『お父さん（蔦監督）が炎天下で頑張っているのに、申し訳ないから』
だそうです。

そこまでストイックにならなくてもいいとは思いますが、
せめて酒飲んで選手に野次を飛ばす、あるいは選手を評価するのはやめましょうよ。

せめてもの礼儀・・・・・だと思いますがね。

一般のお客さんは・・・・・まあ、いいとは思いますが。



『高校野球が崇高だ』
なんて申しませんが、
そのあたりは【観戦マナー】じゃないかと思ったりするわけです。