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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

最も印象に残った球児   5.岩手

2012年07月08日 | 高校野球名勝負

【もっとも印象に残った高校球児】

5.岩手



佐藤 涼平   外野手  花巻東    2009年 春 夏  


甲子園での戦績

09年春   1回戦    〇  5-0    鵡川(北北海道)      
        2回戦    〇  4-0    明豊(大分)
        準々決勝  〇  5-3    南陽工(山口)
        準決勝   〇   5-2    利府(宮城)
        決勝     ●   0-1    清峰(長崎)
    夏  1回戦    〇   8-5    長崎日大(長崎)
        2回戦    〇   4-1    横浜隼人(神奈川) 
        3回戦     〇  4-1    東北(宮城)
        準々決勝   〇  7-6    明豊(大分)
        準決勝    ●  1-11    中京大中京(愛知)


岩手県と言えば、
3人の選手が強烈に印象に残っています。

まずは84年に選抜4強入りを果たした大船渡の左腕、今野投手。
素晴らしい切れの速球を投げる”小さな大投手”でした。
そしてご存じの花巻東・菊池雄星投手。
言うまでもありません。
この夏の話題を独り占めした投手です。

しかし忘れられないと言えば、
その菊池のチームメートにして、
小さい体をいっぱいに使って甲子園狭しと暴れ回り、
『何球でも投げてこい』
とばかりにファールを打ちまくった佐藤涼平選手のことを、
忘れるわけにはいきません。

昨年悲運の最期を遂げたという悲しみも、
一層彼の存在を大きくしているのかもしれませんね。

全国屈指の好投手というふれこみの菊池投手を擁しながら、
花巻東の春のセンバツ出場は、
まさにタナボタという言葉がぴったりかもしれません。

秋の東北大会は4強どまり。
例年の慣習からいえば、
春のセンバツ代表校は、
東北地区からは決勝出場の2校で決まり・・・・・・・でした。

しかしこの春の選考会では、
決勝に進出した一関学院を抑え、
準決勝で敗れた花巻東が『菊池という好投手を持ち、守りに優れる』という理由で選出されました。

選ばれた方も選ばれなかった方も、
『寝耳に水』的な選考結果でした。
(おまけにこの年、21世紀枠で同じく4強敗退の利府が選ばれたので、一関学院には本当に気の毒なことでした)

ワタシの花巻東に対する期待は、
100%菊池に対する期待でした。

しかし…。

チームのセンバツでの初戦を見てびっくり!!

『すっごい声が出る』
『盛り上がり方が尋常じゃない』
『土佐以来の、本気の全力疾走』
『カバーリングも、半端じゃない』

等々、
『ものすごいチームが隠れていた』
という認識に、
変わっていきました。

その中心にいたのは、
小さい体で全力プレーを続ける、
佐藤涼平選手でした。

ガッツあふれるそのプレースタイル。

久しぶりに、
『甲子園が生んだ、甲子園だけのヒーロー』(だけというのは、甲子園でこそ輝くという意味です)
そのものの選手という感じでしたね。

ワタシは遠い日の、
早稲田実の伝説の名プレーヤー・小沢選手をオーバーラップさせていました。


菊池、菊池・・・・
という見出しが躍る中で、
『佐藤』
という文字も、
間違いなく紙面で踊っていました。

惜しくも準優勝に終わった春。

そしてその春を超えるためにやってきた夏で、
佐藤涼平選手の輝きは、
何倍にもなって甲子園で輝きました。

何しろ、
ファール、ファールで粘って塁に出る。

塁に出れば
『何をやってくるかわからない』
花巻東の攻撃を牽引。

故障を抱えた菊池が苦しむ中、
佐藤を中心とした【全員野球】の花巻東は、
春よりもずっとその輝きを増していました。

その集大成が準々決勝の明豊戦。

150キロ右腕の今宮を擁するこの難敵に対し、
花巻東は菊池が故障を発生し、
ボロボロになりながら立ち向かっていきましたね。

その中で佐藤選手は、
1塁手との激突で一時ベンチを退くというアクシデントがありながらも、
最後までチームの勝利に貢献。

この夏一番輝いた花巻東の中でも、
本当にピカピカと輝いた存在でした。

その系譜、
今でも花巻東ナインの中に息づいているようです。

第2・第3の佐藤涼平クンが出てくること、
本当に期待しています。

忘れることのできない球児です。


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