秋の深まりを迎え、
駅伝の季節がやってきました。
箱根駅伝予選会、出雲大学駅伝を経て、
日曜日には全日本大学駅伝が伊勢で行われました。
ほぼ箱根駅伝の半分の距離を走るこの全日本、
箱根の前哨戦として、
各大学の力を図るには本当にいい大会です。
普通大学スポーツというと、
【全日本大会】【インカレ】
を目指すというのが普通ですが、
長距離界は【箱根駅伝】という国民的行事がありますから、
どうしてもこの【箱根】から逆算してシーズンのスケジュールを立てていくと思います。
要するに、
いかに【箱根】に各選手のピークを持っていくか、
ということです。
他の大学スポーツと比較しても、
【大学長距離界】の指導能力は突出しているという印象がありますね。
そのままオリンピックなどにもつながっているというのもあるでしょうが、
その綿密さや密度の濃い練習法など、
日本の各大学は世界をリードする存在といえるのではないでしょうか。
さて、
そんな中行われたのが全日本大学駅伝。
注目は、
実力NO1と言われる駒澤が、
絶好調の東洋の牙城を崩せるか、
というものだったと思います。
総合力で見れば今年の長距離界で、
駒澤の実力が抜けているのは衆目の一致するところ。
しかし【山の神】柏原を擁してここ3年間箱根駅伝では圧倒的な力を誇る東洋が、
この柏原の最終学年で2年ぶりの王座奪還を狙っていることは、
これまた衆目の一致するところ。
3大駅伝の一つであり、
今シーズン最初の駅伝である出雲駅伝では、
東洋が下馬評を覆す快走を見せて優勝。
『今年は東洋が抜けるのか?』
という論評も出る中、
駒澤がこの全日本でどのように巻き返してくるのかが、
全日本での焦点でした。
駒澤はこの日、
出雲で失速して敗退のきっかけを作ってしまった1年生の村山をエース区間の3区で起用。
この起用が当たって、
この区間でトップに立った駒沢が悠々とリードを広げ、
余力を残したままトップでゴールテープを切りました。
村山の快走、
駒澤が箱根を見据えるにあたって、
とても大きな走りだったと思います。
果たして箱根では何区を任されるのでしょうか。
花の2区かな?
周りを固める選手たちも、
スピード、経験いずれもそろい、
”駒沢強し”の印象を強く残しましたね。
全く負ける気がしませんでした。
しかし東洋も、
最終区での柏原の走りを見るまでもなく、
”負けてなお強し”の印象を残したのは大きかったと思います。
各区間の距離が2倍に伸びる箱根駅伝では、
東洋らしい粘りの走りを見せてくれると思います。
箱根の勝敗は、
その日のコンディションで決まりそうですね。
東洋としては、
往路で柏原につなぐまで1~2分の差でついていって、
柏原で逆転、
2~3分程度の差をつけたいところでしょう。
駒澤は復路にも好選手を配置してくると考えられるので、
1分程度の差ならば去年のように”復路逆転”が現実味を帯びてくると思います。
いずれにしても今年は、
まれにみるレベルの高い2強対決になると予想されます。
見逃す手はないですよ。
他のチームの動向としては、
早稲田がここにきて2強に大きく水をあけられていることが、
なんとなくわかってきてしまいましたね。
よほどのことがない限り、
連覇は難しいとみるのが妥当でしょう。
手堅く3位狙いに徹する年だと思われます。
一発を狙う東海や明治などは、
エースの出来が今ひとつなのとともに、
なんとなく優勝を狙うまでの底上げは出来ていない感じ。
日体、中央、青学などもしかり。
これらのチームは、
シード争いでしょう。
期待しているのは予選トップ通過の上武ですが、
まだ本当の上位を狙うには駒不足かな。
ただ、
初シードは十分にねらっていけると思いますよ。
ということで、
各大学ともに箱根に向け、
最後の50日に入っています。
悔いなきよう、
牙を研いでおいてください。
今年も駅伝は、
面白いことになりそうです。