埼玉西武ライオンズが、
伊原春樹氏の新監督就任を発表。
新たな船出となります。
西武ライオンズ・伊原監督
ライオンズは、
6年間指揮を執った渡辺前監督の後任として、
伊原監督をチョイスしました。
非常にいい人事ではないかと思っています。
渡辺監督は、
個人的には采配に問題があったため、
5年間優勝を逃し続けたと思っています。
しかしながら、
彼の功績は人を育てたこと。
人を使うのは”不得手”だったものの、
人を育てるということは”得手”の部分。
そういった意味では、
渡辺時代の6年間は、
チームを長い目で見た場合においては、
悪くない期間だったと思います。
ある程度若手の底上げができ、
『さあ来年は戦うぞ』
となった時、
やはり『渡辺采配』では不安が残るなあというのがワタシの本音でした。
そこで登場してきた伊原監督。
彼は、
ワタシの頭の中では球界でも屈指の『実務派』。
戦いを完遂する上では、
これ以上の人はなかなかいない。
球団の人選は間違っていないと思います。
思えばライオンズの監督人事。
初優勝を飾った広岡氏から森監督までの13年間、
常に『勝ち』をとことんまで追求する監督のもとで、
黄金時代を作り上げました。
両氏が指揮を執った13年間で11度のパ・リーグ制覇は、
単純にいい選手が集まったからということでは決してありませんでした。
本当にグラウンドの中で厳しさにあふれた『プロ集団』というチームだったからこそ、
成し遂げられた偉業だったと思います。
森監督が長嶋巨人との決戦にまさかの敗退を喫した94年、
常勝軍団はその『常勝』に幕を下ろし、
全く指導経験のなかった東尾監督の下、
『明るく、見ていて楽しい』
新たなチーム作りを模索し始めました。
この頃、
勝っても勝っても人気が頭打ちな西武球団に、
西武グループの総帥・堤義明オーナーは完全に興味を失っており、
『勝つよりも客を呼べ』
みたいな号令をかけていました。
そしてその時からチームは根底から崩れ始め、
他球団からは『常勝軍団の黄昏』と揶揄され、
新興で球団を強くすることに情熱を傾けていたオリックス・ダイエーの両球団に、
足元を崩されていきました。
東尾監督は、
現役時代から『親分肌』でしたが、
どうしても『戦う集団』のリーダーというタイプではなく、
監督としての力量も劣っていたため、
7年間という監督期間で、
すっかり西武の『良き伝統』を崩してしまいました。
西武はそもそも、
常勝軍団時代は、
『勝つためには選手が駒となって動く』
野球を徹底して推進。
【個人よりもチーム】
が徹底されたチームでした。
特にその守備力と相手のスキを突く走塁の妙は、
短期決戦でこそ存分にその力が発揮され、
『短期戦に強い』
西武を形作っていました。
しかし東尾監督は、
『反体制』
的なにおいのする選手時代の歩みから、
【個人主義】
を中心とした考え方の持ち主。
『個人の活躍が集約した先に、チームの勝利がある』
という考え方でしたので、
ユニフォームは同じでも、
『全く中身は別物』
になってしまったというのがワタシのその頃の印象でした。
そして看板選手たちの相次ぐFA等での離脱で手薄・小粒になった戦力での戦いを余儀なくされ、
西武という金看板を背負っての監督7年間でしたが、
優勝はわずか2度にとどまってしまいました。
おまけに日本シリーズでは2度とも大敗。
伊原監督第1次政権は、
そんな中で2002年から2年間にわたり、
優勝・2位という【結果を残した】形で終焉しました。
前回の場合、
放っから【中継ぎ】の人事でしたので、
貯金16の2位という結果を残しながら、
次期監督が確定していた伊東氏に、
【選手を引退して、すぐに監督就任というレールが敷かれている】
状況で、
2004年に監督を禅譲する形で退きました。
1年目の優勝は、
松坂が戦線離脱するという状況の中、
カブレラ・和田の4・5番を中心に猛打で相手を粉砕し、
守護神・豊田を徹底的に信頼してことごとく終盤の接戦ゲームを取っていった優勝でした。
『完璧な戦いぶり』
これ以上表現しようがない感じでしたね。
ワタシは2003年が終了した後、
当然伊原監督は留任すると思っていたので、
『伊東はコーチとして、伊原監督の下で3年ぐらい勉強して、そこから新監督だな』
なんて思っていましたが、
すぐに『青年監督就任』となってしまったので、
指揮官として勉強する期間がなかったのが、
失敗に終わった最大の原因だったと思っています。
今回千葉ロッテに就任して、
西武の監督時代とは本当に違う姿を見せた彼を見ていると、
『やっぱり指揮を執ることを勉強する期間は、絶対に必要だな』
と思っています。
特に【勝つ軍団】を作り上げている監督のもとで『修行』するということは、
本当に意義がることだと思っています。
そういった意味では、
今回の伊原監督の下で、
将来の監督が噂される潮崎氏が、
しっかりとその采配、選手育成術を学んでいってほしいなあと感じています。
渡辺監督の下で西武が失ってしまった『常勝のDNA』、
それを取り戻して戦う集団になっていってくれること、
昔からのファンとしては大いに期待しています。
東尾、伊東、渡辺のそれぞれの監督は、
どちらかというと『のびのびと個性を発揮』というチームカラーでしたから、
伊原氏の就任に伴うチーム内の『厳しさ』の導入には、
一定の戸惑いがあるかもしれませんね。
しかし【スキのない勝つ野球】を自らの応援しているチームがしてくれること、
それは自然に大きな喜びに変わってくることだと思います。
そういった意味でも、
昨日の伊原監督の就任会見での、
『優勝することしか考えていない』
という言葉。
嬉しかったですね。
勝つ野球に徹しながら、
個性を発揮する軍団に、
チームを昇華していってほしいと思っています。
考えてみれば、
常勝軍団の前夜、
『常敗軍団』のライオンズを率いたのが【球界の寝業師】こと根本陸男氏。
彼は広岡監督に引き継ぐまでの3年間、
一切の細かいことは言わず、
『次の監督にいい形でチームを引き渡す』
という一点だけに絞ったチーム作りをし、
常勝軍団の基礎を作り上げました。
渡辺前監督が作ってくれたチームの基礎、
常勝前夜のチームに似ていなくもありません。
そのチームを率いて、
今度は『勝つ野球』を推進する監督の就任。
あとはフロントがそれに見合うような手腕を発揮することだけ。(そこが一番心配なところだけど)
来年は期待してもいいかなあ。。。。。
そんな希望を抱いてオフを迎えます。
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